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皆さんご無事でしょうか、台風の中気を紛らわせるのにお役にたつかなと思い再録版書き下ろしのジェイクローソン×ジョシュキーズをupしました。
どうかみなさんご安全に!

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同じく再録本「リンカーネイション・パレード」(https://vvsm52.booth.pm/items/1453465)集録の書き下ろしのジェイジョシュ


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「やあ、救世主さんたち!」
 命からがら地上に戻り嬉しいんだかくたびれているのかまだ分からないジョシュとレベッカは、突然現れたハンサムな熊みたいな大男の熱烈なハグと握手に見舞われ、何がなんだか分からず目を白黒させてしまう。正直に言えばぎょっとしたのだ。でかい。
「おっと。ジェイク・ローソンだ。よろしく」
 その男はおどけたように笑っていう。
「"あの"ジェイク・ローソン!?」
「なんでこんなところに……」
 本当にわけがわからなかった。戸惑う二人の肩をたたいて快活にジェイクは言う。
「つれないことをいうなよ、世界を救った仲間同士だろ」
「まあ……」
「さ、その英雄譚を聞かせてくれよ」
「なるほど。それならジョシュの方が詳しいし、説明も上手なので。じゃ、あとはよろしく!」
 そう言ってウインクをして無情にも去ろうとするレベッカに行かないで!と叫びそうになる。ジョシュは人見知りのうえ、こういった押しの強い人間が一等苦手なのだ。すっかり困っているといかにも政府の人間、と言った青年がこちらにすごい勢いで向かって来て言う。
「兄さん!2人に話を聞くのは政府が先だぞ!」
「じゃあその場に居させろよ」
「できるわけないだろ!!」
 そんなジェイクの弟の悲鳴も虚しく宣言通り説明会に同席したジェイクは、ようやっとお硬いお歴々から開放されたジョシュの肩に長年の友のように手を添えて快活に言う。
「いい報告だった。流石だな!ところで君は地下の先生だろ?すまないが色々教えて欲しいんだが、いいか?」
「いいけど……。でもなんで?メイジャー・トムは墓穴なんか掘らないだろ」
「可愛い顔をして言うねえ!……真面目な話をすると、今回みたいなことを二度と起こしたくない。君もそうだろ?どうだ?君と俺なら宇宙だってこの星を中からも外からもコントロールできるようになる。そう思わないか?」
まったく、夢みたいな事を言う。でもこの男なら実現させるかもしれない。そう思わせる笑顔だった。
「分かったよ。でも機密事項って念を押されたからなぁ……。カフェで話すわけにもいかないし」
「じゃあ俺の家はどうだ?なんとか残ってるからさ。あ、でも疲れてるなら後日でも」
 あまりの圧に嫌だと言えるはずもなくジョシュは肩を竦めた。
「OK」
 そうして彼の(驚いたことに)質素なトレーラーハウスに行き、少し話をしただけでジョシュには分かった。彼は才気というギフトを授かっている。ジェイクは真に天才だ。自分は着実に物事を運ぶが、ローソンは閃きで生きている。すごい、素直にそう思った。
「ジョシュは凄いな、俺の話をすんなり理解できるやつは少ない」
 そんな自分と全く違う、しかし尊敬できる相手にそう言われるのはなかなか面映ゆかったが悪い気分ではなかった。
「もうこんな時間だ……」
「悪い、夢中になってしまった。あー、君がもしよければ泊まっていかないか?」
 それを聞いてジョシュは固まってしまった。いくら下心が無いとは言え戸惑う。
 この人は、自分がゲイだと、知らないのだ。
「いや娘さんのベッドはだめでしょ……」
「そうか?じゃあ俺のベッドで寝ろよ。俺はソファで寝る」
「ソファだとあんたはみ出るだろ。いいよ僕が、」
 なんだかんだ流されて泊まることになってしまい最初は戸惑ったが、とはいえ惚れてるわけでも寝込みを襲うわけでもなし、特にセクシャリティを伝えなくてもいいか。そう判断して遠慮なく泊まる事になったわけだが、押し切られてジェイクのベッドで寝ることになってしまった。眠いのは事実だったので早々にベッドに入った。
(あ、これあの人のにおいか)
 その晩は途方もなく暗い箱を思わせるような寝床に怯んだとは思えないほどに、よく眠れた。
それからというものの、さすがにこれが世界を、いやこの惑星自体のあり様を変えてしまった男か、という程の熱量とロマンを語りジョシュやその周りを巻き込んでジェイクはいつの間にやらジョシュに馴染んでしまった。そうして二人は議論を戦わせたり、ジョシュの勤める大学の空き部屋で怪しげな試作品を作ったりする、人が望んでも手に入らないような間柄となった。もしも二人の生まれた時代があと5年違ったら?もしもあのような大災害が二度も起こらなかったら?もしもどちらかがミッションで命を落としていたら?もしも、もしも。
「よかったのか、あれだけで」
 そう尋ねるジェイクにジョシュは少し笑ってみせる。
「いいんだ。これから迷惑をかけることになるし」
 しとりしとりと纏わりつくような雨の中、二人っきりの様な傘の中からサージの葬儀を見つめていた。
 そして葬儀が終わってから幼い娘たちを連れた彼の妻にノートを手渡したのをジェイクは言ったのだ。渡して、それだけ。ハグもお悔やみの言葉も出なかった。大切な、そして生死を共にした友人の葬儀だというのに。でもそれでいい、とジョシュは思う。今、ラッドがリークした英雄譚が世界を駆け巡り始めている。それは大混乱を引き起こすだろう。残された家族には他人の不幸を喜ぶ人間が群がるだろう。それでも彼らのしたことを世界に伝えるのは残された者たちの使命だった。しかしそれに耐えてくれ、と残された彼女らに押し付けたことは傲慢であり非道なことだとジョシュは知りすぎていた。それで何も言えなかった。ジェイクは全てを感じ取って、それでもそんなジョシュを気遣ってくれる。
「ありがとう、付いてきてくれて」
 ジェイクにそう言うと優しく笑って肩をぽんと叩かれた。それから二人は静かに立ち並ぶ墓石にたちの中黙って音も立てずに降る雨の中を歩く。ああ、この人が好きだなあとジョシュは思った。心臓に冷たさが沁み入るようだった。ジョシュにとって、彼のような男と愛し合えるようになるなどというのは幻想にすぎないのだった。
 そもそもジェイクは自分のことを弟分としか見ていない。その証拠に事あるごとにジョシュが弟ならよかった、と言うだとか、子どもにやるように頭を撫で回したり親愛の情を込めて頬を軽く叩くのだ。機械油で汚れた男らしい身体や、真剣に計算している時の精悍な顔つきにジョシュが胸をときめかせ、欲を燻らせているのも知らずに。勿論伝えない自分のせいでそれが当然だという事は分かっている。それでも、もうジョシュには限界だった。
 数日後、ジョシュはいつものように機械を弄り回しているジェイクの元へ赴いた。よお、遅かったじゃないか、なんて頭を乱暴に撫でて挨拶される。それを適当にいなしてジェイクの隣に座る。
「これは?」
 そう問うと喜々として説明しだす。この関係で満足できない自分はなんて浅ましいのだろうと胸が痛んだ。
「ジョシュ?疲れてるのか?仮眠を取ったほうが良さそうだ。俺にもベッドの端を貸してくれよ」
 朗らかに勝手なことを言うジェイクの唇の端にそっと口づけた。そう、こちらの下心など、思いつきもしてくれないのだ。
「おれはあなたの弟じゃないよ」
 そのまま振り返らなかった。それには胸が苦しすぎたのだった。

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あの口付けの後、姿を見せなくなったジョシュについてぐるぐると考えたが埒も明かずジェイクは彼の研究室を訪れた。扉を開けると、憔悴しきった様子のジョシュはぽかんとした顔をして俺を見た。それからボディに衝撃をうける。
「くましゃ!!!!」
 ジェイクにタックルをかましたジョシュがわけのわからないことを叫ぶが、周りはこの奇行に慣れているのか誰も彼に説明してくれない。まあ自分の周りでもよくあることだ。
「教授、これはローソンさんですよ」
「ほんとだジェイクのにおいするー」
「先生ぇ!あとちょっとじゃないですか!!仕上げましょっ、ね!くまさんもそう思ってますよ!!」
 状況から察するに俺をもふもふしている大先生の論文だかなんだかの締切が迫っているようだ。とジェイクは納得した。まあよくある話だ。
「くまさんはそんなこといわない!ねっ」
 徹夜続きなのか目元が赤いジョシュには可哀想だが周りの縋るような視線が刺さる。しょうがないのでなんとか宥めることにする。ジェイクは娘にもしたことがないような口ぶりで言い聞かせる。ハンナはあっという間に大きく賢くなってしまい、必要なかったのだ。
「もうちょっと、頑張れるかな?」
「……だっこしてくれたらやる」
 神よ。殺人的に可愛らしいジョシュを膝に乗せてPCに向かわせると、もとが優秀な彼らしくものすごい勢いで書き上げていくのを見る。ああ、参った。この青年が可愛らしくて可愛らしくてたまらない。構い倒して護ってやりたい。あの口付け以上を望まれてるなら叶えてやりたい。そう想ってジェイクは膝に乗せたジョシュに腕を回してあっちこっちに飛び跳ねた髪の毛に鼻先をそっと埋めた。
 そうしている内、なんとか形になったところで完全に電池の切れたジョシュの代わりに保存してやってデータを渡した。口々に感謝を述べられたが君らまで俺をくまさんと呼ぶのはどうなのか。とまあそんなこんなでジェイクは静寂の訪れた部屋の仮眠用ベッドにジョシュを運んだ。
「ん、起きたか……?」
 穏やかな寝息につられてうとうとしていた目を開き声をかけると、目を丸くしてこちらを見ていた彼はびゃ、とネット動画によくある驚いた猫みたいに飛び退る。慌てて落ちる直前でキャッチして膝に乗せた。
「ほわ……?ぇ……ジェイ……?いつから??え?」
「最初にくまさんが来たときから俺で、抱っこして作業したときも俺、ジョシュが寝ようとしたら疲れマラが痛くて寝れないって泣いたから擦ってイかしてあげたのも俺、そのあと布団になってたのも俺だよ」
 そうジェイクが言ってやるとますますパニックに陥ったらしいジョシュをベッドに沈めてできるだけいやらしく囁く。
「もう一つ覚えてるか?目が覚めたら抱かせてくれるって約束したの」
 可哀想なほど目を白黒させているジョシュに苦笑してそっと覆いかぶさっていた身体を起こそうとすると引き止められた。そうして目元を真っ赤に染めて小さな声で尋ねられる。
「じぇいく、おれで勃つの」
 我慢させまくっていた相棒に止めの一撃を加えられ、ジェイクは無言でジョシュの太腿に固く張り詰めだしたそれを擦り付ける。びくりと身体を震わせたジョシュは美しい瞳を揺らめかせ、紅い舌で薄い唇を湿らせると言った。
「それ、……舐めたい」
 正直限界であった。
「……だめ」
「なんで?」
 そんな無垢な少女のような眼で聞かないで欲しい。ジェイクは妙な罪悪感に襲われる。
「なんでってここ構内だろ」
 そう言うとジョシュは腕を伸ばしてサイドボートのスイッチか何かを叩く。するとドアのロック音と共にカーテンが降りる。よほど変な顔をしていたのかジョシュが言い訳のように言う。
「ほとんどここに住んでるのしってるだろ、……防音にしてんの」
「なるほどね」
「舐めていい?」
「ああもう、わかったよ!好きにしろ」
 子供みたいな調子のくせに色めいた目つきに抗えなかった。どうも調子が崩れる。とは言え(だいぶん)年上の矜持でどか、とジェイクはベッドに座り直した。そうすればジョシュは嬉しそうにその股座に位置を変え、嬉しそうに笑って唇を少し舐め上げた。その様子に、とんでもなく欲情した。
「ふぅ、ッ……、はぁっ……」
 ちろり、と尖らせた舌で亀頭を舐めてからそれを少しだけ口内に含む。柔らかく内側が紅く染まった唇で張り出したそこのくびれをそっと締め付ける。性的なことなど全く考えたこともない様なジョシュが。思わず熱い息が漏れる。それに気を良くしたのか眼を嬉しそうに細め、ぱくりと唾液まみれの滑らかな咥内に更に迎え入れられる。そして聞くに堪えないような卑猥で淫らな水音を立てて頭を上下させる。
「んゥ……、ン、ふゥ、ん、ん……」
 そう甘く鼻を鳴らしながら舐め、喉奥まで咥えてもとどかない根本はその美しい指で扱かれ、さすがのジェイクでも長くは持ちそうになかった。
「はぁッ、ジョシュ、ジョシュア……そんなにしたら、ン、すぐイッちまう……」
「んぁ……、いい、だして……欲しい……」
 とんでもなく魅力的な誘いにくらりとしたが、可愛らしい赤くなった鼻をちょっと抓んで笑って言う。
「だめだ。おじさん一回出したら寝ちゃうぞ」
 むう、と唇を尖らせたジョシュだったが、気を取り直したのか今までが信じられない程恥じらいながら言った。
「じゃあ、その、挿れてくれる?」
「……そうしたいのは山々だがそう簡単にいかないだろ?」
 するとぐるりと体勢を入れ替え、腕を伸ばしたジョシュがヘッドボードの引き出しを開けるとゴロゴロとローションやらスキンやらがでてきた。
「誰だってい、息抜きくらいするだろ!」
 よほどジェイクが驚いた顔をしていたのか、照れてぷんすかするジョシュはそれはそれはかわいいかった。
「最高だな。今度見せてくれ」
「ばか。スケベオヤジ」
 憎まれ口を叩くその口にキスしている間にジョシュは青いスライムのようなカプセルを体内に入れた。少し顰められた眉がたまらなくそそる。
「これ、で、すぐやわらかくなるからちょっと待って」
 全く、科学さまさまである。指にとろりとしたローションのたっぷり付いたスキンを被せ、再びベッドに沈めたジョシュの尻に指を侵入させると、びくりと身体が反応した。
「悪い、痛かったか」
「べつに、大丈夫」
 そう言うジョシュの脚を開かせて、ジェイクは自分のものにもスキンを装着して白い腿に口づける。
「挿れるぞ」
「ん……」
 ぐぐ、と客観的に言って大きい自分のそれをジョシュの狭隘に埋めていったが、正直に言ってまだキツかった。しかしジョシュがあんまりにもそこを見つめるものだから後にも引けず、ローションを足しながらゆっくりと腰を進める。そうこうしているうちに中にすべて納め、ジェイクが一息つくとジョシュの薄い下腹が震える。痛いのだろうかと顔を覗き込んで息を呑んだ。
「じぇいく、ジェイク、おれのこと、好きになって」
 そう涙をぽろぽろと零しながらジェイクに腕を伸ばす。こうなってまで愛を乞うジョシュがあわれでいとおしくて額に小さくキスをする。それから唇、右頰、その反対側も。その間々に好きだ、愛してると言ってやるとジョシュの涙が途切れてくる。真っ赤になった形の良い耳と鼻先を少し啄んでまた唇に口づける。
「ん、ゥ……、はふ、そんな、うそ、うそ、ジェイクひどい」
 潤んだ蒼い瞳で非難する言葉とは裏腹に、ジョシュの中は喜んでうねりながら奥へ奥へとジェイクを誘う。そのあまりのいじらしさに微笑んでしまう。
「馬鹿だなぁ、ジョシュア。愛してないのにこんな事するほど不実じゃないぜ、俺は」
 おいで、とジョシュの身体を抱き上げて膝に乗せる。自重がかかり、ジェイク自身を更に深く咥えこんでしまったジョシュは声も上げられずひゅうひゅうと呼吸をするのでいっぱいいっぱいだ。が、胸の辺りまで感じ入った色に染まったその身体にジェイクの我慢は限界だった。
美しい腰骨を掴み前後に揺さぶると、直ぐに反応した狭隘の激しい蠕動にすべてを持っていかれそうになり、身体を丸めたジョシュの肩に顔を埋め耐える。
「ひぁ、……あ、う、すご、じぇい、ああ……!ひぐ、ンぁあ!」
「かわいい、ジョシュ……。なぁ、キスして、くれ、ジョシュ」
「ふぁ……、んん、ぅン、はぁっ、ンン……」
 言われたとおり必死に口づけてくるジョシュを抱きしめ、足の筋肉とベッドのスプリングを使い奥深く穿った。
くぅんと子犬のように鼻を鳴らしたあと、身体を震わせながら放心しているジョシュにやりすぎかと反省しつつそっとベッドに横たえる。そうしてから未だに熱く柔く締め付けるそこから自身を抜こうとした。しかし。
「ぁめ……、だめ、でちゃやだ、じぇいく……」
 なんてことだ。その言葉と連動した後孔の入り口のきゅうと締め付けられ、ジェイクはみっともなく射精した。
妙な悔しさを感じつつもずるりと引き抜いたジェイク自身から雑にスキンを取り、口を縛って放り投げる。その動きを見ていつもより深く色づいた瞳をきらめかせてジョシュはうっとりと呟く。
「すごい……、おれでイってくれたの」
 まったく。どれだけ健気なのか。そんなジョシュを後ろから抱きしめるとジェイクは共に横臥してジョシュのすんなりとした片脚を持ち上げ開かせる。そうして信じられないほど奥まで侵されたジョシュは強烈な快感に襲われたようだ。小さく悲鳴を上げ快感から逃れようと身悶えするジョシュに煽られ、その上半身を上に向かせる。そうしてゆるゆると腰を動かしながら、初めて感じる痛いほどの甘いしびれにぽろぽろと涙を溢すジョシュに覆いかぶさり口付ける。お互いに苦しい体勢なのに、むさぼるように舌を絡めて熱い吐息を、唾液を交換するのが止められない。
「んん、ふ、ぁ……ン、ぅ、じぇいく……」
「もっと呼んでくれ、ジョシュ」
「ジェイク、ジェイク……すき、好きだ、ジェイク……」
 恍惚とした顔でそう言うジョシュにジェイクは何度目か分からないキスを落として抱え直す。そうして右手をジョシュの指に絡めると、空いた手で薄く紅い唇を喰みながらローションで滑る指で乳暈を撫で硬くなった尖りをいたずらに挟み、それから摘み上げる。
「あ、はぁっ、だめ、だめ、それ、あぁ……、ひ、ぅ、じぇいく、んン!」
「かわいい……、綺麗だ、ジョシュア……」
 耳に吐息と共に囁かれ、射精した後でもうこれ以上の快感は受け止められないというように、ジョシュはジェイクの身体から逃れようとうつ伏せて躍起になる。しかし弱々しく身悶えする様は官能に苛まれていることを如実に語るだけで、それはいたずらにジェイクの興奮をかきたてるだけだった。その衝動のままにジョシュの腰を掴み尻を高く上げさせ舌舐めずりをする肉と肉とがぶつかる音がいやがおうにも頭に血を上らせる。ジェイクは先ほどとは違い高速で出し入れし、限界であろうところを何度もノックする。その度にジョシュがあげる甘い悲鳴は美しかった。

 その何日かあと、二人は黒い石版の前に立った。そのあまりにも大きな御影石には無数の数えきれないほどの名前が刻まれている。ダッチボーイが引き起こした災害で亡くなった慰霊碑であった。
 その磨き上げられた表面をするすると撫でながらジョシュはジェイクと共に歩く。耳鳴りがするほどに空気が澄んでいる。
 救えなかった人々。救えたかもしれなかった人々。ジョシュが食い止めたあの異常気象で死んだ人々の慰霊碑も立つだろう。そこにはもちろんチームの皆の名前も刻まれる。起こり得なかったことを悔やんだり思い悩むことは何の意味も持たない。しかし、それを知った上で全てを背負い生きていく。手を取り合えばあまりに重い業も、少しは軽くなるだろう。一人ではなく二人でなら。


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再録本「リンカーネイション・パレード」(https://vvsm52.booth.pm/items/1453465)集録の書き下ろしじぇりあろ
年下の男の子×えっちなおねえさん



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 牛乳買ったよ。あといつものコーヒー豆も。ほかには?うん…、うん」
そんな甘えた声をした年下のかわいらしい子熊に似た青年をどうして恋人にし、あまつさえ家に住まわせることになったかというと、時は少し遡る。

 ワオ。それが初めて悪友たちといわゆるゲイバーに入ってみたジェラルドの感想だった。
思っていたほど淫猥でないし、なんというか紳士的ですらある。わりといいお値段の店にあたったのもあるだろうが、なんだか穏やかですらあった。ここでは奇異の目で見られないから延び延びとできるのだろうか、そう思った。ジェラルドはバカではあるが頭は回る方の悪ガキだった。
 一番安い酒を頼み、人目につかなそうな敷居がある席にみんなで座り、居心地悪そうに酒をちびちびと舐める。
「なあ、俺たちやべえくらい浮いてるよな」
「完全に場違いだわ……。対して面白くもないしこれ飲み終わったらクラブ行って女の子引っ掛けようぜ」
「だな」
 そんなことをバカ大学生にしては比較的小さな声で話していると、ジェラルドの目が何故か一人の男でとまった。誰の目にも留まるほどの美形なのに一人で水と、紙巻きタバコの方が似合いそうな美しい指でシガーをのんでいる。それが妙にセクシーだった。
「先行っててくれよ、俺飲み終わってから行くわ」
 オーケィ、と言って悪友共はさっさと行ってしまった。アウェイからホームに戻るのだから仕方のないことではある。ジェラルドはアーリータイムをぐび、と飲み干すとその暗い金色の髪の男の横のスツールに座る。
「ハイ」
 そうとびきりの笑みで挨拶したが彼はちらりと目線をよこし片眉の端を上げただけだった。俄然やる気が出たジェラルドは全く気にせずそのまま話しかけた。美人に冷たくされると燃えるタイプなのだ。
「名前は?俺はジェラルド。ジェリーって呼んでくれ。あんたは?」
「ジョン・スミス」
 さすがにムッとして口唇を尖らせると、彼はちょっと笑って言った。
「アーロンだよ」
「本名?」
「ふふ、内緒」
 そんな風に傍から見たらいちゃいちゃしていると、不機嫌な様子のハンサムが割り入って来た。
「アーロン、これは?」
「ジェリーだよ、ちょっと話してただけ」
 男はそう聞いてジェラルドを値踏みして鼻で笑う。よくいるクソ野郎だった。そしてそいつはあっさりとジェラルドに背を向け、アーロンに何だかんだと辛辣な嫌味を言っている。流石に言いすぎだろ、そう言おうと肩に手を伸ばしかけると携帯の着信音が鳴った。
「仕事の電話だ。外に行ってくる」
 そう言って男は出ていった。
「さっきの、彼氏?」
「まあね」
「俺のほうがよっぽどイイ男だと思うけど?」
 とおどけたように言うとアーロンは噴き出して言う。
「ばかだな、君ヘテロだろ」
「アンタとならいけそう」
 そう言って今まで誰もがオチた眼つきで見つめた。しかし。若造のそんな顔よりもびっくりするほど艶めいた微笑みでアーロンは言う。
「どうかな……」
 そしてジェラルドの股間にそっと手を伸ばしてジーンズの前立てをかり、と引っ掻いた。
「あ……」
「そういうこと言う人はいっぱい居るけど、ふふ、君は男相手でも勃ちそうだね」
 そう言うとジェラルドの股間を相変わらず弄びながら耳元に口を寄せ、思わずジェラルドが生唾を飲むほどセクシーな声で少し笑って言う。
「場所を変えようか?」
それはジェラルドが今一番欲しい言葉だった。

 そこら辺にあった安っぽいモーテルの部屋に二人でお互いの舌を貪りながらなだれ込む。移動中に既にゆるく勃っていたジェラルドのペニスは、ドアに押し付けられてアーロンのキスの猛攻を受けながらよく鍛えられた太腿で刺激され今や痛いほどに起ち上がっていた。
「は、クソッ、もうやば、あんた、は?」
「どうだと思う、ジェリー?」
 クスリと笑ってアーロンは艶かしくジェラルドの身体にゆっくりと手を這わせながら膝をつく。そしてジェラルドのジーンズをアーロンが寛げると勢い良く飛び出てしまい、そんな己の愚息にジェラルドは激しい羞恥で顔中から火が出るかと思うほど真っ赤になった。
「ふふ、かわいい」
 しかしアーロンはそう言うと、赤く腫れ上がった先端に優しく口付けてはカリ首を優しく唇で何度も締め付ける。かとおもうと根元から咥え込み熱く滑らかな、信じられないほどの喉奥で愛されしまいには陰嚢から裏筋を舐め上げられる。つぅ、と零れ出た先走りとアーロンの唾液が糸を引くほどに混ざった液体と赤い舌を見せつけられながらペニスが解放される。
「アゥ……、んぅッ……は、……」
 あまりに暴力的な官能に思わずジェラルドはその淫らな舌を追い腰を揺らす。くすり、と笑った吐息がかかったかと思えばそれに反応する間もなく透明な液が迸るちいさな穴に尖らせた舌をねじ込まれ腰が跳ねる。
「あ、は、それやば、ぅあ!」
 再びアーロンの熱く唾液まみれの口内の奥深くに含まれ、同時に綺麗な指で会陰を刺激され、重い陰囊が一気に硬くなる。そんな刺激は初めてで、腰の痺れに耐えきれずに先端から透明な先走りが溢れ出す。それを当然のように飲むアーロンの腰が、中での快感を思い出したかのようにゆらめかされた。そんな煽りに耐えきれなくなったジェラルドは、アーロンの柔らかな二の腕をぐいと引き上げ抱き上げる。そうすると上から口づけが降りて舌を二人は絡め合い、ジェラルドは固いベッドに派手な音を立てながらアーロンを投げ下ろして覆いかぶさる。
「あーろ、アーロン!はぁッ、もうあんたにぶち込みたい、限界だ……!」
 そんな可愛らしい泣き言にアーロンは小さく吹き出し、するりとジェラルドの腕から逃げ出すと投げ捨てたジャケットからローションとゴムを取り出す。
「は、あんたそんなの用意してたの……?エロすぎ……」
 それを聞いていたずら猫のように笑うと、アーロンは衣服を全て脱ぎ捨てジェラルドの上に乗り跨る。
「ふふ、ちょっと待っててね?」
 アーロンはそう言うとジェラルドのペニスを口で包みながらコンドームを被せたかと思うとまた深くまでそれでジェラルドの雄を包み被せながら咥えこむ。そうしながら透明なローションでとろりと濡らした美しい指を自らの秘所に埋め込みそこをほぐし始める。
「ぁ……、はっ、ハァッ、そんな……あーろん……!」
 ジェラルドの耐えきれないといった吐息を聞いてアーロンはいやらしく官能的なため息を溢し、薄く赤い舌で唇を舐める。それを見たジェラルドのペニスは更に堅くなり、陰嚢は射精を迎えようとぐぐ、と持ち上がってしまう。そんな反応さえ可愛らしいとアーロンの胸はうっかりときめいてしまう。年下で、しかもこんなに素直な相手はこれまでにいなかったのだ。なぜかアーロンはこの子供がすっかり気に入ってしまっていた。
「ああぁ、もうむり、いれたい、中挿れたい、イキそう……!!」
「んん、ちょっとキツいかもだけど、いいよ……、特別……」
 そのアーロンの言葉にジェラルドはアーロンをベッドに乱暴に沈め、細い腰を掴むと猛り立った己で柔らかく、そしていやらしく収斂して誘うそこからアーロンの中を一気に貫いた。
「ぅあ、アは、すげえ……ッ!」
 ジェラルドが突き入れたそれに信じられないほどの衝撃がアーロンを襲う。それは今までにないものでパニックで思考が真っ白になる。
「は、あ"ァ……ッ!」
「っあ、はっ、ぁ、はいった、ぁっ!すご………っ、アーロンッ、…っ、も、あゥ、…………っんっ!はあっ、うぁ、っん!なか、きつ、クソ、止まんね……っ!!」
 そう若く男らしい顔を快感で歪め、熱い喘ぎを溢しながら激しく体内を穿つジェラルドに、アーロンは抗いようもなく涙を零しながら振り回される。
「ま、ァあ!まって、ひ!ダメ、だめ、ア!ゔ、あッあ、じぇり、待って、ア!あッ!やッ!!」
 悲鳴のようなアーロンの声も届かないのか、ジェラルドは赤く染まり汗で滑るアーロンの身体をがっちりと抱きしめて離さない。それどころか首に回した腕に力を込めて更にアーロンを深く沈めてくる。
「ぃああああッそんな、したぁ、壊れ……ッ!!」
「ぁ、アーロンッ、ッ!!も、無理、ふっ、でるッ……!ッ!!」

 びゅく、びゅくっと自分でも信じられないほどの長い射精を迎えて満足げなため息をついたジェラルドは突然ぎゅうと乳首を抓まれてその痛みに思わず悲鳴を上げてしまう。
「ぎゃっ!」
 そんなジェラルドにアーロンは荒い息を吐きながら地を這うような声で言う。
「ジェ〜ラ〜ル〜ド〜……」
「はいっ」
体制をぐるりと変えてジェラルドに跨り、アーロンは言う。
「こんな、は、自分本位のセックスしちゃだめだろ……!今ので、僕が気持ちよかったと思う?」
「ぁ、う……ごめんなさい……」
「わるい子だね、ジェラルド」
 眉を悲しそうな子犬のように下げたジェラルドの肉厚な下唇を噛んで、むいっと引っ張る。そしてアーロンは色っぽいため息をつきながらまだ緩く勃ち上がったままのジェラルドのペニスを再び後ろ手に撫でると、意地悪く笑って甘い口調で命令する。
「僕がいいって言うまで動いちゃダメだし、イッてもダメ。わかった?」
 ジェラルドはうう、と小さく唸ってから下がりきった眉根を寄せて自信なさげに言う。
「その、できるだけがんばる……」
「よろしい」 
「まだパンパンだね」
 ジェラルドの上に乗り上げ、後ろ手で陰嚢をくすぐり笑う。そうしてからゆっくりと艷やかな吐息を溢し、ローションまみれのジェラルドのペニスを薄く小振りな臀でぐちゅくちゅと卑猥な音を立てて咥え込んでゆく。
「ん……、ここが、は、あぁ……、ぜんりつせん。聞いたこと…はぁっ、ん、あるだろ?すごくイイとこ……あッ、ン!ふふ、興奮した?でも、一番、感じるのは……」
 いたずらにそう耳元で囁くとぐちゅりと卑猥な音を立ててジェラルドの質量の増した牡をアーロンは全て呑み込む。
「あぁ、っふ、これ……!ン……おくが、君に、ぁあ……!吸い付いてる、の、わかる?」
 呼吸も出来ずにジェラルドはコクコクと必死に頷く。それがどうにも可愛らしくて苛めたいし、甘やかしてしまいたい。
「すご、きもちい……ね、じぇり、ここ、キスして……?」
 柔らかな乳暈を挟むように指先が桃色に染まった指をあて、艶めいた微笑みで言うとその通りにジェラルドに乳首を舐められてアーロンは切なく喘ぐ。ジェラルドにぢゅ、と真っ赤に染まった尖りに勢いよく吸い付かれると、そのよく手入れをされたピアノの鍵盤のような美しい歯にそっと先端が当たって甘い悲鳴を上げた。
「は、ふ、女みてえ……」
 そう熱に浮かされたジェラルドに言われ、アーロンは全身を震わせて身悶えした。今までにない程の身体の震えと自身を包む媚肉の蠢きに慌てたジェラルドが声をかけると、目尻に涙を浮かべて途切れ途切れにアーロンは言った。
「なか、で、イッた、の」
「ぁあッ……ァ、はぁッ、ごめ、……出ちゃ、た」
「い、いいから、突いて、奥、して、ジェリー……、あッ、あぁぁ…………っ!」
「あーろん、アーロン、どうしよう、あんたに優しくしたいのにめちゃくちゃにしたい」
「だぁめ、それは、アん!していいのは、恋人だけ……」
 そう意地悪く笑いながら言うと、ちゅっとかわいらしい音を立ててへの字に曲がったジェラルドの唇にキスをする。
「じゃあ恋人にしてよ……、好き、もうわけわかんないくらいあんたが好きなんだ」
「ンっ!ぁあ……じぇらるど」
 ジェラルドの懇願を聞こえなかったかのようにそう言うと、アーロンはジェラルドの太い首に腕を絡め、深く深く口付けた。


 それからしばらく経ち、ジェラルドの事をあまり思い返さなくなった頃にアーロンは誰かに腕を掴まれた。
「やっと会えた」
「ジェリー?どうして……」
「恋人にしてって言ったのは本気だって伝えたくて」
「でもどうしてここが?」
 戸惑いを隠しきれないアーロンにジェラルドは事もなげに彼氏面している男から内緒でいただいた名刺 から今日ここに来るって調べた、などと言い放つ。ネットの広大さに目を回かけているアーロンをその青年は蕩けるような瞳で見つめて言う。
「アーロンの理想の男になるから俺のこと、躾けてよ」
 そして優しく握ったアーロンの手首の内側にキスをした。こんなにも美しく精悍な若者にそんなことをされ、ぐらぐらとしない人間がいるだろうか?しかもセックスの相性が抜群なのだ。思わずうっとりとしながら了承しようとすると、その甘い空気を引き裂く声がした。それはすっかり忘れていた恋人の様な関係だった男のだった。
「信じられない!浮気だなんて!許さないぞ、アーロン。君がそんな人間だなんて思わなかった」
 そうキンキンと叫ばれ、全くこの男をなぜ側に置いていたのかさっぱり分からなかった。
そんな二人の間に何か言いかけたジェラルドの手に指を絡め、感情の籠らない事務的な声で言い渡した。
「別れる」
「は?」
「君とは終わり。だいたい恋人にした覚えもないしね。一番は性の不一致!じゃあね」
 そう無情にも言い放つとアーロンはジェラルドの手を掴んで歩き出す。
「ねえ、俺は及第点だった?」
「ふふ、お互い最高だったろ?それに……」
「それに?」
「秘密だよ」



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