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コナマフ
ヤッてるだけのR18です。




弟はセックスをするときにいつも涙をながす。いやなのか、そう聞けばいやではないと言う。ならなぜ、そう問えば分からないと言う。本人に分からないものが俺に分かるわけがないのでもう問いはしない。俺はただただ口づけを落として、彼は静かに涙をながすだけだ。

「ふ、ぅ・・んっ」
「つらいか?」

ゆるゆると頭を振って否定して、空色の色をした目をうすく開いてこちらを見る。音も無く涙が降ってくる。雨のの色が溶け出してしまったかとおもった。そのつめたさ!

「・・ぅ、」

彼が急に身じろぎをするものだから、ただえさえきついやわらかな内壁が締め付けを強める。どうにもやり過ごせないような熱いかたまりが自分のなかを奔る。それを眉をひそめてどうにかしようとしていると、からだを支える手に何か感触があった。不思議に思い見遣ると自分より幾分白い彼の手であった。爪先の方が透き通った血の色をしているのを見て、力を抜いた。
爪先と同じ色をした唇に触れ、それがいろいろな形に動くのをじっと見ていた。そうして動きが止まった頃に好きだよ、と言ってやった。するとどうして泣いているの、と言う。俺は自分が本当に泣いているのかも知らないので、分からないと答えた。
その後であんなにはっきり見えていた水の色がそれこそ、水の中から外を見るように烟るので目を閉じた。目の横を滑り落ちたのが俺の涙なのか弟の涙か、それとも別のなにかなのかは今となっては知る由もない。若い魂は淡く発光している。
夜の隙間に。抜け出すことが出来るだろうか。

ああ、元より抜け出すつもりが無いのだった。

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