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再録本「リンカーネイション・パレード」(https://vvsm52.booth.pm/items/1453465)集録の書き下ろしじぇりあろ
年下の男の子×えっちなおねえさん



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 牛乳買ったよ。あといつものコーヒー豆も。ほかには?うん…、うん」
そんな甘えた声をした年下のかわいらしい子熊に似た青年をどうして恋人にし、あまつさえ家に住まわせることになったかというと、時は少し遡る。

 ワオ。それが初めて悪友たちといわゆるゲイバーに入ってみたジェラルドの感想だった。
思っていたほど淫猥でないし、なんというか紳士的ですらある。わりといいお値段の店にあたったのもあるだろうが、なんだか穏やかですらあった。ここでは奇異の目で見られないから延び延びとできるのだろうか、そう思った。ジェラルドはバカではあるが頭は回る方の悪ガキだった。
 一番安い酒を頼み、人目につかなそうな敷居がある席にみんなで座り、居心地悪そうに酒をちびちびと舐める。
「なあ、俺たちやべえくらい浮いてるよな」
「完全に場違いだわ……。対して面白くもないしこれ飲み終わったらクラブ行って女の子引っ掛けようぜ」
「だな」
 そんなことをバカ大学生にしては比較的小さな声で話していると、ジェラルドの目が何故か一人の男でとまった。誰の目にも留まるほどの美形なのに一人で水と、紙巻きタバコの方が似合いそうな美しい指でシガーをのんでいる。それが妙にセクシーだった。
「先行っててくれよ、俺飲み終わってから行くわ」
 オーケィ、と言って悪友共はさっさと行ってしまった。アウェイからホームに戻るのだから仕方のないことではある。ジェラルドはアーリータイムをぐび、と飲み干すとその暗い金色の髪の男の横のスツールに座る。
「ハイ」
 そうとびきりの笑みで挨拶したが彼はちらりと目線をよこし片眉の端を上げただけだった。俄然やる気が出たジェラルドは全く気にせずそのまま話しかけた。美人に冷たくされると燃えるタイプなのだ。
「名前は?俺はジェラルド。ジェリーって呼んでくれ。あんたは?」
「ジョン・スミス」
 さすがにムッとして口唇を尖らせると、彼はちょっと笑って言った。
「アーロンだよ」
「本名?」
「ふふ、内緒」
 そんな風に傍から見たらいちゃいちゃしていると、不機嫌な様子のハンサムが割り入って来た。
「アーロン、これは?」
「ジェリーだよ、ちょっと話してただけ」
 男はそう聞いてジェラルドを値踏みして鼻で笑う。よくいるクソ野郎だった。そしてそいつはあっさりとジェラルドに背を向け、アーロンに何だかんだと辛辣な嫌味を言っている。流石に言いすぎだろ、そう言おうと肩に手を伸ばしかけると携帯の着信音が鳴った。
「仕事の電話だ。外に行ってくる」
 そう言って男は出ていった。
「さっきの、彼氏?」
「まあね」
「俺のほうがよっぽどイイ男だと思うけど?」
 とおどけたように言うとアーロンは噴き出して言う。
「ばかだな、君ヘテロだろ」
「アンタとならいけそう」
 そう言って今まで誰もがオチた眼つきで見つめた。しかし。若造のそんな顔よりもびっくりするほど艶めいた微笑みでアーロンは言う。
「どうかな……」
 そしてジェラルドの股間にそっと手を伸ばしてジーンズの前立てをかり、と引っ掻いた。
「あ……」
「そういうこと言う人はいっぱい居るけど、ふふ、君は男相手でも勃ちそうだね」
 そう言うとジェラルドの股間を相変わらず弄びながら耳元に口を寄せ、思わずジェラルドが生唾を飲むほどセクシーな声で少し笑って言う。
「場所を変えようか?」
それはジェラルドが今一番欲しい言葉だった。

 そこら辺にあった安っぽいモーテルの部屋に二人でお互いの舌を貪りながらなだれ込む。移動中に既にゆるく勃っていたジェラルドのペニスは、ドアに押し付けられてアーロンのキスの猛攻を受けながらよく鍛えられた太腿で刺激され今や痛いほどに起ち上がっていた。
「は、クソッ、もうやば、あんた、は?」
「どうだと思う、ジェリー?」
 クスリと笑ってアーロンは艶かしくジェラルドの身体にゆっくりと手を這わせながら膝をつく。そしてジェラルドのジーンズをアーロンが寛げると勢い良く飛び出てしまい、そんな己の愚息にジェラルドは激しい羞恥で顔中から火が出るかと思うほど真っ赤になった。
「ふふ、かわいい」
 しかしアーロンはそう言うと、赤く腫れ上がった先端に優しく口付けてはカリ首を優しく唇で何度も締め付ける。かとおもうと根元から咥え込み熱く滑らかな、信じられないほどの喉奥で愛されしまいには陰嚢から裏筋を舐め上げられる。つぅ、と零れ出た先走りとアーロンの唾液が糸を引くほどに混ざった液体と赤い舌を見せつけられながらペニスが解放される。
「アゥ……、んぅッ……は、……」
 あまりに暴力的な官能に思わずジェラルドはその淫らな舌を追い腰を揺らす。くすり、と笑った吐息がかかったかと思えばそれに反応する間もなく透明な液が迸るちいさな穴に尖らせた舌をねじ込まれ腰が跳ねる。
「あ、は、それやば、ぅあ!」
 再びアーロンの熱く唾液まみれの口内の奥深くに含まれ、同時に綺麗な指で会陰を刺激され、重い陰囊が一気に硬くなる。そんな刺激は初めてで、腰の痺れに耐えきれずに先端から透明な先走りが溢れ出す。それを当然のように飲むアーロンの腰が、中での快感を思い出したかのようにゆらめかされた。そんな煽りに耐えきれなくなったジェラルドは、アーロンの柔らかな二の腕をぐいと引き上げ抱き上げる。そうすると上から口づけが降りて舌を二人は絡め合い、ジェラルドは固いベッドに派手な音を立てながらアーロンを投げ下ろして覆いかぶさる。
「あーろ、アーロン!はぁッ、もうあんたにぶち込みたい、限界だ……!」
 そんな可愛らしい泣き言にアーロンは小さく吹き出し、するりとジェラルドの腕から逃げ出すと投げ捨てたジャケットからローションとゴムを取り出す。
「は、あんたそんなの用意してたの……?エロすぎ……」
 それを聞いていたずら猫のように笑うと、アーロンは衣服を全て脱ぎ捨てジェラルドの上に乗り跨る。
「ふふ、ちょっと待っててね?」
 アーロンはそう言うとジェラルドのペニスを口で包みながらコンドームを被せたかと思うとまた深くまでそれでジェラルドの雄を包み被せながら咥えこむ。そうしながら透明なローションでとろりと濡らした美しい指を自らの秘所に埋め込みそこをほぐし始める。
「ぁ……、はっ、ハァッ、そんな……あーろん……!」
 ジェラルドの耐えきれないといった吐息を聞いてアーロンはいやらしく官能的なため息を溢し、薄く赤い舌で唇を舐める。それを見たジェラルドのペニスは更に堅くなり、陰嚢は射精を迎えようとぐぐ、と持ち上がってしまう。そんな反応さえ可愛らしいとアーロンの胸はうっかりときめいてしまう。年下で、しかもこんなに素直な相手はこれまでにいなかったのだ。なぜかアーロンはこの子供がすっかり気に入ってしまっていた。
「ああぁ、もうむり、いれたい、中挿れたい、イキそう……!!」
「んん、ちょっとキツいかもだけど、いいよ……、特別……」
 そのアーロンの言葉にジェラルドはアーロンをベッドに乱暴に沈め、細い腰を掴むと猛り立った己で柔らかく、そしていやらしく収斂して誘うそこからアーロンの中を一気に貫いた。
「ぅあ、アは、すげえ……ッ!」
 ジェラルドが突き入れたそれに信じられないほどの衝撃がアーロンを襲う。それは今までにないものでパニックで思考が真っ白になる。
「は、あ"ァ……ッ!」
「っあ、はっ、ぁ、はいった、ぁっ!すご………っ、アーロンッ、…っ、も、あゥ、…………っんっ!はあっ、うぁ、っん!なか、きつ、クソ、止まんね……っ!!」
 そう若く男らしい顔を快感で歪め、熱い喘ぎを溢しながら激しく体内を穿つジェラルドに、アーロンは抗いようもなく涙を零しながら振り回される。
「ま、ァあ!まって、ひ!ダメ、だめ、ア!ゔ、あッあ、じぇり、待って、ア!あッ!やッ!!」
 悲鳴のようなアーロンの声も届かないのか、ジェラルドは赤く染まり汗で滑るアーロンの身体をがっちりと抱きしめて離さない。それどころか首に回した腕に力を込めて更にアーロンを深く沈めてくる。
「ぃああああッそんな、したぁ、壊れ……ッ!!」
「ぁ、アーロンッ、ッ!!も、無理、ふっ、でるッ……!ッ!!」

 びゅく、びゅくっと自分でも信じられないほどの長い射精を迎えて満足げなため息をついたジェラルドは突然ぎゅうと乳首を抓まれてその痛みに思わず悲鳴を上げてしまう。
「ぎゃっ!」
 そんなジェラルドにアーロンは荒い息を吐きながら地を這うような声で言う。
「ジェ〜ラ〜ル〜ド〜……」
「はいっ」
体制をぐるりと変えてジェラルドに跨り、アーロンは言う。
「こんな、は、自分本位のセックスしちゃだめだろ……!今ので、僕が気持ちよかったと思う?」
「ぁ、う……ごめんなさい……」
「わるい子だね、ジェラルド」
 眉を悲しそうな子犬のように下げたジェラルドの肉厚な下唇を噛んで、むいっと引っ張る。そしてアーロンは色っぽいため息をつきながらまだ緩く勃ち上がったままのジェラルドのペニスを再び後ろ手に撫でると、意地悪く笑って甘い口調で命令する。
「僕がいいって言うまで動いちゃダメだし、イッてもダメ。わかった?」
 ジェラルドはうう、と小さく唸ってから下がりきった眉根を寄せて自信なさげに言う。
「その、できるだけがんばる……」
「よろしい」 
「まだパンパンだね」
 ジェラルドの上に乗り上げ、後ろ手で陰嚢をくすぐり笑う。そうしてからゆっくりと艷やかな吐息を溢し、ローションまみれのジェラルドのペニスを薄く小振りな臀でぐちゅくちゅと卑猥な音を立てて咥え込んでゆく。
「ん……、ここが、は、あぁ……、ぜんりつせん。聞いたこと…はぁっ、ん、あるだろ?すごくイイとこ……あッ、ン!ふふ、興奮した?でも、一番、感じるのは……」
 いたずらにそう耳元で囁くとぐちゅりと卑猥な音を立ててジェラルドの質量の増した牡をアーロンは全て呑み込む。
「あぁ、っふ、これ……!ン……おくが、君に、ぁあ……!吸い付いてる、の、わかる?」
 呼吸も出来ずにジェラルドはコクコクと必死に頷く。それがどうにも可愛らしくて苛めたいし、甘やかしてしまいたい。
「すご、きもちい……ね、じぇり、ここ、キスして……?」
 柔らかな乳暈を挟むように指先が桃色に染まった指をあて、艶めいた微笑みで言うとその通りにジェラルドに乳首を舐められてアーロンは切なく喘ぐ。ジェラルドにぢゅ、と真っ赤に染まった尖りに勢いよく吸い付かれると、そのよく手入れをされたピアノの鍵盤のような美しい歯にそっと先端が当たって甘い悲鳴を上げた。
「は、ふ、女みてえ……」
 そう熱に浮かされたジェラルドに言われ、アーロンは全身を震わせて身悶えした。今までにない程の身体の震えと自身を包む媚肉の蠢きに慌てたジェラルドが声をかけると、目尻に涙を浮かべて途切れ途切れにアーロンは言った。
「なか、で、イッた、の」
「ぁあッ……ァ、はぁッ、ごめ、……出ちゃ、た」
「い、いいから、突いて、奥、して、ジェリー……、あッ、あぁぁ…………っ!」
「あーろん、アーロン、どうしよう、あんたに優しくしたいのにめちゃくちゃにしたい」
「だぁめ、それは、アん!していいのは、恋人だけ……」
 そう意地悪く笑いながら言うと、ちゅっとかわいらしい音を立ててへの字に曲がったジェラルドの唇にキスをする。
「じゃあ恋人にしてよ……、好き、もうわけわかんないくらいあんたが好きなんだ」
「ンっ!ぁあ……じぇらるど」
 ジェラルドの懇願を聞こえなかったかのようにそう言うと、アーロンはジェラルドの太い首に腕を絡め、深く深く口付けた。


 それからしばらく経ち、ジェラルドの事をあまり思い返さなくなった頃にアーロンは誰かに腕を掴まれた。
「やっと会えた」
「ジェリー?どうして……」
「恋人にしてって言ったのは本気だって伝えたくて」
「でもどうしてここが?」
 戸惑いを隠しきれないアーロンにジェラルドは事もなげに彼氏面している男から内緒でいただいた名刺 から今日ここに来るって調べた、などと言い放つ。ネットの広大さに目を回かけているアーロンをその青年は蕩けるような瞳で見つめて言う。
「アーロンの理想の男になるから俺のこと、躾けてよ」
 そして優しく握ったアーロンの手首の内側にキスをした。こんなにも美しく精悍な若者にそんなことをされ、ぐらぐらとしない人間がいるだろうか?しかもセックスの相性が抜群なのだ。思わずうっとりとしながら了承しようとすると、その甘い空気を引き裂く声がした。それはすっかり忘れていた恋人の様な関係だった男のだった。
「信じられない!浮気だなんて!許さないぞ、アーロン。君がそんな人間だなんて思わなかった」
 そうキンキンと叫ばれ、全くこの男をなぜ側に置いていたのかさっぱり分からなかった。
そんな二人の間に何か言いかけたジェラルドの手に指を絡め、感情の籠らない事務的な声で言い渡した。
「別れる」
「は?」
「君とは終わり。だいたい恋人にした覚えもないしね。一番は性の不一致!じゃあね」
 そう無情にも言い放つとアーロンはジェラルドの手を掴んで歩き出す。
「ねえ、俺は及第点だった?」
「ふふ、お互い最高だったろ?それに……」
「それに?」
「秘密だよ」



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前回のセト×シュウ(アーロン)よりも少し前のお話。

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──全く、手酷く抱いて傷つけてからここに連れてくるくらいなら最初から優しく抱けばいいのに、おかしなものだ。思わず笑みが溢れた。そうしてからあらゆるものを元に戻す原初の水で造られた湯が満ちたそこに入る。少し傷に滲みたがその淡い痛みが薄れると同時に傷も癒えてゆく。
ここからでもセトが最悪の悪魔と闘っているのが能く見える。私の権能で与えた漆黒を金で縁取った翼を閃かせながら闘うさまに見惚れてしまう。と、彼が振りかぶった槍を打ち降ろすと同時にアポピスの鋭い牙がセトの胸を裂く。
「セト!!」
殆ど悲鳴のような声を上げながら手早く薄布を身体に巻きつけ船首へ駆ける。
「……奴は」
「大丈夫、逃げ帰ったよ」
「そうか」
見れば左肩から真横に切り裂かれている。傷は深い。
「風呂まで頑張ってくれよ、もう少しだ」
低く呻くセトを支えなんとか歩いてゆく。自分より大柄で鍛え上げられているものだから骨が折れる。私ももう少し鍛えたほうがいいな、などと軽口を叩けばセトは吐息だけで笑った。
酷く深い傷を負ったセトを後ろから抱きしめ支えながら沐浴させる。そのきらめく原初の水をも覆い隠す程に傷跡から流れ出ていた黄金が少しずつ薄らいできて、小さく安堵の吐息がこぼれた。
「泣くな。お前が泣くと……困る」
「ふふ、いつも泣かせてばかりのくせに」
痛みも引いてきたのか、顰められた眉が解けだしたセトはその眼をゆっくりと開いて呟くように語りだした。
「戴冠式にいなかった総ての神共を呼びつけた時、お前だけは直ぐに殺そうと思っていた」
「……でもそうしなかったね」
「怯えきったあれらと違って暢気に笑って膝をついたお前を見て、浮ついた気持ちになったおのれを殺すのに精一杯だった。……千年も放って置かれたのにな」
そう、時間の流れに疎い旧い神とはいえ、彼を独りにしたのは酷すぎた。ただ成長を見守っていたのでは足りなかった。砂漠で涙を堪え、それでも一面の砂を睨みつけ立っていた幼いセトの姿が蘇る。
「父の王宮から砂漠に捨て置かれた俺をわざわざ構いに来るのはお前ぐらいだった……妙に兄貴面をするかとと思えば母親のように子供扱いをするし、うっとおしいばかりだったが本心は、ハッ。嬉しかったんだろうな、俺は。それがぱったりと訪れなくなったから俺は見捨てられたのだ、絶対に赦すまい。そう思っていたのにな。愚かなものだ」
そう吐き捨てたセトの空虚な眼を手のひらで覆う。そんな眼を二度とさせないように、癒やすように、私以外から隠すように。
「どうしてまた俺の前に姿を見せた?再び見捨てるためか。それが罰だとでもいうのか。それ程までに俺の罪は重いのか」
「……そうだよ。でも君がこれを続ける限り、私はずっと傍にいる」
これは呪いだ。この壮麗で空虚な淋しい船で、毎夜悪魔と闘い続けるという君が何より厭った過酷な運命に従う限り、何よりも欲しかったものを得られる。そう私が君にかけた小賢しい呪い。すべてを手に入れ、そして失った哀れな君を縛るもの。何より強力で古い呪い。そんなものに頼ってでも、私はもう二度と君を失わないと決めたのだ。
呪いが解けた時、そんなものに縋ってまで君の傍らに立っていたいだけという私の醜い愛を知った時、君はどうするのだろうか。
 まだ呪いは有効だ。少なくとも、明日君が目覚めるまでは。

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マシュマロでもらったリクのジェイク(ジオストーム)×ジョシュ(ザ・コア)のえっちなやつ
リクありがとうございました!



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「空を見上げろよ!宇宙にはロマンが詰まってるだろう?」
「それを言うなら地下だね、宇宙なんかスカスカじゃないか!ごめんだね」
 妙に馬が合い友人となったジェイクとジョシュはそんなふうに軽口を叩きあって酒を酌み交わして機嫌よく解散するつもりだった。だのに。


「ぃ、たぁ……ッ、くそ、このデカチンがぁ、んあぁッ!」
「そりゃ、はぁっ、悪うございました……ッ、すぐ悦んでこいつに夢中になるぜ……」
 ジョシュの尻を揉みしだきながらそう言うとジェイクは誘うように突き出された胸の突起に吸い付く。これまでで一番甘く大きな嬌声を上げたジョシュの狭隘はそれまで拒むように締め付けていたジェイクのものを奥へ奥へと誘い甘くうねる。
「あぁ、ッやだ、や、深いぃ……!ひ、ン!じぇいくじぇい、アン!」
 そう泣き言を言うと、ジョシュはジェイクに縋りつく。そんな愛おしい様にジェイクは頭がクラクラするほど興奮してジョシュをベッドに沈めると、長大なそれを熱くうねる狭隘に一気に収めた。
「ひぁあああああッ!」
「は、すげ…………、ジョシュ、動くぞ……!」
「ぅ、あっあっあ、ひぁ、ン!だめ、そ、そんなっしたらぁ、ッ!」
「はぁっ、柔らかくなった、ふ!よくなった、ろ」
「は、ひン!知らな、ひぁあッ、や、ぁ、ン!うぁ、はあっ、あ、あ、んッ、アァ……!」
 好き勝手に揺さぶられて孔内の熱く震える壁をこすられ、目眩のするような感覚に襲われるままに声を上げる。そうしてジョシュはその端正な顔を快感で顰めるジェイクを見やった。まさかこんな事になるなど思いもよらず、ジェイクの両肩でゆらゆらと揺れる自分の足はなんだかとても不思議な感じがした。そう潤んだ瞳で茫然としているジョシュに気を損ねたのか、ジェイクはジョシュにきつく腰を打ち付け、その衝撃に合わせて上がるジョシュの甘い悲鳴ににやりとして言った。
「集中しろよ」
「んぁ、ぁ……!おまえが、下手、くそ、だからだよ……っ」
「本当に?こんなになってるのに?」
 そう意地悪く言うとジェイクはおもむろにジョシュの細く引き締まった足を掴み、大きく開いてみせた。
「ぁ、うそ、うそ」
 ジェイクによって晒されたそこは、暗い金色の下生えから薄く筋肉のついた腹まで、自らが絶え間なく吐精していたために白く汚れていた。
「分かるか?ここまで入ってる」
 トントン、と濡れた薄い下腹を指先で叩かれて頭の後ろがじぃんと痺れる。
「は、エロい顔…………」
 そうぎらついた目で見られ、ジェイクが自分に欲情していることを改めて思い知り、ジョシュは長くすんなりした四肢をばたつかせてその視線から逃れようとする。
「こら、逃げるな」
「や、なん、や……、ひぁああーーッ!!」
 桃色に色づいた身を反転させたところで太い腕に捕まり、指の跡が残るほど強く腰を掴まれて深く深く穿たれる。その強すぎる刺激に細く高い声を上げ、ジョシュは絶頂を迎える。そうしてしばらく硬直したあとだらりと身体を弛緩させ、かわいそうなほどに身体を震わせながら放心している。しかしそんなジョシュの姿にジェイクは言いようのない高ぶりに襲われてしまう。
「ジョシュ……」
 技術屋を目指すジェイクのかさついた親指が少し開いた下唇を撫ぜる。その優しい気持ちよさにうっとりとしてジョシュはそれをそっと囓る。
「ジェイク、おれでイけよ」
 カッと目の前が赤くなり、ジェイクはその激情のままに腰を打ち付ける。
「ぁは、ッあ、あっあ、ぁあっ、あ!ひぁ、ジ、じぇいく、ア、待って、まっ、ゃ、あァ!」
 断続的な声しか上げられないジョシュは、眼の前の分厚い肩に腕を廻して汗で濡れた金色の頭を埋める。その小ぶりな頭がいやいやをするように揺らされるのを感じるものの、駆り立てられた若い雄が止まれるはずもなく淫らな音を立てながら一心に抜き差しする。
「ふっ、……あぁ、はっ……、ジョシュ、も……、はぁっ、出すぞ……!」
「ん、んっ、ふぁ、だして、ジェイク……っ!」




 気怠い眠気にまばたきを繰り返すジョシュの隣にジェイクは片肘をついて寝転がる。
「……なんだよ」
「こういうの、よくあるのか?」
「あるわけないだろ」
 ジョシュはそう鬱陶しそうに言い放ち眉を顰める。しかしそれにもめげず、ジェイクはふうん、と鼻を鳴らすとにやっと笑って言う。
「じゃあ俺は特別なんだな」
「……知るか、ばか」
 そう拗ねたように言うジョシュに足蹴にされても、ジェイクのニヤニヤ笑いは消えなかった。



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マーベリクスのフロスティ×ラムダイアリーのハルくん
フロスティにべた惚れハルくんのお話し
なんかハルくんごめんな……
時系列とか細かいことは考えてないで原作から離れて読んでね!



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 あのゴタゴタの後、すっかりプエルトリコに嫌気の差したハル・サンダーソンは、生まれ故郷のアメリカへさっさと引き上げた。そうしてフロリダのなかなか瀟洒で手頃な――ハルにとっては――コルビジュエ風の屋敷を買い、そこに住むことにした。
 とはいっても多少手を入れようかと思い、手始めに選んだのは古びた納屋だった。そうして解体業者がやってきた。
 そのリーダーは野性的な、しかしどこか繊細な印象を与える巻き毛の美丈夫で、そう、端的に言ってしまえばハル好みの男だった。
「初めまして、サンダーソンさん」
「ハルでいい」
「じゃ、俺のことはフロスティと。納屋の解体?」
「ああ、ただ他のものも頼むかもしれない 。もちろん料金は払うよ」
 と、ハルは大抵の人間を魅了する微笑みを見せた。
「了解、ハル。早速仕事を始めるよ」
 しかしそう言って笑ったフロスティの笑顔は自分のものよりよっぽど人好きのするもので、それを見たハルは必ず彼を手に入れようと思ったのだった。
 少しずつ声をかけて、ハルの思惑通り二人は気楽な友人のような関係を構築した。そして事あるごとにその美しい手指でいやらしくならない程度に二の腕やガッシリとした太ももに手を当てたりしてみる。するとフロスティは嫌な顔もせず、あまつさえハルにも同じように触れてきた。なんだ、簡単じゃないか。後ひと押しだ。

 その後しばらくしてハルはフロスティを邸内に呼んだ。
「ハル?どこだ?」
 自分を探す声を蕩けた頭で認識する。
「は、こういうこと……あんたほんとに悪趣味だなっ!」
「アアっ!そこ、ンン……!ふ、ァ、もっと……!」
 そんな嬌声を部屋の外まで聞こえるように上げる。すると少し開けていたドアが開いていった。
「ハ、ル……」
 フロスティの目はハルの扇情的な痴態と、ドアに向けハルを膝に乗せ、ハルの身体を貫いて奉仕している男を見て固まってしまう。それは髪こそ短髪だが、己にそっくりな男だった。
 しかしフロスティは気を取り直すとつかつかと歩み寄って自分を見てずるりとペニスを抜いたハルを引き寄せ、ハルはされるがままフロスティにしなだれかかる。
「なに、……?」
 甘い蜂蜜のような声と快楽で焦点の合わない眼で尋ねる。そんなハルの肩を押して、フロスティは少し眉根を寄せつつも無感情に言う。
「あんたはもっと自分を大切にすべきだ」
 そうしてさっさと帰って行ってしまった。ぽかんと口を開いてハルが突ったっていると後ろから笑い声が聞こえる。振り返れば先ほどまでの情事の相手が楽しそうに声を上げ笑って言う。
「あんたが振られるところを見られるなんて、光栄だな。初めてじゃないのか?」
「うるさい、とっとと出てけよ!」
「ハイハイ、女王陛下」

 それからというものフロスティは仕事こそすれ、ハルに確認を取らなければいけない時は部下をよこす程にハルを無視した。
 それは思っていたよりもハルにダメージを与えた。会えない日々はベッドから降りることすら億劫で、食事もほとんど取らなくなった。どうも、信じられないことに、あの男に心底惚れてしまったらしい。ハルは毛布を頭から被って思春期のティーンみたいに呻いた。

「ハル」
 そんな生活が続いていたある日、勝手知ったる様子でハルの部屋に入ってきたフロスティをハルはじろりと睨む。
「なんでお前が……」
「あんたの見舞いだって言ったらメイドさんが入れてくれたよ。彼女心配してたぞ。何も食べてないって?」
 そう言って男っぽい指の背でハルの頬を撫ぜる。
「少し痩せたか?」
「関係ないだろ」
「ふは、俺に会えなくてこうなったのに?何か食えよ」
 久しぶりに見たフロスティの笑顔になんだかむず痒いような気がして、からかってやろうと思った。信じられないことに照れた事実から目を逸しただけかもしれないが。
「食べたくない」
 フロスティは肩を軽く竦めて部屋に銀食器に飾られたフルーツの山からマンゴーを取り上げるとハルに見せつけるように銀のナイフで赤く熟れたそれの薄い皮を剥ぎ、喰らいつく。そして生唾を飲んだハルに、その溢れんばかりの果汁と共に南国の恵みを唇を合わせ受け渡す。そしてハルが飲みきれなかった甘露を太い親指で拭い、べろりと舐め上げた。
「ファックする?」
 そんな官能を煽るフロスティにハルはつい口走ってしまう。抱かれたい、その一心だった。
「いや、まずお互いを知らなきゃな」
「?」
 首をかしげるハルにフロスティは子どもに言うように笑った。
「友達から初めないと」
 友達。ビジネス抜きの友達とは何をするのだろうか。
 そんな悩みを抱えつつも中々良好な関係を築いていたある日、この辺りの事を教えてくれないかと水を向けると迷惑そうな素振りも見せずフロスティは楽しそうに話し出してくれた。それを話半分に聞きながらあまり物欲しそうにならないように留意しながらフロスティの体つきを褒め、サーフィンで鍛えられたのかな、と朗らかに言ってみせる。
 そんなハルの下心など知る由もなく、波には乗らない、そう静かな声で答えたフロスティをそんな海で作られた身体をして?そうからかおうと見やる。すると彼は左手の指輪を見つめ、視線を映し透徹とした目で海を見ていた。辛気臭い話は懲り懲りだった。
「来て」
 ハルはそう言うと振り返りもせず歩きだす。裏庭に隣接する海の桟橋へ行き、瀟洒な真新しい白いボートにフロスティとともに乗り込んだ。そうして二人は言葉も交わさずに沖へ出た。
「こうやって波に揺られるのも悪くない、だろ?」
 そう微笑みかける。
「ああ……。悪くない」
 そうして掟を破ったフロスティと、それを勧めたハルは静かに酒を飲み交わす。
「ありがとう、ハル」
 ぽつりとフロスティは言った。ハルは片眉をひょいと上げて言う。
「礼を言われるようなことは何も」
「それでも。そう言いたかった」
 フロスティはハルのグラスを取り上げて微笑む。唇を寄せたのはお互いにだった。

 彼に抱かれるのはまるで海に抱かれたみたいだった。

「まだ寝てていい」
 そう言って笑いかけるフロスティの傍らに座り、夢現のハルは頭を預けてぽつりと言う。
「このままいられたらいいのに」
 そんな夢のような事を言うハルに優しくフロスティは言う。
「次は食料を買い込んでおこう」
 次があるのか。そう思うとなんだかむずがゆい心持ちがした。

 そうこうしているうちに屋敷の諸々の工事が終わり、ハルは知り合いを呼んで屋敷のお披露目パーティーを開いた。と、まあ、それはフロスティをお披露目する口実であったのだが。
「俺は場違いじゃないかな?」
 そういつもと違いいいスーツでドレスアップした、客の全てが振り返るような男ぶりのフロスティはおどけて言う。
「まさか!君は客のリストで一番目だよ」
 そう言ってハルはチェシャ猫のように笑い、可愛らしい飾りのついたブルーのカクテルを飲んだ。
「あれが今のお気に入りね。俺の代わり?そっくりじゃないか」
 別室でハルを壁に追いやり、以前情事を見られた相手の男はにやついて言う。確かにその男はフロスティによく似ている。
「さあね……どうだと思う?」
「またそうやって。ハルが素直なのはベッドの中だけだな」
「じゃ、今回も聞いてみる?」
 そう言ってハルが上目遣いで微笑むと、男に口付けられた。すると。
「ハル」
「やあ」
 その男の腕の中からするりと逃げ出して、部屋に入ってきたフロスティの方にハルは向かう。フロスティの自分を見る眼光に男は小さく両手を挙げて退散した。
「フロスティ?」
 ハルの声が聞こえなかったようにフロスティは高級なソファにハルを突き倒す。そして自分を静かに見下ろす瞳に、ハルは震えが来るほど感じた。
 だというのに。
 フロスティは服を中途半端に脱がせたハルの健康的に焼けた肌と本来の肌の色の境目や程よく鍛えられ柔らかい胸の周りを撫でまわしては唇でくすぐる。そんな小さな官能を与えるだけで決定的なものを与えない。
「はぁッ、そんなの……!」
 苛立たしげに言い唇をを近づけるがフロスティは巧みに顔を逸らした。
「なんで……?」
 フロスティは右の口端を挙げて言う。
「どこかの馬の骨とキスした後に?ご免だな」
 その言葉はまるでハル自身が汚いと言われたようでハルの脳髄は痺れてしまった。なにせ今までどんな状況であろうとハルはそんな事を言われたことは無かったのだから。そんな扱いを受けてハルの官能的な疼きは治るところを知らず、思わず悪態をつく。
「くそ、じゃあ早く挿れろ……っ」
「駄目だ。きちんと準備しなきゃな」
 耳元でいつもより低く、色めいて掠れた声で囁かれハルの腰はじぃんと痺れてしまう。しかしその余韻を味わう暇もなく望んでいたものとは違う快感がハルを襲う。見ればフロスティがハルの胸の突起に吸い付いている。いやだ、と甘い声で言いながらもフロスティの巻き毛をくしゃくしゃにかき乱しながら胸を押し付けてしまう。ふ、と彼の口から漏れた笑いを含んだ吐息さえもが感じる。片方では痛みを感じるほどに吸われ、もう片方はそうっと乳暈に沿って撫でられて頭がおかしくなりそうだった。と同時にフロスティのいつのまにか湿らせた太く熱い指はハルの秘所を無遠慮に撫で回す。
「ア……!や、ン!はっ、ふ、ぁ、はやく、……」
「入れるぞ」
 ごつごつとした太い指が挿入される感覚にハルは声もなく美しい金色の髪をフロスティのがっしりとした肩に埋める。その間にも次々と与えられる違和感さえもがハルを煽る。
「ん!あ……ゃ、だめ、も、ダメ、ゃ、ア!そこ、ンあっ!だめ……!はやく挿れ、んン!」
「もう?」
「うるさ、……あッ」
 ずるりと腹から何本かの指が引き出され、それを惜しいというように収斂したハルの後孔をフロスティは勃ち上がり透明な雫を溢す自らの剛直で撫でる。
「ひぁ、ぁ、そぇ、欲し、ーーーーーアァッ!!」
 望みどおり与えられたフロスティのそれの張り出された部分がハルの快楽の源を責め、悲鳴をあげる。それに気をよくしたのか、フロスティは狭隘の浅いところを何度も何度も擦り上げる。
「や、ぁ、や!それ、ばか、来ちゃ、あぁぁあッ……!」
「は、っ、ハルは感じやすいな」
「ちが、こんな、ぁ!こんなの、おか、おかしい……ッ、知らな、あァ!」
「……っ、奥まで挿れるぞ」
「ひぁぁ……、だめ、んッ!はぁあ……っ、イッて、いッて、ん、のにぃ、ひ、あぁぁああ……ッ」
 宣言通りに腰を大きくグラインドさせたフロスティは、脚をガクガクと震わせているハルの首筋に頭を埋め、鎖骨に口付ける。
「はぁッ、熱い……な」
「ぁあッ、ひぅ!も、やぁ、あ……!んぁ、やあぁ、ふろ、ふぉすてぇ、キスしぇ……ほしい、ほしい……!」
 普段の余裕はどこへいったのか、ハルはフロスティのやわらかなざらつく唇と熱い咥内が欲しくてたまらず懇願するのに、当人はと云えば意地悪に焦らすだけだ。それだというのに下半身では快楽でくねる腰の奥までハルの感じる全ての処を執拗に、そして的確に責めてくる。
「キスしてほしいか?……ハル」
 こくこくと涙をためながら必死に頷くハルにフロスティはハルの赤く染まった薄い唇を自らのそれでそっと擽り、勝ち誇って言う。
「なんて言えばいいか分かるだろう?」
 そうして絡ませた手の甲にキスをされてぐずぐずに蕩けたハルは甘ったれた言い方で言葉を紡ぐ。
「はるはぁ、……、フロスティのだから、きすして……!!」
「よくできました」
 そう言うとフロスティはハルを抱え上げ、たん、と身体と身体がぶつかる音がするほど深く深くハルの身体を沈め穿つ。ハルは声も出せず痙攣したようにぶるぶると震え、一気に弛緩してフロスティにしなだれかかると蕩けきった眼を空に向ける事しかできなかった。
「ハル……、イッたのか?……かわいい、かわいいよ、ハル」
 フロスティは陶然としているハルを愛おしげに撫でて言う。そうしてハルが望んでいたとおりに薄く開いた唇に再び口付けられる。咥内と狭隘の一番感じる奥を分厚い舌と立派すぎるほどの牡で蹂躙され、とろとろに蕩けてしまったハルの窄まりはいやらしくキュウキュウとフロスティのそれを締め付け蠢く。
「こら、ハル、はっ、そんなにしたら息ができない」
「や、んぅ、は、ふろすてぃ……気持ちい、もっと……、ん、はぁッ、ふろすてぃ、ふろすてぇ……」
 そう官能で蕩けきったハルは夢中になっていた口付けの間に言うとぐ、と下腹に力を入れフロスティ自身を刺激した。
「ん、……はッ、悪い子だな、ハル」
 そう囁き終わるのすら待てないといった勢いで再び唇に吸い付かれる。キスを繰り返してハルの薄い唇が紅く染まるのがフロスティのお気に入りだ。
「ん、ハル、ふ……、出すぞ……!」
 口づけのみだらな水音の間にそれを聞いてハルは何度も頷きながらフロスティの分厚い背中にまわした腕に力を入れ更に密着する。
「ぁふ、ふろすて、ふろすてぃ……、ンン!ぁあ…………」
 びゅくびゅくと音が聞こえそうなほど長い射精をするフロスティ自身の脈動を感じてハルの頭は真っ白になった。




 薄いレースのカーテン越しにマイアミの強烈な日差しを受けてハルは眉間を顰めながら起き上がる。
「もう昼飯の時間だけどどうする?パンケーキくらいなら俺でも作れるけど」
「…………たべる」
「いい子だ。立てるか?」
「た、立てる!!っ、ふぁ……」
「ここで食べる?ダイニングまで行く?」
「行く……」
 フロスティの言葉にそう答え両腕を伸ばすと、ハルは軽々抱き上げられる。
 そうしてフロスティに抱えられて入ったリビングは昨夜のパーティー客のお楽しみで凄惨たる状況だった。

「うちは娼館じゃない!!!」
 そうすっかり怒りで元気になったハルに叫びながら追い立てられて出ていく奔放な客たちほぼ全員に、意味ありげな笑みを向けられてフロスティは肩を竦めた。ハルのあんな嬌声を聞いてはあてられても仕方ない、といったところか。他人にあれを聞かれたのは少々癪ではあるが。
「もうあいつらは二度と呼ばない!!」
 湯気が出そうなほど怒っているハルの機嫌をこれ以上損ねないように内心だけで笑ってフロスティは話しかける。
「フルーツを乗せる?」
「フルーツはヨーグルトに入れる」
 そう言いながら少し落ち着いたハルはフロスティに後ろから抱きつく。
「シャワーでも浴びておいで」
 あ、と開いた口にフロスティは混ぜたてのパンケーキの生地を指で掬って差し出す。するとハルは可愛らしく咥えたかと思うと、べろりと性感を煽るように舐め上げ、指の根元まで咥えて吸い上げる。
「一緒じゃないといやだ」
 そんなワガママにさえ嬉しそうに笑うものだから、ハルはなんだか妙な心持ちがした。おかしな男に惚れてしまった気がする。
 違う!断じて惚れてなどいない!
 そう心で叫んだハルなど知る由もないフロスティの手が腰に添えられてバスルームへ向かうのだった。



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いちいさんとお話してたじぇりあろ人魚AUのすけべなやつ!



ーーーーーーーーーーーーーーー


 アーロンは豪奢な黒壇でできたビクトリア朝の水槽で気持ちよく漂っていた。するとドアを開けて男が入ってきた。彼は幼い頃から聞かされていた人間像とは違う、おかしな人間だった。
「やあ」
 アーロンは水面に顔を出して挨拶する。
「今日は何を読んでくれるの?」
 男は屋敷に閉じ込めているアーロンが退屈しないように手を変え品を変え相手してくれるのだ。
「どちらがいい?プルーストの続きと、最近流行りの1984年と」
「プルーストがいいな、マドレーヌの匂い好きなやつだったし」
 そう言うと男は確かに、と笑い水槽と揃いの美しい椅子に座って読み始めた。
正直聞いているうちに何がなんだか分からなくなる話なのだが、アーロンは男の低くて優しい声が好きなのだった。
 しばらく読んでもらっていると、アーロンの口から大きなあくびが出だした。
「ふ、眠い?」
「んー、でもせっかく読んでくれてるのに勿体ない……」
 すると男はアーロンのおでこにキスして言う。
「いつでも読んであげるから眠っていいよ、人魚姫。君が寝てる姿は綺麗だからね」
 つくづく変な男だと思う。

 アーロンとその男、ジェラルドの出会いはこうだった。
 穏やかな海の水面から小さく覗く岩に座り、でたらめな音を鳴らしたり歌ったりしていると人間のボートが近づいてきた。その人間は遠くから見ても分かるほど白蝶貝のように虹色に輝いており、アーロンはつい見とれてしまった。するとその男はアーロンに話しかける。
「やあ、人魚さん」
 彼ら人間に安っぽいオカルト的なものと思われている人魚の自分に、その男は快活に声をかけた。
「どうも」
「きれいな歌に誘われてここに来たんだ。とても優しい声だね」
 そんな誰からも言われたいことのない、むしろ下手だと言われていた歌声を褒められてお世辞でも少しくすぐったくなった。
「驚かないの?君らの間じゃ人魚は悪く言われてるんだろ?」
「まあね、だけど君に一目惚れしたみたいだ。魂を分けてあげてもいいくらいに」
 魂。それは人魚が一番欲しがるものだ。この男の纏う光、すなわち魂が欲しい。なぜならそれは人間のみが持ち、人魚には無いものだからである。それを手に入れる事はとてもとても素晴らしいことだ、そう古くから語られている。
「くれるの?死んじゃうかもしれないのに?」
 そうすると男はにこにこしながら言う。
「だって君に分けてあげれば君は俺に恋してくれるから」
 アーロンはそれを聞いて眉をひそめる。
「恋に?」
「君の瞳を見れば分かる。恋に落ちれば分かるよ」
 困惑しているアーロンを余所に男は続ける。
「俺はジェラルド。ジェリーでいい。それで、君が俺に恋して欲しいから俺のそばで住んでもらいたいんだけどいいかな?」
「そうしたら魂分けてくれるの?」
「勿論。君が住めるように家を改装するから時間がかかるだろうけど、どうかな」
 それでこの不思議な白く七色に光る男の魂が手に入るのならアーロンに嫌も何も無かった。そうして改造の終わった今まで見たことがないほど繊細で美しい水槽の部屋のある、家と言うよりは美しい小城に住むことになったのだった。
「狭くないか?」
「いや、落ち着かないくらい広いよ。ここにずっといたらいいの?」
「ああ、もう君を誰の目にも触れさせたくないんだ、愛しい君を」
 まったくおかしな人間である。

 そうこうしてアーロンはそこに住み、すっかり快適な水槽にすっかり馴染んで甘やかされて、彼が用意した水草の集まりを枕にして眠っていた。するとじゃぼんと大きな音が聞こえ、その原因であるジェラルドに引き上げられた。ぱちくりと水面でジェラルドを見つめ、問う。
「どうしたの?びっくりした!」
「君溺れてたじゃないか!俺は心臓が止まるかと思った……!」
 それを聞いてアーロンはすっかり呆れてしまう。
「人魚が溺れるわけ無いだろ。確かに口呼吸もするけど水中でも呼吸できるんだ」
「すごいな……どこで息してるの?」
「耳の裏のとこ」
 ジェラルドが好奇心に満ちた眼をしてそこをそっと手で包み撫でる。と。
「あ……」
「悪い、痛かった?」
「ちが、なんかへん……ンッ」
 唇を合わされながら両手でそこを同時に撫でられると、なぜか下腹がズクリと疼く。
「は、ん……、なんか、変……」
「嫌……?」
 ちゅ、と可愛らしい音を立ててジェラルドの唇口付けられる。思わず逞しい肩に添えていた手を伸ばし、二本の腕で彼の首を絡め取った。
「やじゃない……もっと」
 そう言いジェラルドの下唇をそっと噛んだり、柔らかく合わせたりしてその行為を続けていると、ジェラルドの分厚く大きな舌が口の中に入ってくる。アーロンの舌に自分のを絡めて誘い出し、ゆっくりと吸い上げる。かと思うと耳の裏を何度も撫で、その舌はアーロンの口内に深く押し入って上顎をくすぐり、少しざらざらして、熱くて柔らかいそれが深くまで侵入する。気持ちが良すぎてアーロンはその海色に青いとろけた瞳でジェラルドの視線を絡めとると、恍惚としてしまう。
 飲みきれなかった唾液を溢れさせるほど夢中になっていると突然全身が激しく痺れ、アーロンは高い声で喘いでしまった。
「ふぁッなに、これっあん!」
「は、アーロン、これは……?」
 そう低く掠れた声でジェラルドは自分の太腿に当たったアーロンの美しい色の鱗に覆われた下腹から飛び出した桃色の突起を手で包み何度も擦り上げる。
「ひぁぁあああ!そぇ、ンッ、だめ、だめぇ、ふっ!ぁ、何、なんか、きちゃうかぁ、アン!ぁ、ふあぁぁッ!やああああああ!!」
「まさか……ペニス?気持ちいいの?」
 アーロンは生唾を飲みながら止めてほしくて必死に頷くのに、ジェラルドは手を止めてくれない。それどころか桃色に染まったきついスリットの中まで指を入れ、何度も何度も上下に撫でる。
「アーロン、アーロン。綺麗だ……」
 絶頂を迎え涙でうるんだアーロンの潤んだ瞳を見ながらジェラルドは甘い声で言う。そううっとりと見つめあっていると、突然ジェラルドは何かに気づき、慌てて言う。
「すまなかった、こういうことは君の同意をとってからでないといけなかったのに……」
その真摯な物言いにアーロンは思わず微笑んでしまう。
「いいんだ、……あの、条件が合えばこれで魂が手に入るんだ」
「へ?」
 思わず間抜けな声が出てしまい、ジェラルドはそんなえっちな生き物がいるなんて……だとかなんとか呟いているのを華麗にスルーしてアーロンは薄紅色の貝殻でできたペンダントから緑色の小さい丸薬を取り出して一つは自分に、もう一つはジェラルドに飲ませる。
「もうその、あー……、挿れていい、よ」
 こうしてから性行為を行い、人間の精を体内に出してもらえば人魚にも魂が宿ると昔から謂われているのだ。そう驚いているジェラルドに言い伝えどおり口付けては唾液を交換し、何度もそれを繰り返す。
「ん、ジェリー……。きみの、挿れて、はぁっ、ちょうだい……」
 その子供のような、しかし淫靡な懇願を聞いて目の前が一瞬暗くなってジェラルドはくらくらと目が回ってしまう。
 再び交互にお互いの咥内で舌を絡めあい、吸い上げ、とろりと唾液が零れる。そうしている間にもジェラルドは水槽のガラスを掴み、逞しい腕でアーロンを閉じ込める。そしてふっくらと盛り上がったスリットに立派なペニスを擦りつけ、アーロンを追い詰める。
 焦らされて泣き出しそうなアーロンに啄むようなキスで懇願され、ジェラルドのその立派なものを捩じ込んだ。その強烈な甘い衝撃と、アーロンが初めて感じたざりざりとした下生えの感覚に身悶えする。
 それはジェラルドも同じでアーロンの狭隘は人ではありえないほどすべらかで、もっと味わいたいがそれにぎゅうと愛されるたびに強烈に射精を促される。
「はぁっ、アーロン、ダメだ、君の中、ァあっ、たまらない……っ」
「やあ、なにっ、すごい……!ァあっ!気持ちいいよぉ……ッ、じぇりっ、アアあァ!あ、あ、あ、あ、っ!ひっ、んっ、んっ、んっ、んっ、んぅ、はァっ!そぇ、もっとして、じぇりぃ……!ひぁああッ!!」
 ついに涙を流しながら快楽で満たされたアーロンと同じところへ登ろうと、ジェラルドは水槽から水が溢れるほど激しく腰を打ち付ける。その荒い吐息がどうしようもなく感じて、アーロンは喘ぐしかない。
「ひぁッ、アぅ、ジェリー、もぉ、やァッ、駄目ッだめになる、なっちゃうっ!しんじゃう、しんじゃ、アッ!」
「ゥ、は!ん、んッ、ふっ、はッ、ぁあ、俺も……!!」
「ひぁ、ン、深いぃ……ン!じぇり、じぇりの中、だして、おなか、いっぱいにして……ッ」
 潤んだ瞳でねだられ、ぐるる、とジェラルドは獣のように唸ると抽送を更に早める。そしてアーロンの舌を自らので絡めとり、同時にスリットから白濁が零れるほどの絶頂を迎えた。
  過ぎる快感に導かれ射精して、アーロンはぐったりと抱きしめたジェラルドの肩に頭を預ける。しばらく二人で荒く息をついていると、アーロンの尾ひれの先から空色にきらめく鱗の色が変わってゆき、徐々に淡い光を纏いだしたのに気付いた。。
「わ……、君の光とおんなじ色だ。ほんとだったんだ!成功した、成功したよジェリー!」
 元気になって抱きついてきたアーロンにジェラルドは嬉しそうに笑って、顔中にやさしいキスを降らせ、子供のような笑顔のアーロンを抱きしめる。
「うぁ、や、あ、何、いた、ぃ……!」
「アーロン?苦しいのか?アーロン、アーニー、大丈夫か!?」
「ぅ……はあッ。しんぞう、おかしい……、ああ、君、綺麗だな……」
 真珠色の光で薄ぼんやりとしか見えなかったジェラルドがはっきりと見え、その自分を見つめる優しい瞳は愛おしそうに少し細められていて、アーロンの胸のあたりが激しく波打つ。
 ジェラルドはアーロンに濃厚な口付けをして、低く甘い声で言う。
「ダーリン、愛してるよ」
「僕も……」
 そううっとりと答えながらこれ以上好きになったらどうしよう?本当に死んでしまうかもしれない、そうアーロンは本気で思ってしまったのだった。


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