妻にするよりラスを甘やかすダニエル。
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たとえば、悲しい歌を暗い部屋に大音量でかけたいときも、愛しい妻と手を繋ぎたくないときも、そんなときもあるのだ。
「すばらしい、詩人になれるな」
「ありがとう。そして、暇を持て余した友人と遊びたくない時もある。」
「なぜ?」
ダニエルは頭を抱えた。
原因はもちろん、ソファの後ろから抱きついている男だ。
「ラス、ホックニーが欲しいと駄々をこねているのは誰だ?」
「大きな家も捨てがたいけどやっぱりスプリンクラーだよな」
「ああそこのシアンの壁にによく映える、でも先ずは手に入れないことには」
「なんでこんなに欲しがるか分かる?」
ラスティーはダニエルが言った壁にスプリンクラーの飾ってある様子を想像して満足そうに微笑んだ。
「俺に会えないときに淋しさを紛らわすためだろう?」
「ちぇ、ばれてたか」
「そこの図面取ってくれ」
「嫌だね」
「ディア?」
悪戯っぽい顔が覗き込んでくる。
「俺と一緒じゃないときに考えてよ。俺の居ないときに俺のためにそのスマートな頭を働かせてよ。」
わがままな腕からやっと解放されたと思ったら、回りこんできてダニエルの方を向いて隣に座る。どうしようもなく自分はこの男に弱い、ダニエルはそう思った。周知の事実だ。
「だめだよあんたばっかり。キュートな妻を盗んでその上セクシーな友人を手放さないなんて」
自分でセクシーとか言うか?そう思ってから諦めたように眉を上げた。
「降参だ。それで、わが友は何をお望みかな?」
「ハ、知ってるくせに」
そうしてラスティーは膝の上に乗り、甘いキスの雨を降らせた。それがあんまり魅力的なので友人とこんな事するのか、とはからかわないでおいた。
「みんな手伝ってくれるかな?」
「お前の誕生日プレゼントだって言えば手伝ってくれるさ」
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