チャーリー/ウォンカさん
久しぶりに見て堪らなかった
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「2月のバレンタインの戦略なんだけど、」
そう言って6月の優しい日差しをチャーリーとぼくは屋上のテラスで(外の空気がアイディアを産み出すというチャーリーのアイディアで急遽工場の屋根にこしらえたのだ。そしてそこでの戦略会議の効果はてきめんだった!本当にぼくの跡継ぎは素晴らしい!)冬の売上のデータをひろげた。
「ほら、日本でのバレンタインの売上はすごいだろ?」
「本当だ!どうして?」
「日本では愛のしるしとして花束じゃなくチョコレートを渡すらしい素晴らしいよね!そこで世界にもそれを広めようと思うんだ。例えば渡して目の前で相手に食べてもらえばぜったい恋に落ちるチョコレートとか!恋人に食べさせたら結婚できるキャンディとか!」
アイディアが無尽蔵にうかび、やる気がメラメラ燃えている僕にチャーリーは言った。
「それはダメだと思う」
「どうして?」
そう、チャーリーは世界で唯一ぼくにノーと言える人間なのだ。
「恋っていうのは、ガラスのエレベーターみたいに相手の言葉で壊れちゃったり、キスをしてもらったら治っちゃって上と外に飛び出しちゃうものなんだ。それは恋する二人に起こる大切なことだから、どんな素敵なチョコレートやキャンディでも、僕らが手を貸しちゃいけないことなんだ。
でもバレンタインの花束チョコレートはいいかもしれない…プレゼントしても枯れないし美味しいんだ!」
すっかり仕事モードのチャーリーだけど、ぼくはそれどころじゃなかった。
「その…妙に詳しいんだけど、チャーリーは恋をしたことが?」
「あるよ」
実際に咲くバラのキャンディみたいに笑う彼の言葉になぜかぼくはホイップクリーム牛用の鞭で叩かれたみたいだった。
「そ、そ、それは、誰なの」
学校とかいうものの人間にだろうか。ぼくには外の世界がわからないけれど、チャーリーはそこから来たのだ。可能性はある…そう思ってぼくの気持ちはダストシュートを高速で落ちていった。
「あのね、相手は有名人で最初は噂だけだって、憧れてたんだ」
(ぼく以外の!?)
「でもあるとき奇跡が起こって実際に会えたんだ」
(ゴールデンチケットよりすごい奇跡なんだろうか?)
「初めて会ったその人はとってもきれいなんだけど変わってて」
(きれいだなんてきっとぼくみたいにヘンな髪型じゃないんだ…)
「僕なんか眼中に無いって感じでね」
(こんなにステキな子を!?ありえない!)
「でも一緒にしばらくいると、すごーく優しくて、子供みたいに純粋で、そして素晴らしい天才だったんだ!僕はすっかり夢中になっちゃった」
(あ…目の前が虹色ペロペロキャンディみたいに回る……)
「その上彼は僕の事を選んでくれたんだ!こんなに幸せなことってないよ!」
その言葉を聞いてついにぼくはタイルクッキーに膝をついてしまった。
そんなぼくにチャーリーは無情にも天使みたいに微笑んで、ぼくの顔にマシュマロ色の両手を添えて言った。
「気がつかない?ぜんぶウォンカさんのことだよ」
「へ?」
「僕は最初っからあなたに恋してるんだ」
そういってぼくのほっぺたに唇をつけた。
どういう意味かわからなかったけど、そうされてぼくの脳みそは機械から蒸気がでたみたいになるし、心臓はウンパ・ルンパの歌の早い太鼓のリズムを刻むし目は妙にちかちかしてチャーリーがおひさまみたいにみえた。
「チャーリー、ぼくおかしくって君の言ってることがわかったようなわからないような、どうしよう、これは治るの?」
すると彼は大人みたいに笑って僕の口に自分の口をくっつけた。
「チャーリー、これは何?」
「これがキスだよ、ウォンカさん。治った?」
「……ぜんぜんよくならない、もっとしてくれないとわからない」
生きてきた中で一番甘えたみたいな声が出てしまって恥ずかしくてチョコの滝に飛び込んでしまいたかったけれど、チャーリーはなぜか嬉しそうに笑ってキスを沢山してくれた。
それから、頭の沸騰はちょっと治まったけれど、それからもずっとぼくの胸はドキドキしっぱなしなのだ。
久しぶりに見て堪らなかった
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「2月のバレンタインの戦略なんだけど、」
そう言って6月の優しい日差しをチャーリーとぼくは屋上のテラスで(外の空気がアイディアを産み出すというチャーリーのアイディアで急遽工場の屋根にこしらえたのだ。そしてそこでの戦略会議の効果はてきめんだった!本当にぼくの跡継ぎは素晴らしい!)冬の売上のデータをひろげた。
「ほら、日本でのバレンタインの売上はすごいだろ?」
「本当だ!どうして?」
「日本では愛のしるしとして花束じゃなくチョコレートを渡すらしい素晴らしいよね!そこで世界にもそれを広めようと思うんだ。例えば渡して目の前で相手に食べてもらえばぜったい恋に落ちるチョコレートとか!恋人に食べさせたら結婚できるキャンディとか!」
アイディアが無尽蔵にうかび、やる気がメラメラ燃えている僕にチャーリーは言った。
「それはダメだと思う」
「どうして?」
そう、チャーリーは世界で唯一ぼくにノーと言える人間なのだ。
「恋っていうのは、ガラスのエレベーターみたいに相手の言葉で壊れちゃったり、キスをしてもらったら治っちゃって上と外に飛び出しちゃうものなんだ。それは恋する二人に起こる大切なことだから、どんな素敵なチョコレートやキャンディでも、僕らが手を貸しちゃいけないことなんだ。
でもバレンタインの花束チョコレートはいいかもしれない…プレゼントしても枯れないし美味しいんだ!」
すっかり仕事モードのチャーリーだけど、ぼくはそれどころじゃなかった。
「その…妙に詳しいんだけど、チャーリーは恋をしたことが?」
「あるよ」
実際に咲くバラのキャンディみたいに笑う彼の言葉になぜかぼくはホイップクリーム牛用の鞭で叩かれたみたいだった。
「そ、そ、それは、誰なの」
学校とかいうものの人間にだろうか。ぼくには外の世界がわからないけれど、チャーリーはそこから来たのだ。可能性はある…そう思ってぼくの気持ちはダストシュートを高速で落ちていった。
「あのね、相手は有名人で最初は噂だけだって、憧れてたんだ」
(ぼく以外の!?)
「でもあるとき奇跡が起こって実際に会えたんだ」
(ゴールデンチケットよりすごい奇跡なんだろうか?)
「初めて会ったその人はとってもきれいなんだけど変わってて」
(きれいだなんてきっとぼくみたいにヘンな髪型じゃないんだ…)
「僕なんか眼中に無いって感じでね」
(こんなにステキな子を!?ありえない!)
「でも一緒にしばらくいると、すごーく優しくて、子供みたいに純粋で、そして素晴らしい天才だったんだ!僕はすっかり夢中になっちゃった」
(あ…目の前が虹色ペロペロキャンディみたいに回る……)
「その上彼は僕の事を選んでくれたんだ!こんなに幸せなことってないよ!」
その言葉を聞いてついにぼくはタイルクッキーに膝をついてしまった。
そんなぼくにチャーリーは無情にも天使みたいに微笑んで、ぼくの顔にマシュマロ色の両手を添えて言った。
「気がつかない?ぜんぶウォンカさんのことだよ」
「へ?」
「僕は最初っからあなたに恋してるんだ」
そういってぼくのほっぺたに唇をつけた。
どういう意味かわからなかったけど、そうされてぼくの脳みそは機械から蒸気がでたみたいになるし、心臓はウンパ・ルンパの歌の早い太鼓のリズムを刻むし目は妙にちかちかしてチャーリーがおひさまみたいにみえた。
「チャーリー、ぼくおかしくって君の言ってることがわかったようなわからないような、どうしよう、これは治るの?」
すると彼は大人みたいに笑って僕の口に自分の口をくっつけた。
「チャーリー、これは何?」
「これがキスだよ、ウォンカさん。治った?」
「……ぜんぜんよくならない、もっとしてくれないとわからない」
生きてきた中で一番甘えたみたいな声が出てしまって恥ずかしくてチョコの滝に飛び込んでしまいたかったけれど、チャーリーはなぜか嬉しそうに笑ってキスを沢山してくれた。
それから、頭の沸騰はちょっと治まったけれど、それからもずっとぼくの胸はドキドキしっぱなしなのだ。
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