マーベリクスのフロスティ×ラムダイアリーのハルくん
フロスティにべた惚れハルくんのお話し
なんかハルくんごめんな……
時系列とか細かいことは考えてないで原作から離れて読んでね!



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 あのゴタゴタの後、すっかりプエルトリコに嫌気の差したハル・サンダーソンは、生まれ故郷のアメリカへさっさと引き上げた。そうしてフロリダのなかなか瀟洒で手頃な――ハルにとっては――コルビジュエ風の屋敷を買い、そこに住むことにした。
 とはいっても多少手を入れようかと思い、手始めに選んだのは古びた納屋だった。そうして解体業者がやってきた。
 そのリーダーは野性的な、しかしどこか繊細な印象を与える巻き毛の美丈夫で、そう、端的に言ってしまえばハル好みの男だった。
「初めまして、サンダーソンさん」
「ハルでいい」
「じゃ、俺のことはフロスティと。納屋の解体?」
「ああ、ただ他のものも頼むかもしれない 。もちろん料金は払うよ」
 と、ハルは大抵の人間を魅了する微笑みを見せた。
「了解、ハル。早速仕事を始めるよ」
 しかしそう言って笑ったフロスティの笑顔は自分のものよりよっぽど人好きのするもので、それを見たハルは必ず彼を手に入れようと思ったのだった。
 少しずつ声をかけて、ハルの思惑通り二人は気楽な友人のような関係を構築した。そして事あるごとにその美しい手指でいやらしくならない程度に二の腕やガッシリとした太ももに手を当てたりしてみる。するとフロスティは嫌な顔もせず、あまつさえハルにも同じように触れてきた。なんだ、簡単じゃないか。後ひと押しだ。

 その後しばらくしてハルはフロスティを邸内に呼んだ。
「ハル?どこだ?」
 自分を探す声を蕩けた頭で認識する。
「は、こういうこと……あんたほんとに悪趣味だなっ!」
「アアっ!そこ、ンン……!ふ、ァ、もっと……!」
 そんな嬌声を部屋の外まで聞こえるように上げる。すると少し開けていたドアが開いていった。
「ハ、ル……」
 フロスティの目はハルの扇情的な痴態と、ドアに向けハルを膝に乗せ、ハルの身体を貫いて奉仕している男を見て固まってしまう。それは髪こそ短髪だが、己にそっくりな男だった。
 しかしフロスティは気を取り直すとつかつかと歩み寄って自分を見てずるりとペニスを抜いたハルを引き寄せ、ハルはされるがままフロスティにしなだれかかる。
「なに、……?」
 甘い蜂蜜のような声と快楽で焦点の合わない眼で尋ねる。そんなハルの肩を押して、フロスティは少し眉根を寄せつつも無感情に言う。
「あんたはもっと自分を大切にすべきだ」
 そうしてさっさと帰って行ってしまった。ぽかんと口を開いてハルが突ったっていると後ろから笑い声が聞こえる。振り返れば先ほどまでの情事の相手が楽しそうに声を上げ笑って言う。
「あんたが振られるところを見られるなんて、光栄だな。初めてじゃないのか?」
「うるさい、とっとと出てけよ!」
「ハイハイ、女王陛下」

 それからというものフロスティは仕事こそすれ、ハルに確認を取らなければいけない時は部下をよこす程にハルを無視した。
 それは思っていたよりもハルにダメージを与えた。会えない日々はベッドから降りることすら億劫で、食事もほとんど取らなくなった。どうも、信じられないことに、あの男に心底惚れてしまったらしい。ハルは毛布を頭から被って思春期のティーンみたいに呻いた。

「ハル」
 そんな生活が続いていたある日、勝手知ったる様子でハルの部屋に入ってきたフロスティをハルはじろりと睨む。
「なんでお前が……」
「あんたの見舞いだって言ったらメイドさんが入れてくれたよ。彼女心配してたぞ。何も食べてないって?」
 そう言って男っぽい指の背でハルの頬を撫ぜる。
「少し痩せたか?」
「関係ないだろ」
「ふは、俺に会えなくてこうなったのに?何か食えよ」
 久しぶりに見たフロスティの笑顔になんだかむず痒いような気がして、からかってやろうと思った。信じられないことに照れた事実から目を逸しただけかもしれないが。
「食べたくない」
 フロスティは肩を軽く竦めて部屋に銀食器に飾られたフルーツの山からマンゴーを取り上げるとハルに見せつけるように銀のナイフで赤く熟れたそれの薄い皮を剥ぎ、喰らいつく。そして生唾を飲んだハルに、その溢れんばかりの果汁と共に南国の恵みを唇を合わせ受け渡す。そしてハルが飲みきれなかった甘露を太い親指で拭い、べろりと舐め上げた。
「ファックする?」
 そんな官能を煽るフロスティにハルはつい口走ってしまう。抱かれたい、その一心だった。
「いや、まずお互いを知らなきゃな」
「?」
 首をかしげるハルにフロスティは子どもに言うように笑った。
「友達から初めないと」
 友達。ビジネス抜きの友達とは何をするのだろうか。
 そんな悩みを抱えつつも中々良好な関係を築いていたある日、この辺りの事を教えてくれないかと水を向けると迷惑そうな素振りも見せずフロスティは楽しそうに話し出してくれた。それを話半分に聞きながらあまり物欲しそうにならないように留意しながらフロスティの体つきを褒め、サーフィンで鍛えられたのかな、と朗らかに言ってみせる。
 そんなハルの下心など知る由もなく、波には乗らない、そう静かな声で答えたフロスティをそんな海で作られた身体をして?そうからかおうと見やる。すると彼は左手の指輪を見つめ、視線を映し透徹とした目で海を見ていた。辛気臭い話は懲り懲りだった。
「来て」
 ハルはそう言うと振り返りもせず歩きだす。裏庭に隣接する海の桟橋へ行き、瀟洒な真新しい白いボートにフロスティとともに乗り込んだ。そうして二人は言葉も交わさずに沖へ出た。
「こうやって波に揺られるのも悪くない、だろ?」
 そう微笑みかける。
「ああ……。悪くない」
 そうして掟を破ったフロスティと、それを勧めたハルは静かに酒を飲み交わす。
「ありがとう、ハル」
 ぽつりとフロスティは言った。ハルは片眉をひょいと上げて言う。
「礼を言われるようなことは何も」
「それでも。そう言いたかった」
 フロスティはハルのグラスを取り上げて微笑む。唇を寄せたのはお互いにだった。

 彼に抱かれるのはまるで海に抱かれたみたいだった。

「まだ寝てていい」
 そう言って笑いかけるフロスティの傍らに座り、夢現のハルは頭を預けてぽつりと言う。
「このままいられたらいいのに」
 そんな夢のような事を言うハルに優しくフロスティは言う。
「次は食料を買い込んでおこう」
 次があるのか。そう思うとなんだかむずがゆい心持ちがした。

 そうこうしているうちに屋敷の諸々の工事が終わり、ハルは知り合いを呼んで屋敷のお披露目パーティーを開いた。と、まあ、それはフロスティをお披露目する口実であったのだが。
「俺は場違いじゃないかな?」
 そういつもと違いいいスーツでドレスアップした、客の全てが振り返るような男ぶりのフロスティはおどけて言う。
「まさか!君は客のリストで一番目だよ」
 そう言ってハルはチェシャ猫のように笑い、可愛らしい飾りのついたブルーのカクテルを飲んだ。
「あれが今のお気に入りね。俺の代わり?そっくりじゃないか」
 別室でハルを壁に追いやり、以前情事を見られた相手の男はにやついて言う。確かにその男はフロスティによく似ている。
「さあね……どうだと思う?」
「またそうやって。ハルが素直なのはベッドの中だけだな」
「じゃ、今回も聞いてみる?」
 そう言ってハルが上目遣いで微笑むと、男に口付けられた。すると。
「ハル」
「やあ」
 その男の腕の中からするりと逃げ出して、部屋に入ってきたフロスティの方にハルは向かう。フロスティの自分を見る眼光に男は小さく両手を挙げて退散した。
「フロスティ?」
 ハルの声が聞こえなかったようにフロスティは高級なソファにハルを突き倒す。そして自分を静かに見下ろす瞳に、ハルは震えが来るほど感じた。
 だというのに。
 フロスティは服を中途半端に脱がせたハルの健康的に焼けた肌と本来の肌の色の境目や程よく鍛えられ柔らかい胸の周りを撫でまわしては唇でくすぐる。そんな小さな官能を与えるだけで決定的なものを与えない。
「はぁッ、そんなの……!」
 苛立たしげに言い唇をを近づけるがフロスティは巧みに顔を逸らした。
「なんで……?」
 フロスティは右の口端を挙げて言う。
「どこかの馬の骨とキスした後に?ご免だな」
 その言葉はまるでハル自身が汚いと言われたようでハルの脳髄は痺れてしまった。なにせ今までどんな状況であろうとハルはそんな事を言われたことは無かったのだから。そんな扱いを受けてハルの官能的な疼きは治るところを知らず、思わず悪態をつく。
「くそ、じゃあ早く挿れろ……っ」
「駄目だ。きちんと準備しなきゃな」
 耳元でいつもより低く、色めいて掠れた声で囁かれハルの腰はじぃんと痺れてしまう。しかしその余韻を味わう暇もなく望んでいたものとは違う快感がハルを襲う。見ればフロスティがハルの胸の突起に吸い付いている。いやだ、と甘い声で言いながらもフロスティの巻き毛をくしゃくしゃにかき乱しながら胸を押し付けてしまう。ふ、と彼の口から漏れた笑いを含んだ吐息さえもが感じる。片方では痛みを感じるほどに吸われ、もう片方はそうっと乳暈に沿って撫でられて頭がおかしくなりそうだった。と同時にフロスティのいつのまにか湿らせた太く熱い指はハルの秘所を無遠慮に撫で回す。
「ア……!や、ン!はっ、ふ、ぁ、はやく、……」
「入れるぞ」
 ごつごつとした太い指が挿入される感覚にハルは声もなく美しい金色の髪をフロスティのがっしりとした肩に埋める。その間にも次々と与えられる違和感さえもがハルを煽る。
「ん!あ……ゃ、だめ、も、ダメ、ゃ、ア!そこ、ンあっ!だめ……!はやく挿れ、んン!」
「もう?」
「うるさ、……あッ」
 ずるりと腹から何本かの指が引き出され、それを惜しいというように収斂したハルの後孔をフロスティは勃ち上がり透明な雫を溢す自らの剛直で撫でる。
「ひぁ、ぁ、そぇ、欲し、ーーーーーアァッ!!」
 望みどおり与えられたフロスティのそれの張り出された部分がハルの快楽の源を責め、悲鳴をあげる。それに気をよくしたのか、フロスティは狭隘の浅いところを何度も何度も擦り上げる。
「や、ぁ、や!それ、ばか、来ちゃ、あぁぁあッ……!」
「は、っ、ハルは感じやすいな」
「ちが、こんな、ぁ!こんなの、おか、おかしい……ッ、知らな、あァ!」
「……っ、奥まで挿れるぞ」
「ひぁぁ……、だめ、んッ!はぁあ……っ、イッて、いッて、ん、のにぃ、ひ、あぁぁああ……ッ」
 宣言通りに腰を大きくグラインドさせたフロスティは、脚をガクガクと震わせているハルの首筋に頭を埋め、鎖骨に口付ける。
「はぁッ、熱い……な」
「ぁあッ、ひぅ!も、やぁ、あ……!んぁ、やあぁ、ふろ、ふぉすてぇ、キスしぇ……ほしい、ほしい……!」
 普段の余裕はどこへいったのか、ハルはフロスティのやわらかなざらつく唇と熱い咥内が欲しくてたまらず懇願するのに、当人はと云えば意地悪に焦らすだけだ。それだというのに下半身では快楽でくねる腰の奥までハルの感じる全ての処を執拗に、そして的確に責めてくる。
「キスしてほしいか?……ハル」
 こくこくと涙をためながら必死に頷くハルにフロスティはハルの赤く染まった薄い唇を自らのそれでそっと擽り、勝ち誇って言う。
「なんて言えばいいか分かるだろう?」
 そうして絡ませた手の甲にキスをされてぐずぐずに蕩けたハルは甘ったれた言い方で言葉を紡ぐ。
「はるはぁ、……、フロスティのだから、きすして……!!」
「よくできました」
 そう言うとフロスティはハルを抱え上げ、たん、と身体と身体がぶつかる音がするほど深く深くハルの身体を沈め穿つ。ハルは声も出せず痙攣したようにぶるぶると震え、一気に弛緩してフロスティにしなだれかかると蕩けきった眼を空に向ける事しかできなかった。
「ハル……、イッたのか?……かわいい、かわいいよ、ハル」
 フロスティは陶然としているハルを愛おしげに撫でて言う。そうしてハルが望んでいたとおりに薄く開いた唇に再び口付けられる。咥内と狭隘の一番感じる奥を分厚い舌と立派すぎるほどの牡で蹂躙され、とろとろに蕩けてしまったハルの窄まりはいやらしくキュウキュウとフロスティのそれを締め付け蠢く。
「こら、ハル、はっ、そんなにしたら息ができない」
「や、んぅ、は、ふろすてぃ……気持ちい、もっと……、ん、はぁッ、ふろすてぃ、ふろすてぇ……」
 そう官能で蕩けきったハルは夢中になっていた口付けの間に言うとぐ、と下腹に力を入れフロスティ自身を刺激した。
「ん、……はッ、悪い子だな、ハル」
 そう囁き終わるのすら待てないといった勢いで再び唇に吸い付かれる。キスを繰り返してハルの薄い唇が紅く染まるのがフロスティのお気に入りだ。
「ん、ハル、ふ……、出すぞ……!」
 口づけのみだらな水音の間にそれを聞いてハルは何度も頷きながらフロスティの分厚い背中にまわした腕に力を入れ更に密着する。
「ぁふ、ふろすて、ふろすてぃ……、ンン!ぁあ…………」
 びゅくびゅくと音が聞こえそうなほど長い射精をするフロスティ自身の脈動を感じてハルの頭は真っ白になった。




 薄いレースのカーテン越しにマイアミの強烈な日差しを受けてハルは眉間を顰めながら起き上がる。
「もう昼飯の時間だけどどうする?パンケーキくらいなら俺でも作れるけど」
「…………たべる」
「いい子だ。立てるか?」
「た、立てる!!っ、ふぁ……」
「ここで食べる?ダイニングまで行く?」
「行く……」
 フロスティの言葉にそう答え両腕を伸ばすと、ハルは軽々抱き上げられる。
 そうしてフロスティに抱えられて入ったリビングは昨夜のパーティー客のお楽しみで凄惨たる状況だった。

「うちは娼館じゃない!!!」
 そうすっかり怒りで元気になったハルに叫びながら追い立てられて出ていく奔放な客たちほぼ全員に、意味ありげな笑みを向けられてフロスティは肩を竦めた。ハルのあんな嬌声を聞いてはあてられても仕方ない、といったところか。他人にあれを聞かれたのは少々癪ではあるが。
「もうあいつらは二度と呼ばない!!」
 湯気が出そうなほど怒っているハルの機嫌をこれ以上損ねないように内心だけで笑ってフロスティは話しかける。
「フルーツを乗せる?」
「フルーツはヨーグルトに入れる」
 そう言いながら少し落ち着いたハルはフロスティに後ろから抱きつく。
「シャワーでも浴びておいで」
 あ、と開いた口にフロスティは混ぜたてのパンケーキの生地を指で掬って差し出す。するとハルは可愛らしく咥えたかと思うと、べろりと性感を煽るように舐め上げ、指の根元まで咥えて吸い上げる。
「一緒じゃないといやだ」
 そんなワガママにさえ嬉しそうに笑うものだから、ハルはなんだか妙な心持ちがした。おかしな男に惚れてしまった気がする。
 違う!断じて惚れてなどいない!
 そう心で叫んだハルなど知る由もないフロスティの手が腰に添えられてバスルームへ向かうのだった。



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