カプ未満
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レントン、そう叫ぶ声と門を蹴る音で目が覚めた。人の眠りを妨害する奴は犬にケツを噛まれてくたばればいいのだ。
こんな事をするクソ野郎は一人しかいねぇ、そう判断を下して叫ぶ準備をする。門をよじ上る耳障りな音が響く。
大きく息を吸い3つ数える。1、2、3!
「レェーントォォーン!!」
「死ね!」
勢い良くドアを開けると、そこには足元に水溜まりを作って馬鹿が立っていた。やっぱりだ!
「何してんだてめぇ!」
「えーひどくなーい?レントンに会いたかったからさー」
「傘って知ってるか、シックボーイ?ア・ン・ブ・レ・ラァア!お前みたいにならないように発明されてんだぞ?なんだお前スパッドにそっくりじゃねえか!」
『ずぶ濡れボーイズ』
――陽気なシックボーイにろくな事はない。
「で?何の用だよ」
「別に。散歩でもしようかなと」
「ハァ?」
「雨が降ってるから」
「帰れ、俺はお前みたいに雨の中を歩く趣味はねえ」
「ひでー。じゃあ雨宿りさせてよ」
「雨ん中歩いて帰ればいいじゃねえか!」
「んーわかんねえかなぁ、とりあえず優しく家の中に入れてもらって、そんで風呂に入れさせてもらおうかな、なんて」
もう一度怒鳴り付けようかと思ったが諦めた。腹が減った。
雨に濡れた服っていうのはどうも匂うからバスルームに押し込んだ。泡風呂がいいとかなんだとかとか煩いから、ダイアンの入浴剤も一緒に放り込んだ。偶々手元にあったからというだけで、決して甘いわけじゃない。
「レントンー」
「んだよ」
「もー結婚しよーぜー」
「死ね」
「ははっ雨が傘に当たる音聞いてると死にたくなる」
「は?」
「聞いてみ?川に飛び込みたくなっから」
「だから傘をささねえってか?くたばれ」
バスルームのドアに寄り掛かって座り込んでビールを喉に流し込む。あいつの話をまともに聞いてるとこっちまで頭がおかしくなる。
「レントンー」
「今度は何だよ」
「たとえばさ、このままヤクをやり続けるだろ、そんで脳みそ空っぽになるだろ、そしたら俺はお前の事も忘れるかなあ」
「そーだな」
適当に返事をうちながら、一つの強烈なイメージが俺の頭を支配した。白いタイル、白いバスタブ、白い泡、白いサイモンの体、髪の毛。泡がぶくぶく増えてって、全てが溶けて、混ざりあって、俺はそれらを区別できなくなる…
うんざりだ。
「俺さ、他の何がどうなってもいいけどそれだけはちょっと悲しいなぁ」
「ハ、その前に死んでんじゃねえの」
「あー、うん、うん。それなら死んだほうがマシだな。」
「ばか」
「なー今日修道院長んとこ行く?」
「‥‥雨が止んだら」
雨はまだ降っている。
哀しいかな、地獄行きのスーパーエクスプレス・チケットを捨てられない俺たちは、善良な市民(くそくらえ!)に劣っているのだ。
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レントン、そう叫ぶ声と門を蹴る音で目が覚めた。人の眠りを妨害する奴は犬にケツを噛まれてくたばればいいのだ。
こんな事をするクソ野郎は一人しかいねぇ、そう判断を下して叫ぶ準備をする。門をよじ上る耳障りな音が響く。
大きく息を吸い3つ数える。1、2、3!
「レェーントォォーン!!」
「死ね!」
勢い良くドアを開けると、そこには足元に水溜まりを作って馬鹿が立っていた。やっぱりだ!
「何してんだてめぇ!」
「えーひどくなーい?レントンに会いたかったからさー」
「傘って知ってるか、シックボーイ?ア・ン・ブ・レ・ラァア!お前みたいにならないように発明されてんだぞ?なんだお前スパッドにそっくりじゃねえか!」
『ずぶ濡れボーイズ』
――陽気なシックボーイにろくな事はない。
「で?何の用だよ」
「別に。散歩でもしようかなと」
「ハァ?」
「雨が降ってるから」
「帰れ、俺はお前みたいに雨の中を歩く趣味はねえ」
「ひでー。じゃあ雨宿りさせてよ」
「雨ん中歩いて帰ればいいじゃねえか!」
「んーわかんねえかなぁ、とりあえず優しく家の中に入れてもらって、そんで風呂に入れさせてもらおうかな、なんて」
もう一度怒鳴り付けようかと思ったが諦めた。腹が減った。
雨に濡れた服っていうのはどうも匂うからバスルームに押し込んだ。泡風呂がいいとかなんだとかとか煩いから、ダイアンの入浴剤も一緒に放り込んだ。偶々手元にあったからというだけで、決して甘いわけじゃない。
「レントンー」
「んだよ」
「もー結婚しよーぜー」
「死ね」
「ははっ雨が傘に当たる音聞いてると死にたくなる」
「は?」
「聞いてみ?川に飛び込みたくなっから」
「だから傘をささねえってか?くたばれ」
バスルームのドアに寄り掛かって座り込んでビールを喉に流し込む。あいつの話をまともに聞いてるとこっちまで頭がおかしくなる。
「レントンー」
「今度は何だよ」
「たとえばさ、このままヤクをやり続けるだろ、そんで脳みそ空っぽになるだろ、そしたら俺はお前の事も忘れるかなあ」
「そーだな」
適当に返事をうちながら、一つの強烈なイメージが俺の頭を支配した。白いタイル、白いバスタブ、白い泡、白いサイモンの体、髪の毛。泡がぶくぶく増えてって、全てが溶けて、混ざりあって、俺はそれらを区別できなくなる…
うんざりだ。
「俺さ、他の何がどうなってもいいけどそれだけはちょっと悲しいなぁ」
「ハ、その前に死んでんじゃねえの」
「あー、うん、うん。それなら死んだほうがマシだな。」
「ばか」
「なー今日修道院長んとこ行く?」
「‥‥雨が止んだら」
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哀しいかな、地獄行きのスーパーエクスプレス・チケットを捨てられない俺たちは、善良な市民(くそくらえ!)に劣っているのだ。
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