アーロンの顎の笑窪にそっと手を添え振り向かせ、舌を絡めながらリビングへとなだれ込む。
「シャワーは?」
「要らない」
 ジェラルドはアーロンの突き出された薄桃色の舌を自らのそれで口淫のように絡め取りながら追うと、彼の寝室に誘導された。初めて味わうその甘い口内と頬に擦れるざりざりという感触までに、煽られる。
「ふ、キスだけでこんなに?」
 そう言ってジェラルドはアーロンの下肢へ手を伸ばし、膨らんだ前立てを揶揄うように撫でた。
「しょうがないでしょ、久しぶりなんだから」
 そう言うアーロンのタキシードをジェラルドは口づけを落としながら脱がせる。
「は、ジェリー……」
 靴下と肌着だけにされたアーロンの乳首を衣擦れの音を立てながらジェラルドは何度も撫でる。
「先生ここ好きなの?」
 耳元で囁かれ、アーロンは震える息を溢した。ジェラルドはそれを肯定として受け止め、アーロンのシャツの上から芯を持ち始めた乳首を優しく引っ掻く。
「ぁ……は、ん! こら、いたずらしない、」
 まるで子供に言うかのようにアーロンは言って軽くジェラルドの手を叩くと、一歩下がって膝をついた。
「まさか、あなたはそんなことしなくてい、」
「だって君、ヘテロだろ……使い物になりません、じゃ俺が困る」
 アーロンはそう言うと薄い唇を挑発するように舐めてジェラルドのスラックスの前を寛げた。そしてジェラルドが止める間もなくそのずっしりとした陰嚢から先端までやさしくキスして、ぱくりとその肉棒を咥えた。眉を顰めジェラルドが快楽を感じているのをアーロンは見上げ、わざとぐちぐちゅと大げさな水音を立てながら兆し始めた彼自身を味わう。愛する男の雄の濃い匂いと、硬度を増したそれが口蓋を撫ぜる快感、そしてジェラルドの口から繰り返される短いため息はアーロンの背から腰までを甘く痺れさせた。
 じゅぷ、ことさらに音を立てジェラルド自身から口を離し、褒めるように雫をこぼすジェラルドの鈴口にキスをする。
「ん、ふ、勃ったね……良かった……」
「冗談だろ、イかないように必死だよ」
「イッてもいいよ」
 そうクスクス笑いながらアーロンはゆっくりと見せつけるように自分のシャツを脱ぎ捨て、ボクサーの中のアヌスにローションまみれの指をつぷり、と挿れた。
「女の、子とは違うから、いい子で、待っててね」
 そう微笑んで言いながら自らの後孔を解しながら再びジェラルドの雄を舐めあげる。惚れた男のあまりに淫猥な様にジェラルドは呻き、脚に引っ掛かっただけの下着を剥ぎ取りアーロンを膝の上に抱きかかえる。
「あんまり焦らすと暴発しそうだ」
 ジェラルドは苦笑し、アーロンの長く細い指がうごめいている窄まりに指を伸ばす。かき混ぜるように指を動かし、彼のものよりは幾分太い指をアーロンの柔らかくなったそこに埋めた。
「あ、はっだめ、じぇり、そこっ、ひ……ん、イッちゃ、ぅや……! ゃ、俺だって、君が欲し、いんだから……!」
 そう言ってぐちぐちと水音を立て、必死にジェラルドを迎えようとしている様子に頭に血が昇るほど興奮する。
「すごい……あなたみたいな綺麗な人がこんなに淫らだなんて最高だな……」
 ちょうど今の体勢だとアーロンがジェラルドの頭をを抱きかかえるようになり、目の前に乳暈までも堅くさせ桃色を濃くしたアーロンの乳首がジェラルドの眼の前だった。誘われるように空いている方の指を這わせ、片方では吸い上げ、もう片方は潰し、軽くはじき、かとおもうと触れるか触れないかの位置で擽る。そうしてから宥めるように舐め、優しく歯を立てる。そのすべてがアーロンをひどく苛む。
「あ、んぅ! も、そこばっか、やだ、ぁ、あ!」
アーロンの乳首は刺激しすぎたのか硬く立ち上り、それは誘うように震えている。
「でも感じてるでしょ、せんせ」
 言い終わる頃に意地悪く乳頭を摘みあげる。
「っひ、ぃ、ンンンンんッ!!!」
「もう、挿れてもいいか?」
 そう尋ねると堪らないといったように何度も頷くアーロンのキスのし過ぎで赤く染まった唇をジェラルドは舐めあげ、乱暴にジャケットを脱ぎ捨てアーロンをベッドに沈めた。

「あは、は、すごいな……」
「い"、ぅん! は、ジェリー、、ジェリー、ぁあ……っ!」
 アーロンの身体は自らの意思と関係なく、きゅうきゅうと入ってきたばかりの胎内のジェラルドをいやらしく締め付けてしまう。
「は、いいよ、最高……、先生えっちだね、凄くかわいい……」
「ジェリ、ぁ、あ……すご、ゃあ……! あァ!! んぅ!」
 的確に弱いところを突かれ、全身を震わせ感じ入っているアーロンの耳元で囁く。
「ね、せんせ、僕の事、愛してるって言って」
「は、んんッ!」
 ジェラルドは腰を揺らして答えを促す。
「お願い、もっと聞かせて……」
「ばか、愛して、なきゃッ、んァア!こんなこと、しない……うぁっ!はァッ!」
 朱色に色付いたアーロンの鎖骨をジェラルドは食んだ。それにすら煽られ、アーロンは思わず腰をくねらせる。
「ん、……はっ、ぁあ、ジェリー、ジェリー……っ! もうイキたぃいい……!!」
「ふ、先生、かわいいね……、ッ! いい、よ、イけよ!」
 ジェラルドはアーロンを今迄にないほど突き上げ、震える乳首を抓みあげた。
「んぁああああああッ!! ヒ、ぁ、じぇり!ぃいいい、アアアッ!!」
 一際高い声で啼き絶頂を迎えたアーロンにジェラルドは満足して楔を抜こうとすると、妖しく蠢く肉壁と長い手足に絡め取られ思わず呻いた。
「だめ、出てっちゃだめ……」
 金色で縁取られた美しい碧眼を潤ませ、甘やかな声でうっとりとそう言うアーロンに眩暈がする。
「でも先生、イッたばっかで辛いんじゃ、」
「いい……いいから、俺で、イッて、シュガー……」
「……ッは! ぁ、クソ……ッ!!」
 一度情熱的に腰を打ち付けつけると、どくん、とジェラルドのものが弾けた。スキン越しなのにその快楽の証はアーロンの心を熱くする。
「あ、んんっ……。イった、ね、はっ、うれしい……っ!」
 アーロンはそう言って複雑そうな表情のジェラルドの顔中にキスをしてやった。
「ふあ!? ぁ、アッや、イッたのになんで……あ、硬、んんっ!」
「男の、沽券に、関わるもんで……、せんせーは、ここが、気持ちい、いんだよね?」
「そ、お利口さん、んぅ! 、でもね、もっとイイのは、もっと奥……んッ、指じゃ、届かないとこ…………、アあッ!? 」
 囁き終わると同時に殴られたような衝撃がアーロンを襲った。原因であるジェラルドはそれにかまわず激しく腰を打ち付け、性器と化したそこのいいところを的確に狙う。ぐちぐちと先程出した熱い飛沫が泡立ちながら音を響かせ、二人の情感を煽る。
「どうして、あなたはそう……!!」
「! ぁア! んっう、ひ、あ、あ!ゃ、ふか、深、いぃ……! だめ、や、あ、あ!!」
「は、はぁっ、クソッ、これ、ヤバい……はっ!」
「あ、あ、あッ、じぇり、キス、キスして! ……ん、んぅゥ!!」
望み通りにアーロンに口づけしてやり、飲みきれないほど唾液を交換し、彼を味わう口づけを繰り返しながらジェラルドは律動を繰り返し、それを享受するアーロンは女のように高い喘ぎ声をジェラルドの口内に響かせる。それは今までの性行為が何だったかとお互いに思うほど濃密だった。
「ン、ゥ……ム、はぁ、あは、んンッ! あふ、あいして、愛してる……! ジェリー、ん、ゥ……!!」
「は、アーロン、アーロン、ふ、おれも……俺もあいしてる……!!」
「ッあ! ひ、ぅん、ーーァアあああッ!」
 アーロンの麗しい悲鳴と同時にジェラルドを咥え込んだ胎内がうねり、程なくしてジェラルドも後を追うように果てた。大海のさざ波が引いていくような目眩をやり過ごし、ジェラルドは慌てて身体を断続的に小さく痙攣させているアーロンの頬を包む。
「アーロン、アーロン大丈夫か?」
「ひ、んんッ……や、じぇり、ン! ァ、ああああ、あッーーーーー!」
 全身を見遣れば柔らかく起き上がっているアーロンのそれはだらだらと白濁液を垂らし続けている。
「……イってるのか?」
「ん、んぅ、イくの止まんな、はぁアアアアん!! や、ぁ、んんッ!」
「シー、シー……大丈夫、息を吸って……」
 ジェラルドは彼の姪にやるように絶頂を迎え続けるかわいそうなアーロンを優しく抱きしめ背を撫でてやる。
「ゃ、離し、ア、ぁ! だめ、だめ、あは、はッ……!や、だめ、だめ……」
「どうした?なにがダメ?」
「……んんッ、ア! 、や、こえ、きみの声、ァあああっ!! 手、だめ、や、ぁ!  も、イきたくな、ぁあッーーーー!」
「俺の言うことが分かる?ダーリン、息を大きく吸って……止めて。吐いて……そう続けて」
 アーロンの美しい瞳は溶け落ちてしまいそうなほど涙を流している。やわらかな金糸が張り付いた彼のおでこからそれをそっと払う、ジェラルドが頭を優しく梳いてくれる。その指先さえアーロンの情感を煽る。頭が性感帯なんて知らなかったし、これからも知るはずも無かったのに。
 アーロンは一向に止まらず自分のコントロールできない甘美な歓びを収めようと背をそっとリズム良く叩くリズムと、優しく落ち着かせようとしてくれているジェラルドのビロードのようなヴィーナスが与えたバリトンボイスに集中する。
 ゆっくり、とジェラルドが言うとおりに息をしていると段々落ち着くと共に眠気がアーロンを誘う。
「……じぇり、眠、」
「いいよ、スウィーティー。おやすみ、いい夢を」



 朝になり、ジェラルドの腕の中のアーロンがもそもそ動く。
「おはよう、ダーリン」
「、……」
 昨夜さんざん鳴いたせいか、アーロンはすっかり声が枯れてしまっていた。
「ああ……すまない、やり過ぎた」
 ジェラルドがそう謝ると、昨夜脱ぎ捨てたジャケットから携帯電話をとってなにやら文字をタイプしている。
「なに?」
 “すごくよかったからいい”
 ジェラルドは思わず額に手をあてて破顔した。
“気持ちよかった?”
 続いてそう書く愛しいアーロンの額にキスを落とし、
「もちろん! そうだ、キッチン借りていいか?朝食を作るよ」
 そう言うジェラルドにどうしようもなく多幸感に満たされた。OKの意志を表明して、アーロンは朝のまどろみに身を任せたのだった。


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