エロパートだよ!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「ハイ」
「やあ」
アーロンの顔を見るのも辛かったが、憂いを帯びた彼はなんとも言えず魅力的だった。
「あれから君の言ったことを考えてたんだ」
凪いだ海のように静かな声でアーロンは話し出す。
「君みたいな偉い人が毎日コーヒーを買いに来る理由、僕に会うためにビル一棟買うなんてバカなことをした理由……。それは、……君は、僕のことが、好き、だから……?」
「一目見た時から、君に、夢中なんだ」
真摯な声で、どうかこの思いが彼に届くようにと祈りながらジェリーは言った。全身の血が頬に集まる感覚を気恥ずかしく思ったが、アーロンの頬も同じように染まっているのを見てジェリーは驚いた。
「君と僕とじゃ釣り合わないよ。僕はしがない雇われ店長だし……」
ジェリーは瞬きしてから目を見開いた。それじゃあ、釣り合えば彼は自分と付き合ってくれるのだろうか。
「じゃあ、君の望む男になればいい?」
そう言うと3万ドルの時計を外しそこら辺に捨て置く。次はルビーのカフス。それからイタリアのビスポークの靴とサヴィル・ロウで仕立てたジャケット、エルメスのタイもぜんぶ後ろに放り投げた。
「他には?」
そう言うとアーロンをがっしりとしたその長い腕の中に閉じ込める。
「君に愛されるためならなんでもする」
そう囁いてジェリーは桃色に染まった顔を背けるアーロンの顔をこちらに向けさせ、彼の額にそっと額を合わせる。
「きみは、ずるい」
「愛してる、愛してるんだ、アーロン……。君に愛してもらえるためならなんでもするよ……。明日から君のところで雇ってくれる?」
そうおどけた様に言うと、アーロンは小さく吹き出した。
「そんなことしなくても、僕は多分君を愛してるよ」
「多分?」
「そう、自分のせいで落ち込んだ君のために駆けつけるくらいにはね」
言い終わると同時にアーロンはジェリーの唇に口付けた。
ちゅ、とかわいらしい音を立てて離れようとした唇を追いかけて自らのそれでアーロンの薄い唇をやわく喰むとアーロンの控えめな舌がちらりと煽る。それを逃すはずも無くジェリーは食らいついた。存外アーロンも積極的に水音を立てて舌を絡め、ジェリーの波打つ栗毛を指でかき混ぜる。ジェリーは甘くアーロンの下唇を噛んで離した。
「嘘みたいだ……君にキスしてるなんて」
そう幸せそうにジェリーは呟くと、口づけを何度も落としながら兆し始め膨らんだ前立をアーロンに押し付ける。
「ぁ、は、……ふ、」
そうこうしているとアーロンの口から艶めいた声が漏れ出した。ジェリーは隙かさずアーロンのデニムを寛げる。アーロンは戸惑いながらも同じようにした。
「俺の握って……。そう、ぁあ……」
恋い焦がれた相手の美しい指が自身の牡を握っていることに酩酊したが、なんとか持ち直しジェリーもアーロンの緩く勃ったそれに触れ、ゆるゆると上下させる。
「んぅ……こんな、は、ふッ」
感じ入った息を零すアーロンに、もっと快楽を与えたいという欲が出る。
「アーロン……これ、両方握ってくれる?」
目を白黒させながらもアーロンは従った。初めての感触だった。
「なかなか、いいもんだろ……?」
囁くジェリーからアーロンは羞恥から目を逸らしたが、かえって二本のペニスを握っていること、お互いの興奮の証である、ドクドクした欲望の脈動をはっきりと感じてしまう。
「もっと悦くなるよ」
そうアーロンの耳に囁く。それと同時にお互いの亀頭を親指の腹で強く擦った。
「ア!んぅ、ヒッなに、こ、れぁア!んッ!」
「気持ちいい?、ふ、アーロン……!」
そうしてどちらのものか分からないカウパーまみれの鈴口にやわく爪を立てたり、ひどく擦り上げる。と同時に朱い首筋に、俯いた頬に、美しい耳の裏にキスを落としていく。そのたびにアーロンは小さく跳ねる。
「や、や!ぁう、くる、来る、う!んぅ……!」
「俺も、イキそう……一緒にイこう、ふ、うッ」
アーロンのそのなだらかな下腹部にびゅるびゅると音を立てて噴き出したお互いの精液がかかる。あまりの視覚の暴力に、にやつきながらジェリーは指で掬った。
「どっちのか、わかったもんじゃないな」
そう言ってアーロンに見せつけるように汚れた指を舐めあげる。その卑猥な動作にアーロンは頭を殴られたみたいに呆然としていた。
そのショックから少々回復したアーロンが蚊の鳴くような声で言った言葉にジェリーは驚いて眼を向いてしまう。
「あの……この先もするんなら、シャワー浴びたいんだけど」
「一緒に入っていい?」
「バッ……だめ、準備とか、あるから……」
おお神よ。アンタ、最高だ!思わず鼻息が荒くなりそうなのをジェリーはなんとか抑える。
「じゃあおとなしく待ってる」
ちゅ、と俯いたアーロンの額にキスすると、彼はバスルームに向かった。
さて。
いつも相手のシャワータイムにはどうしていたんだっけ?半分混乱しているジェリーの知能指数は激減してしまっていた。まず準備だ、とローションとスキンのパックを取り出す。置くところ……チェストはこの馬鹿でかいベッドから届かないだろう。かと言ってベッドの上に放っておいたらムードが無いと思われるかもしれない。悩んだ挙句そっと枕と布団の間に置いてそう目立たないようにしておいた。まだアーロンは出てこない。ジェリーは手持ち無沙汰でスコッチを煽った。
それにしても遅すぎでは無いだろうか?心配になりバスルームのドアをノックする。
「アーロン?」
「……ぅう」
「具合でも悪い?入るよ」
ドアを開けるとバスローブで完全防備して踞るアーロンがいた。
「どうした?何か問題でも?」
「……ある……笑うなよ……、脱ぐのが、恥ずかしい」
羞恥で首まで赤くしたアーロンの呟きにジェリーはそんなことか、と安心した。
「俺も脱ぐから、な?」
うう、と呻きながらアーロンは座り込んでしまった。
「そりゃあ君はかっこいいから……体格もいいし……」
「泣くなよ〜」
「泣いてない!ばか」
真っ赤なアーロンの顔にジェリーは手を当て、二人は眼を合わせる。
「俺は泣くかも……。幸せすぎて」
ジェリーのうっとりとした優しい声で少しアーロンの緊張がほぐれたところでジェリーはアーロンを担ぎ上げ、ベッドにそっと降ろす。
「電気……消してくれ」
「手を2回叩けば消えるよ」
怪訝な顔でアーロンが手を叩くと、確かにメインの照明は消えたが代わりにムードたっぷりな間接照明がついた。
「最高だろ?」
「もう!金持ちジョーク止めろ!」
二人で子供みたいにクスクス笑いながら抱きしめ合う。そしてジェリーはゆっくりとしたキスを薄い口唇に何度も繰り返し、アーロンの少しの怯えと羞恥に染まった美しい瞳を見つめる。
黙ってしまったアーロンのバスローブの袷に指を入れゆっくり撫で下ろす。シュル、と音を立ててベルトを解き、アーロンを生まれたままの姿にしてしまう。晒された程よく鍛えられた身体は羞恥で薄桃色に染まっている。
「やっぱり……。綺麗だ……」
「もっと若い子とか女の人に言えよ」
可愛らしく拗ねて唇を尖らせたアーロンにキスの雨を降らす。
「世界で一番、君が綺麗だよ」
「……もういい、恥ずかしい男だな君」
「もっと深く愛していい?」
そうジェリーは甘く囁くとアーロンの腰に枕を入れ、肩から小ぶりな尻へと徐々に身体を撫でていく。
「いい、よ」
許可が下りたことに内心狂喜しながら手に垂らしたローションを温める。アーロンに、最高に、気持ちよくなって欲しい。
ジェリーはアーロンの慎み深い孔に指を伸ばし、その周りをやわくくるくると撫でる。その感触にアーロンはふ、ふっ、と小さく息を零しながら小さく跳ねる。
「挿れるよ……」
「ん……」
ぐ、とスキンを被せた一番細い小指を第一関節辺りまでアーロンの秘部に挿れると、アーロンは小さく息を詰めた。
「少し我慢して……気持ちよくするから」
金色の髪を揺らしながら頷くアーロンに微笑み、ジェリーはアーロンの緊張を解そうと耳を舐め、手にはローションを足して指を深く埋めた。
「……うっ、ふ、ぅン!や、だ、それ」
「舐められるの好き?反対側もやってあげる……」
赤く火照った耳に低く声と吐息を注ぎ込むと言葉通り左耳を舐めあげる。その度に震えるアーロンに笑いながら耳朶を甘く嚙み、小さな穴に唾液で湿らせた熱い下をねじ込み、くちくちと音を立てて耳介をねぶる。それと同時にとろりと蕩けてきたアーロンの後孔に挿れた指を増やしていくと、その総てにアーロンは吐息を漏らし、身悶えする。
「やぁ、んぅうう……もう、じぇり、入る?欲しい……」
「ああ、挿れるよ……」
「はぁ、うん、ちょうだい……!!ひぅ、んんッ、う……」
アーロンは初めて熱いジェリー自身を迎え入れ、痛みと苦しさを感じたがそれを上回る幸福感に満たされる。
「はッ、はッ、は、ジェリ、気持ちい?」
「ぁあ、最高にね……。アーロンも、俺で気持ちよくなって、ね?ここ、俺のが、挿入ってる、お腹に力入れたり抜いたりしてみて……」
そう囁くとジェリーはアーロンの下腹を優しく撫でる。
言われた通りにしていると、突然アーロンの身体を快感の電流が襲う。
「や、ぁ!なに、これ、アン!へ、変、ア!じぇり……やあ!」
そう怯えるアーロンに宥める様に美しい目蓋や頬ににそっと何度もキスをする。
「もっと気持ちよくなっていいんだよ、大丈夫」
そう言われても泣き顔でビクビク跳ねているアーロンを落ち着かせようと頭を撫でる。
そうして居る内にに全身を愛撫され、うっとりと寝転がっていたアーロンは同じようにジェリーの逞しい体を撫で下ろしていき、二人が繋がっているところに指を這わせる。
「、ふ……アーロン……!」
突然怒張しきった幹を撫でられジェリーに快感が走る。
「ぁは、これ?なん、君、全部挿れてない……?ジェリー、じぇり、ね、いいよ、全部欲しい、は、挿れて、挿れて、全部、んッ」
その願いを聞いてガツン、と音がするほどジェリーは腰を打ち付けた。
「あ!は、ん!好き、ぅ、ァッ!なん、ハァ、くるし……っ!!いいぃ……きもち、じぇり!ん、は、アぅッ!」
ジェリーが熱くアーロンに囁く。
「せなか、爪立てていい、よ……」
「ん、ぁ!ぅ、ふッ……!すき、好き……ッ!じぇり、ジェリィ……」
そう言ってアーロンは手当たり次第にジェリーにキスをして、手では愛撫する。そうされるたびに甘い快感がジェリーを苛む。そうしている内にアーロンは絶頂を迎え、鈴口から熱い飛沫を吐き出した。
「おく、奥すごいの、なんでぇ……」
そう言ってアーロンはジェリーの屹立で膨らんだ自分の白い下腹部を撫でる。その様子はあまりにも扇情的だった。そしてジェリーは熱い息を吐きながらアーロンが初めての快感に慣れるまで動かず抱きしめ、所構わずキスの雨を降らせる。
「ぁッ!ふ……おっきくなったぁ……」
そう恍惚として言うアーロンは、信じられないほど美しかった。
「ゃだ、ぁ、なん、気持ち、い!よぉ……じぇりの形、ん、ふッ、すごい分かる……ひ、ン!」
「は、堪らないな……」
そう言って嫌々と頭を振るアーロンの口に深い深いキスをする。そのジェリーのキスに翻弄されながらアーロンはどうにか喋る。
「ジェリ、気持ちい?んム、あふ、……動いて、ンン、動いて、はふ、いいよ」
ジェリーは舌を絡め合うキスを続けたまま、ゆっくりと動き出した。
「きつく、ふ、ない?」
「ん……熱い……溶けそ、気持ち、い、よ……ジェリー……」
「ふっ、ふっ、はぁ、は、イキそ……アーロン、アーロン、キスしてくれ……」
髪をかき上げてジェリーが言う。
「ふふ、いいよ、君、なんか、んん、ふっ、ぁ、可愛いな……」
そう言ってアーロンは口唇を合わせ、ジェリーの舌を絡め取り口淫のように吸う。
「ゥむ、んん……、は、アーロン、愛してる、はぁッ、イきそ、ぅう、は、ンンっ!」
そう上擦った声で喘ぐジェリーは白濁を勢い良く発射した。そうして二人はベッドに仲良く沈み、荒い息を整えようとする。
「は、アーロン、どうだった?及第点は貰える?」
「ふふ、うん、初めてにしてはすごく気持ちよかったよ」
二人はクスッと笑って合わせるだけのキスをする。
「ゴム変えるの忘れてたな」
そう言ってジェリーは精液の溜まりに溜まったゴムの口を縛る。するとアーロンが蕩けた眼でそれをぷに、と突く。
「いっぱいでたね、ジェリー。なんだか嬉しいよ」
そう言って純粋そうにニコニコ笑うアーロンと似つかわしくないセクシーな動作と言葉に思わずジェリーは赤面してしまう。
「それ、反則だよ、アーロン……」
いつも自信満々で髭を蓄えて長めのゆるく波打つ髪を持った大企業のCEOを可愛いと思ってふふ、と笑ったアーロンはあくびをした。そしてジェリーにもあくびが移った。
「ん、寝よっか、ジェリー」
「うん……おやすみアーロン」
久々に本気の恋の相手と眠るのは本当に心地よかった。
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「ハイ」
「やあ」
アーロンの顔を見るのも辛かったが、憂いを帯びた彼はなんとも言えず魅力的だった。
「あれから君の言ったことを考えてたんだ」
凪いだ海のように静かな声でアーロンは話し出す。
「君みたいな偉い人が毎日コーヒーを買いに来る理由、僕に会うためにビル一棟買うなんてバカなことをした理由……。それは、……君は、僕のことが、好き、だから……?」
「一目見た時から、君に、夢中なんだ」
真摯な声で、どうかこの思いが彼に届くようにと祈りながらジェリーは言った。全身の血が頬に集まる感覚を気恥ずかしく思ったが、アーロンの頬も同じように染まっているのを見てジェリーは驚いた。
「君と僕とじゃ釣り合わないよ。僕はしがない雇われ店長だし……」
ジェリーは瞬きしてから目を見開いた。それじゃあ、釣り合えば彼は自分と付き合ってくれるのだろうか。
「じゃあ、君の望む男になればいい?」
そう言うと3万ドルの時計を外しそこら辺に捨て置く。次はルビーのカフス。それからイタリアのビスポークの靴とサヴィル・ロウで仕立てたジャケット、エルメスのタイもぜんぶ後ろに放り投げた。
「他には?」
そう言うとアーロンをがっしりとしたその長い腕の中に閉じ込める。
「君に愛されるためならなんでもする」
そう囁いてジェリーは桃色に染まった顔を背けるアーロンの顔をこちらに向けさせ、彼の額にそっと額を合わせる。
「きみは、ずるい」
「愛してる、愛してるんだ、アーロン……。君に愛してもらえるためならなんでもするよ……。明日から君のところで雇ってくれる?」
そうおどけた様に言うと、アーロンは小さく吹き出した。
「そんなことしなくても、僕は多分君を愛してるよ」
「多分?」
「そう、自分のせいで落ち込んだ君のために駆けつけるくらいにはね」
言い終わると同時にアーロンはジェリーの唇に口付けた。
ちゅ、とかわいらしい音を立てて離れようとした唇を追いかけて自らのそれでアーロンの薄い唇をやわく喰むとアーロンの控えめな舌がちらりと煽る。それを逃すはずも無くジェリーは食らいついた。存外アーロンも積極的に水音を立てて舌を絡め、ジェリーの波打つ栗毛を指でかき混ぜる。ジェリーは甘くアーロンの下唇を噛んで離した。
「嘘みたいだ……君にキスしてるなんて」
そう幸せそうにジェリーは呟くと、口づけを何度も落としながら兆し始め膨らんだ前立をアーロンに押し付ける。
「ぁ、は、……ふ、」
そうこうしているとアーロンの口から艶めいた声が漏れ出した。ジェリーは隙かさずアーロンのデニムを寛げる。アーロンは戸惑いながらも同じようにした。
「俺の握って……。そう、ぁあ……」
恋い焦がれた相手の美しい指が自身の牡を握っていることに酩酊したが、なんとか持ち直しジェリーもアーロンの緩く勃ったそれに触れ、ゆるゆると上下させる。
「んぅ……こんな、は、ふッ」
感じ入った息を零すアーロンに、もっと快楽を与えたいという欲が出る。
「アーロン……これ、両方握ってくれる?」
目を白黒させながらもアーロンは従った。初めての感触だった。
「なかなか、いいもんだろ……?」
囁くジェリーからアーロンは羞恥から目を逸らしたが、かえって二本のペニスを握っていること、お互いの興奮の証である、ドクドクした欲望の脈動をはっきりと感じてしまう。
「もっと悦くなるよ」
そうアーロンの耳に囁く。それと同時にお互いの亀頭を親指の腹で強く擦った。
「ア!んぅ、ヒッなに、こ、れぁア!んッ!」
「気持ちいい?、ふ、アーロン……!」
そうしてどちらのものか分からないカウパーまみれの鈴口にやわく爪を立てたり、ひどく擦り上げる。と同時に朱い首筋に、俯いた頬に、美しい耳の裏にキスを落としていく。そのたびにアーロンは小さく跳ねる。
「や、や!ぁう、くる、来る、う!んぅ……!」
「俺も、イキそう……一緒にイこう、ふ、うッ」
アーロンのそのなだらかな下腹部にびゅるびゅると音を立てて噴き出したお互いの精液がかかる。あまりの視覚の暴力に、にやつきながらジェリーは指で掬った。
「どっちのか、わかったもんじゃないな」
そう言ってアーロンに見せつけるように汚れた指を舐めあげる。その卑猥な動作にアーロンは頭を殴られたみたいに呆然としていた。
そのショックから少々回復したアーロンが蚊の鳴くような声で言った言葉にジェリーは驚いて眼を向いてしまう。
「あの……この先もするんなら、シャワー浴びたいんだけど」
「一緒に入っていい?」
「バッ……だめ、準備とか、あるから……」
おお神よ。アンタ、最高だ!思わず鼻息が荒くなりそうなのをジェリーはなんとか抑える。
「じゃあおとなしく待ってる」
ちゅ、と俯いたアーロンの額にキスすると、彼はバスルームに向かった。
さて。
いつも相手のシャワータイムにはどうしていたんだっけ?半分混乱しているジェリーの知能指数は激減してしまっていた。まず準備だ、とローションとスキンのパックを取り出す。置くところ……チェストはこの馬鹿でかいベッドから届かないだろう。かと言ってベッドの上に放っておいたらムードが無いと思われるかもしれない。悩んだ挙句そっと枕と布団の間に置いてそう目立たないようにしておいた。まだアーロンは出てこない。ジェリーは手持ち無沙汰でスコッチを煽った。
それにしても遅すぎでは無いだろうか?心配になりバスルームのドアをノックする。
「アーロン?」
「……ぅう」
「具合でも悪い?入るよ」
ドアを開けるとバスローブで完全防備して踞るアーロンがいた。
「どうした?何か問題でも?」
「……ある……笑うなよ……、脱ぐのが、恥ずかしい」
羞恥で首まで赤くしたアーロンの呟きにジェリーはそんなことか、と安心した。
「俺も脱ぐから、な?」
うう、と呻きながらアーロンは座り込んでしまった。
「そりゃあ君はかっこいいから……体格もいいし……」
「泣くなよ〜」
「泣いてない!ばか」
真っ赤なアーロンの顔にジェリーは手を当て、二人は眼を合わせる。
「俺は泣くかも……。幸せすぎて」
ジェリーのうっとりとした優しい声で少しアーロンの緊張がほぐれたところでジェリーはアーロンを担ぎ上げ、ベッドにそっと降ろす。
「電気……消してくれ」
「手を2回叩けば消えるよ」
怪訝な顔でアーロンが手を叩くと、確かにメインの照明は消えたが代わりにムードたっぷりな間接照明がついた。
「最高だろ?」
「もう!金持ちジョーク止めろ!」
二人で子供みたいにクスクス笑いながら抱きしめ合う。そしてジェリーはゆっくりとしたキスを薄い口唇に何度も繰り返し、アーロンの少しの怯えと羞恥に染まった美しい瞳を見つめる。
黙ってしまったアーロンのバスローブの袷に指を入れゆっくり撫で下ろす。シュル、と音を立ててベルトを解き、アーロンを生まれたままの姿にしてしまう。晒された程よく鍛えられた身体は羞恥で薄桃色に染まっている。
「やっぱり……。綺麗だ……」
「もっと若い子とか女の人に言えよ」
可愛らしく拗ねて唇を尖らせたアーロンにキスの雨を降らす。
「世界で一番、君が綺麗だよ」
「……もういい、恥ずかしい男だな君」
「もっと深く愛していい?」
そうジェリーは甘く囁くとアーロンの腰に枕を入れ、肩から小ぶりな尻へと徐々に身体を撫でていく。
「いい、よ」
許可が下りたことに内心狂喜しながら手に垂らしたローションを温める。アーロンに、最高に、気持ちよくなって欲しい。
ジェリーはアーロンの慎み深い孔に指を伸ばし、その周りをやわくくるくると撫でる。その感触にアーロンはふ、ふっ、と小さく息を零しながら小さく跳ねる。
「挿れるよ……」
「ん……」
ぐ、とスキンを被せた一番細い小指を第一関節辺りまでアーロンの秘部に挿れると、アーロンは小さく息を詰めた。
「少し我慢して……気持ちよくするから」
金色の髪を揺らしながら頷くアーロンに微笑み、ジェリーはアーロンの緊張を解そうと耳を舐め、手にはローションを足して指を深く埋めた。
「……うっ、ふ、ぅン!や、だ、それ」
「舐められるの好き?反対側もやってあげる……」
赤く火照った耳に低く声と吐息を注ぎ込むと言葉通り左耳を舐めあげる。その度に震えるアーロンに笑いながら耳朶を甘く嚙み、小さな穴に唾液で湿らせた熱い下をねじ込み、くちくちと音を立てて耳介をねぶる。それと同時にとろりと蕩けてきたアーロンの後孔に挿れた指を増やしていくと、その総てにアーロンは吐息を漏らし、身悶えする。
「やぁ、んぅうう……もう、じぇり、入る?欲しい……」
「ああ、挿れるよ……」
「はぁ、うん、ちょうだい……!!ひぅ、んんッ、う……」
アーロンは初めて熱いジェリー自身を迎え入れ、痛みと苦しさを感じたがそれを上回る幸福感に満たされる。
「はッ、はッ、は、ジェリ、気持ちい?」
「ぁあ、最高にね……。アーロンも、俺で気持ちよくなって、ね?ここ、俺のが、挿入ってる、お腹に力入れたり抜いたりしてみて……」
そう囁くとジェリーはアーロンの下腹を優しく撫でる。
言われた通りにしていると、突然アーロンの身体を快感の電流が襲う。
「や、ぁ!なに、これ、アン!へ、変、ア!じぇり……やあ!」
そう怯えるアーロンに宥める様に美しい目蓋や頬ににそっと何度もキスをする。
「もっと気持ちよくなっていいんだよ、大丈夫」
そう言われても泣き顔でビクビク跳ねているアーロンを落ち着かせようと頭を撫でる。
そうして居る内にに全身を愛撫され、うっとりと寝転がっていたアーロンは同じようにジェリーの逞しい体を撫で下ろしていき、二人が繋がっているところに指を這わせる。
「、ふ……アーロン……!」
突然怒張しきった幹を撫でられジェリーに快感が走る。
「ぁは、これ?なん、君、全部挿れてない……?ジェリー、じぇり、ね、いいよ、全部欲しい、は、挿れて、挿れて、全部、んッ」
その願いを聞いてガツン、と音がするほどジェリーは腰を打ち付けた。
「あ!は、ん!好き、ぅ、ァッ!なん、ハァ、くるし……っ!!いいぃ……きもち、じぇり!ん、は、アぅッ!」
ジェリーが熱くアーロンに囁く。
「せなか、爪立てていい、よ……」
「ん、ぁ!ぅ、ふッ……!すき、好き……ッ!じぇり、ジェリィ……」
そう言ってアーロンは手当たり次第にジェリーにキスをして、手では愛撫する。そうされるたびに甘い快感がジェリーを苛む。そうしている内にアーロンは絶頂を迎え、鈴口から熱い飛沫を吐き出した。
「おく、奥すごいの、なんでぇ……」
そう言ってアーロンはジェリーの屹立で膨らんだ自分の白い下腹部を撫でる。その様子はあまりにも扇情的だった。そしてジェリーは熱い息を吐きながらアーロンが初めての快感に慣れるまで動かず抱きしめ、所構わずキスの雨を降らせる。
「ぁッ!ふ……おっきくなったぁ……」
そう恍惚として言うアーロンは、信じられないほど美しかった。
「ゃだ、ぁ、なん、気持ち、い!よぉ……じぇりの形、ん、ふッ、すごい分かる……ひ、ン!」
「は、堪らないな……」
そう言って嫌々と頭を振るアーロンの口に深い深いキスをする。そのジェリーのキスに翻弄されながらアーロンはどうにか喋る。
「ジェリ、気持ちい?んム、あふ、……動いて、ンン、動いて、はふ、いいよ」
ジェリーは舌を絡め合うキスを続けたまま、ゆっくりと動き出した。
「きつく、ふ、ない?」
「ん……熱い……溶けそ、気持ち、い、よ……ジェリー……」
「ふっ、ふっ、はぁ、は、イキそ……アーロン、アーロン、キスしてくれ……」
髪をかき上げてジェリーが言う。
「ふふ、いいよ、君、なんか、んん、ふっ、ぁ、可愛いな……」
そう言ってアーロンは口唇を合わせ、ジェリーの舌を絡め取り口淫のように吸う。
「ゥむ、んん……、は、アーロン、愛してる、はぁッ、イきそ、ぅう、は、ンンっ!」
そう上擦った声で喘ぐジェリーは白濁を勢い良く発射した。そうして二人はベッドに仲良く沈み、荒い息を整えようとする。
「は、アーロン、どうだった?及第点は貰える?」
「ふふ、うん、初めてにしてはすごく気持ちよかったよ」
二人はクスッと笑って合わせるだけのキスをする。
「ゴム変えるの忘れてたな」
そう言ってジェリーは精液の溜まりに溜まったゴムの口を縛る。するとアーロンが蕩けた眼でそれをぷに、と突く。
「いっぱいでたね、ジェリー。なんだか嬉しいよ」
そう言って純粋そうにニコニコ笑うアーロンと似つかわしくないセクシーな動作と言葉に思わずジェリーは赤面してしまう。
「それ、反則だよ、アーロン……」
いつも自信満々で髭を蓄えて長めのゆるく波打つ髪を持った大企業のCEOを可愛いと思ってふふ、と笑ったアーロンはあくびをした。そしてジェリーにもあくびが移った。
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