むらさきの〜軸のファンアダ短文


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「戦い方が変わったか?それに随分と雰囲気も変わったな」
 常の如く悪魔達を葬り去ったアダムに顔見知りのガーゴイルが話しかける。どういうことか分からないまま黙っていると、そんなアダムを庇う様に黒いマントが翻りガーゴイルとの間に壁を作る。エリックだ。
「アダム、これは敵か?」
「違う……?はずだ」
 二人の会話にガーゴイル達は苦笑する。
「成る程、師ができたのか」
「違う。伴侶だ」
 エリックがガーゴイルの言葉を遮る様に力強く言い切る。
「エリックが言うならそうなんだろう」
「お熱いことで。それよりもお前、お前からは……。両親はいるのか?」
「いない。必要もないしな」
 そう答えるエリックをガーゴイルはまじまじと見つめ、顎に手を当てる。
「お前から同族の匂いが僅かにする。そしてこれは関係のない話かもしれないが──」
 そう言って男は人の姿から本来のガーゴイルの姿になった。その様はエリックの美的感覚で醜い、とされる見目であった。思わずエリックは仮面に手をやる。そしてそのガーゴイルが語るには人間の女に惚れ込んだ同族がおり、勢い余ってか愛し合っていたのかは分からないが禁忌を犯し堕天した者がいると言う。
「……つまりその愚か者が私を作ったと?反吐がでるな」
「まあそう言うな。もしそうならお前の寿命はその他の人間より遥かに長いはずだ。思い当たる節があるんじゃないか?」
 ふむ。そういった様子で二人は考え込む。確かに出逢ってから随分と経ったような気がするのに、エリックの容姿に衰えは見られない。
「正確には分からないけれど、アダムと共に長い時を過ごせるってこと?」
「そうだろうな。まあ悪魔共に殺されなければの話だが」
 ガーゴイル達の会話を聞き、エリックを見つめてアダムが言う。
「今感じているのはお前が教えてくれた歓喜だと思う。抱きしめていいか?」
「勿論だ。我が愛、我が全て」
 気を利かせ、去っていったガーゴイル達のおかげで深い優しく暗い森には抱き合う二人しかいない。アダムのよく鍛えられた肩に顔を埋めたエリックは、アダムに出逢うまで虐み憎んでいた己の疵を祝福だと思ったのであった。


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ジェリアロアンソロジーに寄稿させていただいたR18ファンアダです。


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ファントムに言われるままにアダムは城に留まった。そして居心地の良い寝ぐらを 獣が守るように二人の根城を悪魔たちから守ろうとし、ある晩一人で鬱蒼とした森へと入る。するとまんまと誘われてきた悪魔どもがアダムを囲む。相手は六匹だった。しかし長い年月鍛えたアダムの敵ではない。踊るように打ち殺していく。しかし。殺し損ねた最後の悪魔に後ろからアダムは刺された。深い傷だった。それでもアダムは振り返りざまにそれの頭を吹き飛ばし地獄へ送った。それからアダムは最初に城に踏み入れたときより多く赤い血を流しながら体を引きずるようにしてファントムの秘密の部屋に向かった。
「アダム!!!」
「少し、油断した……」
 ファントムはとり急ぎ治療をしながらも激高し、思いつく限り全ての言語で悪魔を罵倒する。
「どうして、そんなに、怒っている」
そう言うと彼は跪いてアダムの頬を優しく包み言う。
「かわいいおまえを殺されそうになったんだ、当然だろう、私の天使」
「……俺は化物で、天使じゃない」
そう眉根をよせて呟くアダムにファントムは薄緑に光る眼を細めて言う。
「私のために悪魔を倒したおまえはガーゴイルどもよりも、よっぽど私の天使だろう?」
微笑む男を見ていると、アダムの心臓が初めて跳ねた。それからなぜかぎゅうと締め付けられた胸に手をあてた。
 その後ファントムはアダムに美しいシルクのシャツを着せ、隠していた己の名を教え、手元に置きたがった。そうして悪魔との戦いに知らず倦んでいたアダムを甘やかす。それは迫害され続け、人間にも天使の下僕にも悪魔にもなれなず、優しくなどされたことないアダムにとって、あまりにも心地がよすぎた。
 そうして長い間屋敷にいる間、男の歌う天上の声で、オペラや、膨大な書庫にある歌のその原作やその他もろもろをアダムは値千金の声で読み聴かせてもらった。そうしてそれらを余すことなく吸収する。ただアダムには、人間の感情の機微について分からないことが多すぎた。
「エリック、なぜロミオとジュリエットは死んだ?なぜドン・ホセはミカエラを殺した?アディーナはなぜネモリーノを選んだんだ?」
 少し微笑んで親が説明するようにアダムに優しく教える。
「ロミオとジュリエットは愛したものを失ったから。ホセは愛したミカエラに袖にされたから。アディーナはネモリーノを愛していたことに気づいたからだ」
 少し考え込んでアダムは言う。
「その愛とはなんだ?」
 アダムの質問にエリックは面食らってしまう。
「おまえは愛を知らないのか?」
 少しの沈黙のあと、正直にアダムは言う。
「ああ」
 そう言うアダムの深い金の髪を梳いて悲哀に満ちた声音でエリックは言う。
「そうか。……教えてやりたいが、そうもいかない。私も愛されたことがなく、捧げた愛に裏切られたのだから。」
「……そうなのか」
 哀しみとも慈しみともとれる笑みを浮かべ、エリックはアダムの頬に手を当て言った。
「だが、……共に、おまえとなら学びたいと思うよ。美しい私のおまえ、私の守護天使」
 そう優しく微笑んだエリックは突如冷たく光るペーパーナイフを振りかぶり、己の手の甲に向けて振りおとそうと高く掲げた。
「なんて莫迦なことをするんだ!!!あんたの宝だろうその手は!!」
 握られたナイフを弾き飛ばしたアダムは悲鳴のような声を荒げる。エリックの怪我を免れた手をアダムは強く握りしめ、射るように睨む。そんなアダムに臆面もなくエリックは微笑み言う。
「これがおまえの愛だ。大切で愚かな私を守り、心配し、慈しみ、相手のために叱りつけることが出来る。これも愛の一つの形だよ、アダム」
「……俺はあんたを、愛している……のか?」
「そうさ、そして私達の根城を守るために闘う。これも愛だ」
「……あんたが俺の傷を癒すのも愛、なのか?」」
 エリックは微笑みながらアダムの口唇に己のそれを重ねた。
「今のはなんだ?」
「いとしい相手にすること、口づけだ。かわいい私のサヴァラン。お前を愛しているよ」
 エリックは微笑んで続ける。
「残りの愛は文学で謳われるような恋人たちの燃え上がる情愛だ。ロミオとジュリエットが同じベッドで過ごした時にしたように、ドン・ホセがミカエラに求めたもの。愛するもの同士が触れ合いたいと言う思いで体を重ねるのだ。そうしてふたりは一つになる。……そしておまえにその私の全ての苦悩の根源を晒してでもその尊い愛を二人で得たいと願うよ、アダム」
 そうとろけるような声で囁いたエリックの白面をアダムは優しく取りはずした。そしてアダムは作られてから初めて微笑んで言う。
「なんだ、やっぱりあんたは美しいままじゃないか」
 そうしてエリックにアダムは掠れた声で囁く。
「あんたと、繋がりたい。ひとつになりたい。他でもない、美しい魂を持つあんたと。俺にそういう機能があるのか分からないが、あるのならそうしたいし、して欲しい。これが情愛か?」
 そっと涙を零しながらエリックはアダムの顔を優しく包み言う。
「そうだよ、私が焦がれ続けたものだ。アダム、清らかな私の救い主、私の運命。共に愛し合おうじゃないか」
 切ない水の張った、蝋燭の火で燦めく眼をしてエリックは困惑した顔でアダムに告げる。
「だが私はやり方の知識しか無いからおまえを傷つけてしまうかもしれない」
 それを聞いて神妙にアダムは言った。
「俺は頑丈だから平気だ、エリック。それに、あんたに傷つけられるなら構わない」
 二人の生まれて初めての口づけは、おそるおそる、そして次第に長くなり、だんだんと二人の熱を交換していき、お互いの香りや熱い吐息が混ざるほどに全身を密着させ、ぬめる熱い舌を絡め、啄み、そして吸い上げた。お互い息がうまくできないのに、口づけを何度も交わしてどちらのともつかない混ざりあった唾液を零しながら、アダムは途切れ途切れに言った。
「にんげんは、はぁっ、ン……こんなことをいつ、も、ぁ、して、いるのか……?」
「そうさ、ぁあ……。情を、はッ、交わしたいほど、ふ、愛する相手にはね。この私に、まさか、ん、そんな……」
 そう告げながらエリックはキスをアダムの唇の端に落とし、そのまま顎のラインを舐めあげてから首筋に軽いキスを繰り返し、再び舌を這わせてから鎖骨に走る傷痕を優しく喰む。
誰かにここまで近づき、体温を感じるのは、お互いにとって初めての感覚だった。
「ンぅ、ぁ、ふ、ん、エリック、えり、身体が、あつい……、なんだ、こんな」
 そう低く掠れたアダムの声に興奮したエリックはお互いのボトムスと下着を下げ、緩く芯を持ち始めた二本の立派な性器を剥きだしにする。
「私も、熱い……これを、はぁっ、触ってくれないか。おまえのも、そうするから、アダム」
 唇を何度も柔く噛まれながらアダムは言われるままそうしようとする。しかし与えられる官能に戸惑い、エリックの懇願を叶えられないでいるアダムを余所に、エリックは二本同時に擦り上げる。
「は、アァ!それ、ひッ!なに、うぁ!んぅ、エリック、エリック……ぁア!」
「ぁあ、融けて、ふっ!しまいそうだ……私の天使、愛しい、おまえ……。」
 そう言うエリックの頑なに隠されていた側の顔に口づけたアダムの瞳は潤んで彼の顔がぼやける。そうして胸が血を流すほどに締め付けられる。この痛みが愛だろうか。この苦しさが喜びだろうか。この息もできないほどの暖かさが幸せなのだろうか。そうだといい。ぐちゃぐちゃの感情を抱えながら、アダムはエリックの爛れた頬をそっと撫でる。そうするとエリックは困ったように笑って、美しく涙を零す。どれほど迫害されたのだろう。そしてどれほど自らを憎み、怒りと孤独を生きてきたのか。異なるものを排除する狭量な人間どもの世界で。自らと同じく傷ついた、そして子どもの心のままの美しい男を思い、アダムは目蓋にそっと口付けを落とした。
そうしてアダムは掠れた声で続きをねだるエリックの額にあやすように何度も口づけ、お互いの乱れた服を取り払う。するとエリックはおもむろに組み敷いたアダムの全身にある傷を、胸から顔に流れる縫い目をゆっくりと何度も舐め上げる。そうするたびにアダムのそれは、まるで誘うように赤く染まってゆく。
「は、ぁ!えりっく、いやだ、はぁっ!それ、ぅ、止めろ……っン!」
 アダムが恥じているその傷は[何か』を感じるらしく、刺激するな、というアダムの懇願を聞く耳を持たず口付けを落としては舐めていき下半身まで続く縫い跡の愛撫に夢中になっているエリックに、アダムは未知の感覚に怯えながらもエリックを傷つけないように上等なシーツをくしゃりと掴み身をよじる。
「アダム、アダム……」
「ッ、はっ、はぁ、なに、何だ、エリック」
 エリックはアダムの頬を包めるように起き上がり、アダムの半開きの口にキスをして自ら招き入れた舌を柔く噛んで言う。
「こうすると、どう感じる?これは?」
 エリックはそう言ってアダムの雄の付け根を優しく指でなで上げると、アダムは震え言う。
「こん、ぁ、知らな、ぐ!」
 その言葉にニヤリと片頬を上げたエリックはことさら艶めいた声をアダムの耳に流し入れる。
「きもちいい、というのだそれは。言ってごらん」
「ぁ、う、……ん、きもち、きもちいい……!」
 そう零した瞬間これまでに無いほどの痺れがびりびりとアダムの身体を突き抜け大きく開いた両足のつま先がぎゅうと丸くなる。それを見て、また肌を通じて感じ取ったエリックは再び傷を舐め始める。彼の創造主が悪趣味にも潰した臍のあたりからその傷が導くまま柔らかな下腹を、そしてついには男性器の根本にある縫い目にまで到達する。
「いやだ、いやだぁ、エリック……それ、な、んン!なに、ひぅ!ア……!や、だめ、だめだ、ぁ、そんなのは……っ」
 そう泣き言を漏らし、エリックが隠していた柔らかな栗毛に指を通し頭を両手で抑えるアダムが、エリックには愛おしくて堪らない。そしてそのまま勃ち上がったアダム自身を咥え、吸い付き、キスを繰り返しては陰嚢にを喰み、口内の柔らかくなめらかな粘膜で何度も擦る。そう口淫をしているだけでエリックは自らの雄が堅く反り上がって精液とは異なる透明な液がダラダラと流れているのに気づいて言う。
「ああ、ふっ、ぅあ、アダム……お前と繋がりたい」
「俺も、したい……どうしたらいい?」
「ここに、私のこれを、挿れたい」
 そう言って貞淑なアダムの秘処を指で撫でる。
「そこはそうやって使うのか……」
 エリックの囁きにあっさりと子どものように納得し、彼が挿入しやすいようにアダムはうつ伏せる。
「いい子……腰をあげてくれ」
 言われるがまま腰を上げるアダムに、エリックは身体が震えるほど心動かされる。一生経験すること無く死んでいくという絶望していた愛の行為を、今から己を心から愛してくれる相手と行うのだ。
 エリックは香油をたらたらとたっぷりと手に取り、手のひらの体温で温める。そうしてから指にたっぷりとそれで濡らし、アダムの後孔をほぐしていく。
「辛いか?」
 途中で辞めることなどできそうにもないが、アダムを労るように言う。
「いや……変な感じがする、だけだ」
「ここは?」
 そう言って愛しいアダムの創造主の手帳に書いてあった快楽の源をそっと押す。
「っ!な、ぁ!ひっ……!そこ、ひあ!ア!エリック、えりっく!」
 その普段はけして聞けないような高く焦った声に煽られたエリックは自身を当てがうと招き入れるようにうごめくそこに当てる。と、それだけで激しい官能が襲いどくどくと濃い白濁が迸りそこを汚してしまった。己が汚したアダムの尻やそこから見え、固くなり震えている2つの袋、そしてよく鍛えられた太腿に白い飛沫がつうと垂れるのを見たエリックは強烈な羞恥にかられた。
「すまない……」
 そう謝るとアダムは首まで真っ赤に染めた顔で振り向き言う。
「いい、いいから早くしてくれ……!」
 その懇願にエリック自身は目眩を起こすほど興奮して再び堅く太くなった昂りを突き入れた。
「ぁ!はアッ、い"!ひっ、ぐ、えりっく……!!」
 アダムの苦しそうな呻きは聞こえたが、エリックに腰を振るのを止められるはずがなかった。そうして先ほど見つけた官能の水源を執拗に突く。
「アダム、アダム……。愛して、る!」
「ぁあああッ、そこ、いやだ、いゃ、だ、おかしくなるっ、んぅ!」
「はぁっ、は、ふ、アダムっ、すまな、止まら、ない……!」」
「んあああッ!ひ、だめ、気持ちぃ、えりっ、怖、こわい、ああ!ぃああああッ!!」
 そう叫ぶとアダムは腰をぶるぶるとふるわせ白い迸りを放った。その後孔の収縮に敵うはずもなくエリックは熱く長いため息と共に白濁でアダムの中を満たす。しかしエリックはそこに留まり硬さを保ったままのそれをアダムの狭隘に絡め取られる。そうしてそのまま一心にとどく限り奥の方を狙い男根で穿つ。
「ひっ!あ!アっ待て、まてっエリック、ぅ、あっ、あ、あ、アッ、あぅ、あっ、ア、あァ!」
 深い深いところに何度もキスをするようにエリックの雄に突かれ、嬌声というよりは衝撃のまま声が漏れている。しかしその声とは裏腹にアダムの体内はエリックをうねり締め付け、白濁が泡立つはしたない水音を響かせながらエリックを愛する。そうしているうちに無意識にアダムは自らのそれを何度も擦り上げて紅い扇情的なシーツに白く熱い飛沫をぶち撒け、達した。
「あぁ、はっ!はッ!アダム……!!」
 アダムの甘い甘い柔らかな肉に強烈に絡め取られ、後を追いエリック自身も信じられないほどの量の精をアダムの深いところに注ぎ込んだ。頭がクラクラする。
 エリックはアダムをひっくり返して過ぎる快感で涙を流すアダムの歯の裏側を舐め、それから尖らせた舌先で口蓋をくすぐり、お互いの唾液を交換する情熱的な口付けをした。
そうしてアダムの顎から首、鎖骨と口付けを下ろしていき、よく鍛えられた身体の見事な腹筋まで到達する。そうして赤い舌で縫い目に誘われて胸まで舐め上げ舌を離し舌舐めずりしてそこだけ桃色にふっくらとした乳暈の頂きを口に含み、何度も舐め上げては柔く歯をたて、吸い上げる。反対側の快感で赤く変わり硬く立ち上がったそれを優しく摘み上げ、かと思うと指で挟み撫でてやる。腰に響くその刺激でもう何も考えられなくなったアダムは、身体を痺れさすそれになんとかついていこうと熱く掠れたため息をつきエリックを抱き締める。それは少々苦しかったが喜びの方が勝りエリックを何よりも、それこそ高揚させ煽った。
「ぁああ……エリック……は、ぁっそれ、それいや……だ!」
「は、ふ、痛いか」
「ちが、ちがくて、なにかくる……いや、アッ!えり、いや、だ、ぁあ!」
 その可愛らしい泣き言を聞くが速いかエリックはゴツゴツとしたアダムの腰をつかみ猛り立った己で貫く。
「ぁああああああ!!!」
 アダムはその衝撃で艶やかな鳴き声を上げて身体が跳ねる。それをエリックはかき抱きそこかしこに口づけを落とす。
 そうしているうちに少し落ちついたアダムはぐるりと再び二人の体制を変えエリックの腰の上に跨る。
「あんたばっかり、ずるい……。俺にも愛させろ」
 アダムは甘く低い声で言い放つと、体勢ををぐるりと変え腰の上に乗る。そしてエリック自身を双丘のあわいで擦り上げ完全に勃ち上がらせる。そしてそそり立ったエリックの剛直を先ほどまでの行為でぱくりと開きエリックの白濁で満たされたそこで飲み込み始めた。
「あ……、ンゥ……、あ、はぁっエリックぅ……!ふとい、ッ、ひぅ!」
「無理に、はァッ、奥まで、入れなく、ン……てもいい、アダム……」
 その言葉に競争心を擽られたのか、アダムはエリックのそそり勃つそれを美しい指で支えながら、骨がぶつかる音が聞こえそうに一気に限界まで挿れ、高く切なく喘ぐ。
「だいじょう、ぶ、か、はッあ、アダム……」
「ぃあああ、ふか、深いいいいい……!うぁ、ああ!ぁ、えりっく、エリック!!」
 ほとんど叫ぶように嬌声をあげ達したアダムは、熱い吐息を整えると同じく快楽を極めたエリックを蕩けた瞳で見下ろし勝ち誇ったような様子で言う。
「これで、はッ、あ、あんたは、俺のものだ」
 むせかえるような薔薇と雄の香りの中でそう妖艶に笑うアダムは彼の言う化物は化物でもサキュバスのようでエリックはくらくらする。それはもうこのまま全てアダムに精も命も吸い取られて死にたいと思うほどだった。
「あんたに……、気持ちよくなって、ほしい、エリック……」
 アダムのその健気な言葉に煽られ、エリックがアダムの腰を掴み前後にゆすると、アダムの薄く開いた口から小さく声が漏れる。そうしてアダムはエリックの顔に近づくように身体を密着させ可愛らしい音をたて何度も何度も口付ける。その間も恍惚としてエリックは言葉を紡ぐ。
「ああ……アダム、私の救い主……愛そのもの、うつくしいおまえ……」
そのうっとりとした囁きすべてがぴりぴりとした快感となり腰をくすぐる。アダムは甘美なため息をついて天を仰いだ。
「っひ、ぅ!そん、それ……!ゃ、だめッ、んぁああああっ!いや、嫌だ、ひ、きもちい……ッ!」
 全身に鳥肌が立つほど感じたアダムをビリビリとした快感が腰から後頭部まで襲う。
「ぃああああッ!なに、なん、あは、ッんゥ!やぁ、アアアアっ!!!ひ、や、えぃ、えりっく、エリック!止まらな、溶けぅ、んあああああ!!」
「アダム……、アダム……!!!」
「やあああああ!こわい、エリ、怖ぃいいっ」
 そう声をあげ、アダムはぱたぱたと汗を落としながら一層エリックに縋り付く。
「シー……、アダム、泣くな……お前に、ん、泣かれると、こまる……」
 そうエリックは優しく言いつつも腰を振るのを止められない。こんなに熱い悦びは、知らなかった。
「はぁぁぁぁっ!」
 エリックは感極まった息をつくと、身をぶるぶると震わせ昇りつめた。下腹が熱い白濁液で再び満たされアダムはそこを愛おしげに撫でた。
「気持ちいい……あんたの愛は」
「お前の愛は優しいよ。私の天使が焦がれ続けたものをくれた……」
 そう囁き額に口付けたエリックの肩に顔を埋めると、アダムは初めての幸福で満たされたのだった。

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同じく再録本「リンカーネイション・パレード」(https://vvsm52.booth.pm/items/1453465)集録の書き下ろしのジェイジョシュ


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「やあ、救世主さんたち!」
 命からがら地上に戻り嬉しいんだかくたびれているのかまだ分からないジョシュとレベッカは、突然現れたハンサムな熊みたいな大男の熱烈なハグと握手に見舞われ、何がなんだか分からず目を白黒させてしまう。正直に言えばぎょっとしたのだ。でかい。
「おっと。ジェイク・ローソンだ。よろしく」
 その男はおどけたように笑っていう。
「"あの"ジェイク・ローソン!?」
「なんでこんなところに……」
 本当にわけがわからなかった。戸惑う二人の肩をたたいて快活にジェイクは言う。
「つれないことをいうなよ、世界を救った仲間同士だろ」
「まあ……」
「さ、その英雄譚を聞かせてくれよ」
「なるほど。それならジョシュの方が詳しいし、説明も上手なので。じゃ、あとはよろしく!」
 そう言ってウインクをして無情にも去ろうとするレベッカに行かないで!と叫びそうになる。ジョシュは人見知りのうえ、こういった押しの強い人間が一等苦手なのだ。すっかり困っているといかにも政府の人間、と言った青年がこちらにすごい勢いで向かって来て言う。
「兄さん!2人に話を聞くのは政府が先だぞ!」
「じゃあその場に居させろよ」
「できるわけないだろ!!」
 そんなジェイクの弟の悲鳴も虚しく宣言通り説明会に同席したジェイクは、ようやっとお硬いお歴々から開放されたジョシュの肩に長年の友のように手を添えて快活に言う。
「いい報告だった。流石だな!ところで君は地下の先生だろ?すまないが色々教えて欲しいんだが、いいか?」
「いいけど……。でもなんで?メイジャー・トムは墓穴なんか掘らないだろ」
「可愛い顔をして言うねえ!……真面目な話をすると、今回みたいなことを二度と起こしたくない。君もそうだろ?どうだ?君と俺なら宇宙だってこの星を中からも外からもコントロールできるようになる。そう思わないか?」
まったく、夢みたいな事を言う。でもこの男なら実現させるかもしれない。そう思わせる笑顔だった。
「分かったよ。でも機密事項って念を押されたからなぁ……。カフェで話すわけにもいかないし」
「じゃあ俺の家はどうだ?なんとか残ってるからさ。あ、でも疲れてるなら後日でも」
 あまりの圧に嫌だと言えるはずもなくジョシュは肩を竦めた。
「OK」
 そうして彼の(驚いたことに)質素なトレーラーハウスに行き、少し話をしただけでジョシュには分かった。彼は才気というギフトを授かっている。ジェイクは真に天才だ。自分は着実に物事を運ぶが、ローソンは閃きで生きている。すごい、素直にそう思った。
「ジョシュは凄いな、俺の話をすんなり理解できるやつは少ない」
 そんな自分と全く違う、しかし尊敬できる相手にそう言われるのはなかなか面映ゆかったが悪い気分ではなかった。
「もうこんな時間だ……」
「悪い、夢中になってしまった。あー、君がもしよければ泊まっていかないか?」
 それを聞いてジョシュは固まってしまった。いくら下心が無いとは言え戸惑う。
 この人は、自分がゲイだと、知らないのだ。
「いや娘さんのベッドはだめでしょ……」
「そうか?じゃあ俺のベッドで寝ろよ。俺はソファで寝る」
「ソファだとあんたはみ出るだろ。いいよ僕が、」
 なんだかんだ流されて泊まることになってしまい最初は戸惑ったが、とはいえ惚れてるわけでも寝込みを襲うわけでもなし、特にセクシャリティを伝えなくてもいいか。そう判断して遠慮なく泊まる事になったわけだが、押し切られてジェイクのベッドで寝ることになってしまった。眠いのは事実だったので早々にベッドに入った。
(あ、これあの人のにおいか)
 その晩は途方もなく暗い箱を思わせるような寝床に怯んだとは思えないほどに、よく眠れた。
それからというものの、さすがにこれが世界を、いやこの惑星自体のあり様を変えてしまった男か、という程の熱量とロマンを語りジョシュやその周りを巻き込んでジェイクはいつの間にやらジョシュに馴染んでしまった。そうして二人は議論を戦わせたり、ジョシュの勤める大学の空き部屋で怪しげな試作品を作ったりする、人が望んでも手に入らないような間柄となった。もしも二人の生まれた時代があと5年違ったら?もしもあのような大災害が二度も起こらなかったら?もしもどちらかがミッションで命を落としていたら?もしも、もしも。
「よかったのか、あれだけで」
 そう尋ねるジェイクにジョシュは少し笑ってみせる。
「いいんだ。これから迷惑をかけることになるし」
 しとりしとりと纏わりつくような雨の中、二人っきりの様な傘の中からサージの葬儀を見つめていた。
 そして葬儀が終わってから幼い娘たちを連れた彼の妻にノートを手渡したのをジェイクは言ったのだ。渡して、それだけ。ハグもお悔やみの言葉も出なかった。大切な、そして生死を共にした友人の葬儀だというのに。でもそれでいい、とジョシュは思う。今、ラッドがリークした英雄譚が世界を駆け巡り始めている。それは大混乱を引き起こすだろう。残された家族には他人の不幸を喜ぶ人間が群がるだろう。それでも彼らのしたことを世界に伝えるのは残された者たちの使命だった。しかしそれに耐えてくれ、と残された彼女らに押し付けたことは傲慢であり非道なことだとジョシュは知りすぎていた。それで何も言えなかった。ジェイクは全てを感じ取って、それでもそんなジョシュを気遣ってくれる。
「ありがとう、付いてきてくれて」
 ジェイクにそう言うと優しく笑って肩をぽんと叩かれた。それから二人は静かに立ち並ぶ墓石にたちの中黙って音も立てずに降る雨の中を歩く。ああ、この人が好きだなあとジョシュは思った。心臓に冷たさが沁み入るようだった。ジョシュにとって、彼のような男と愛し合えるようになるなどというのは幻想にすぎないのだった。
 そもそもジェイクは自分のことを弟分としか見ていない。その証拠に事あるごとにジョシュが弟ならよかった、と言うだとか、子どもにやるように頭を撫で回したり親愛の情を込めて頬を軽く叩くのだ。機械油で汚れた男らしい身体や、真剣に計算している時の精悍な顔つきにジョシュが胸をときめかせ、欲を燻らせているのも知らずに。勿論伝えない自分のせいでそれが当然だという事は分かっている。それでも、もうジョシュには限界だった。
 数日後、ジョシュはいつものように機械を弄り回しているジェイクの元へ赴いた。よお、遅かったじゃないか、なんて頭を乱暴に撫でて挨拶される。それを適当にいなしてジェイクの隣に座る。
「これは?」
 そう問うと喜々として説明しだす。この関係で満足できない自分はなんて浅ましいのだろうと胸が痛んだ。
「ジョシュ?疲れてるのか?仮眠を取ったほうが良さそうだ。俺にもベッドの端を貸してくれよ」
 朗らかに勝手なことを言うジェイクの唇の端にそっと口づけた。そう、こちらの下心など、思いつきもしてくれないのだ。
「おれはあなたの弟じゃないよ」
 そのまま振り返らなかった。それには胸が苦しすぎたのだった。

拍手[1回]

あの口付けの後、姿を見せなくなったジョシュについてぐるぐると考えたが埒も明かずジェイクは彼の研究室を訪れた。扉を開けると、憔悴しきった様子のジョシュはぽかんとした顔をして俺を見た。それからボディに衝撃をうける。
「くましゃ!!!!」
 ジェイクにタックルをかましたジョシュがわけのわからないことを叫ぶが、周りはこの奇行に慣れているのか誰も彼に説明してくれない。まあ自分の周りでもよくあることだ。
「教授、これはローソンさんですよ」
「ほんとだジェイクのにおいするー」
「先生ぇ!あとちょっとじゃないですか!!仕上げましょっ、ね!くまさんもそう思ってますよ!!」
 状況から察するに俺をもふもふしている大先生の論文だかなんだかの締切が迫っているようだ。とジェイクは納得した。まあよくある話だ。
「くまさんはそんなこといわない!ねっ」
 徹夜続きなのか目元が赤いジョシュには可哀想だが周りの縋るような視線が刺さる。しょうがないのでなんとか宥めることにする。ジェイクは娘にもしたことがないような口ぶりで言い聞かせる。ハンナはあっという間に大きく賢くなってしまい、必要なかったのだ。
「もうちょっと、頑張れるかな?」
「……だっこしてくれたらやる」
 神よ。殺人的に可愛らしいジョシュを膝に乗せてPCに向かわせると、もとが優秀な彼らしくものすごい勢いで書き上げていくのを見る。ああ、参った。この青年が可愛らしくて可愛らしくてたまらない。構い倒して護ってやりたい。あの口付け以上を望まれてるなら叶えてやりたい。そう想ってジェイクは膝に乗せたジョシュに腕を回してあっちこっちに飛び跳ねた髪の毛に鼻先をそっと埋めた。
 そうしている内、なんとか形になったところで完全に電池の切れたジョシュの代わりに保存してやってデータを渡した。口々に感謝を述べられたが君らまで俺をくまさんと呼ぶのはどうなのか。とまあそんなこんなでジェイクは静寂の訪れた部屋の仮眠用ベッドにジョシュを運んだ。
「ん、起きたか……?」
 穏やかな寝息につられてうとうとしていた目を開き声をかけると、目を丸くしてこちらを見ていた彼はびゃ、とネット動画によくある驚いた猫みたいに飛び退る。慌てて落ちる直前でキャッチして膝に乗せた。
「ほわ……?ぇ……ジェイ……?いつから??え?」
「最初にくまさんが来たときから俺で、抱っこして作業したときも俺、ジョシュが寝ようとしたら疲れマラが痛くて寝れないって泣いたから擦ってイかしてあげたのも俺、そのあと布団になってたのも俺だよ」
 そうジェイクが言ってやるとますますパニックに陥ったらしいジョシュをベッドに沈めてできるだけいやらしく囁く。
「もう一つ覚えてるか?目が覚めたら抱かせてくれるって約束したの」
 可哀想なほど目を白黒させているジョシュに苦笑してそっと覆いかぶさっていた身体を起こそうとすると引き止められた。そうして目元を真っ赤に染めて小さな声で尋ねられる。
「じぇいく、おれで勃つの」
 我慢させまくっていた相棒に止めの一撃を加えられ、ジェイクは無言でジョシュの太腿に固く張り詰めだしたそれを擦り付ける。びくりと身体を震わせたジョシュは美しい瞳を揺らめかせ、紅い舌で薄い唇を湿らせると言った。
「それ、……舐めたい」
 正直限界であった。
「……だめ」
「なんで?」
 そんな無垢な少女のような眼で聞かないで欲しい。ジェイクは妙な罪悪感に襲われる。
「なんでってここ構内だろ」
 そう言うとジョシュは腕を伸ばしてサイドボートのスイッチか何かを叩く。するとドアのロック音と共にカーテンが降りる。よほど変な顔をしていたのかジョシュが言い訳のように言う。
「ほとんどここに住んでるのしってるだろ、……防音にしてんの」
「なるほどね」
「舐めていい?」
「ああもう、わかったよ!好きにしろ」
 子供みたいな調子のくせに色めいた目つきに抗えなかった。どうも調子が崩れる。とは言え(だいぶん)年上の矜持でどか、とジェイクはベッドに座り直した。そうすればジョシュは嬉しそうにその股座に位置を変え、嬉しそうに笑って唇を少し舐め上げた。その様子に、とんでもなく欲情した。
「ふぅ、ッ……、はぁっ……」
 ちろり、と尖らせた舌で亀頭を舐めてからそれを少しだけ口内に含む。柔らかく内側が紅く染まった唇で張り出したそこのくびれをそっと締め付ける。性的なことなど全く考えたこともない様なジョシュが。思わず熱い息が漏れる。それに気を良くしたのか眼を嬉しそうに細め、ぱくりと唾液まみれの滑らかな咥内に更に迎え入れられる。そして聞くに堪えないような卑猥で淫らな水音を立てて頭を上下させる。
「んゥ……、ン、ふゥ、ん、ん……」
 そう甘く鼻を鳴らしながら舐め、喉奥まで咥えてもとどかない根本はその美しい指で扱かれ、さすがのジェイクでも長くは持ちそうになかった。
「はぁッ、ジョシュ、ジョシュア……そんなにしたら、ン、すぐイッちまう……」
「んぁ……、いい、だして……欲しい……」
 とんでもなく魅力的な誘いにくらりとしたが、可愛らしい赤くなった鼻をちょっと抓んで笑って言う。
「だめだ。おじさん一回出したら寝ちゃうぞ」
 むう、と唇を尖らせたジョシュだったが、気を取り直したのか今までが信じられない程恥じらいながら言った。
「じゃあ、その、挿れてくれる?」
「……そうしたいのは山々だがそう簡単にいかないだろ?」
 するとぐるりと体勢を入れ替え、腕を伸ばしたジョシュがヘッドボードの引き出しを開けるとゴロゴロとローションやらスキンやらがでてきた。
「誰だってい、息抜きくらいするだろ!」
 よほどジェイクが驚いた顔をしていたのか、照れてぷんすかするジョシュはそれはそれはかわいいかった。
「最高だな。今度見せてくれ」
「ばか。スケベオヤジ」
 憎まれ口を叩くその口にキスしている間にジョシュは青いスライムのようなカプセルを体内に入れた。少し顰められた眉がたまらなくそそる。
「これ、で、すぐやわらかくなるからちょっと待って」
 全く、科学さまさまである。指にとろりとしたローションのたっぷり付いたスキンを被せ、再びベッドに沈めたジョシュの尻に指を侵入させると、びくりと身体が反応した。
「悪い、痛かったか」
「べつに、大丈夫」
 そう言うジョシュの脚を開かせて、ジェイクは自分のものにもスキンを装着して白い腿に口づける。
「挿れるぞ」
「ん……」
 ぐぐ、と客観的に言って大きい自分のそれをジョシュの狭隘に埋めていったが、正直に言ってまだキツかった。しかしジョシュがあんまりにもそこを見つめるものだから後にも引けず、ローションを足しながらゆっくりと腰を進める。そうこうしているうちに中にすべて納め、ジェイクが一息つくとジョシュの薄い下腹が震える。痛いのだろうかと顔を覗き込んで息を呑んだ。
「じぇいく、ジェイク、おれのこと、好きになって」
 そう涙をぽろぽろと零しながらジェイクに腕を伸ばす。こうなってまで愛を乞うジョシュがあわれでいとおしくて額に小さくキスをする。それから唇、右頰、その反対側も。その間々に好きだ、愛してると言ってやるとジョシュの涙が途切れてくる。真っ赤になった形の良い耳と鼻先を少し啄んでまた唇に口づける。
「ん、ゥ……、はふ、そんな、うそ、うそ、ジェイクひどい」
 潤んだ蒼い瞳で非難する言葉とは裏腹に、ジョシュの中は喜んでうねりながら奥へ奥へとジェイクを誘う。そのあまりのいじらしさに微笑んでしまう。
「馬鹿だなぁ、ジョシュア。愛してないのにこんな事するほど不実じゃないぜ、俺は」
 おいで、とジョシュの身体を抱き上げて膝に乗せる。自重がかかり、ジェイク自身を更に深く咥えこんでしまったジョシュは声も上げられずひゅうひゅうと呼吸をするのでいっぱいいっぱいだ。が、胸の辺りまで感じ入った色に染まったその身体にジェイクの我慢は限界だった。
美しい腰骨を掴み前後に揺さぶると、直ぐに反応した狭隘の激しい蠕動にすべてを持っていかれそうになり、身体を丸めたジョシュの肩に顔を埋め耐える。
「ひぁ、……あ、う、すご、じぇい、ああ……!ひぐ、ンぁあ!」
「かわいい、ジョシュ……。なぁ、キスして、くれ、ジョシュ」
「ふぁ……、んん、ぅン、はぁっ、ンン……」
 言われたとおり必死に口づけてくるジョシュを抱きしめ、足の筋肉とベッドのスプリングを使い奥深く穿った。
くぅんと子犬のように鼻を鳴らしたあと、身体を震わせながら放心しているジョシュにやりすぎかと反省しつつそっとベッドに横たえる。そうしてから未だに熱く柔く締め付けるそこから自身を抜こうとした。しかし。
「ぁめ……、だめ、でちゃやだ、じぇいく……」
 なんてことだ。その言葉と連動した後孔の入り口のきゅうと締め付けられ、ジェイクはみっともなく射精した。
妙な悔しさを感じつつもずるりと引き抜いたジェイク自身から雑にスキンを取り、口を縛って放り投げる。その動きを見ていつもより深く色づいた瞳をきらめかせてジョシュはうっとりと呟く。
「すごい……、おれでイってくれたの」
 まったく。どれだけ健気なのか。そんなジョシュを後ろから抱きしめるとジェイクは共に横臥してジョシュのすんなりとした片脚を持ち上げ開かせる。そうして信じられないほど奥まで侵されたジョシュは強烈な快感に襲われたようだ。小さく悲鳴を上げ快感から逃れようと身悶えするジョシュに煽られ、その上半身を上に向かせる。そうしてゆるゆると腰を動かしながら、初めて感じる痛いほどの甘いしびれにぽろぽろと涙を溢すジョシュに覆いかぶさり口付ける。お互いに苦しい体勢なのに、むさぼるように舌を絡めて熱い吐息を、唾液を交換するのが止められない。
「んん、ふ、ぁ……ン、ぅ、じぇいく……」
「もっと呼んでくれ、ジョシュ」
「ジェイク、ジェイク……すき、好きだ、ジェイク……」
 恍惚とした顔でそう言うジョシュにジェイクは何度目か分からないキスを落として抱え直す。そうして右手をジョシュの指に絡めると、空いた手で薄く紅い唇を喰みながらローションで滑る指で乳暈を撫で硬くなった尖りをいたずらに挟み、それから摘み上げる。
「あ、はぁっ、だめ、だめ、それ、あぁ……、ひ、ぅ、じぇいく、んン!」
「かわいい……、綺麗だ、ジョシュア……」
 耳に吐息と共に囁かれ、射精した後でもうこれ以上の快感は受け止められないというように、ジョシュはジェイクの身体から逃れようとうつ伏せて躍起になる。しかし弱々しく身悶えする様は官能に苛まれていることを如実に語るだけで、それはいたずらにジェイクの興奮をかきたてるだけだった。その衝動のままにジョシュの腰を掴み尻を高く上げさせ舌舐めずりをする肉と肉とがぶつかる音がいやがおうにも頭に血を上らせる。ジェイクは先ほどとは違い高速で出し入れし、限界であろうところを何度もノックする。その度にジョシュがあげる甘い悲鳴は美しかった。

 その何日かあと、二人は黒い石版の前に立った。そのあまりにも大きな御影石には無数の数えきれないほどの名前が刻まれている。ダッチボーイが引き起こした災害で亡くなった慰霊碑であった。
 その磨き上げられた表面をするすると撫でながらジョシュはジェイクと共に歩く。耳鳴りがするほどに空気が澄んでいる。
 救えなかった人々。救えたかもしれなかった人々。ジョシュが食い止めたあの異常気象で死んだ人々の慰霊碑も立つだろう。そこにはもちろんチームの皆の名前も刻まれる。起こり得なかったことを悔やんだり思い悩むことは何の意味も持たない。しかし、それを知った上で全てを背負い生きていく。手を取り合えばあまりに重い業も、少しは軽くなるだろう。一人ではなく二人でなら。


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マシュマロでもらったリクのジェイク(ジオストーム)×ジョシュ(ザ・コア)のえっちなやつ
リクありがとうございました!



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「空を見上げろよ!宇宙にはロマンが詰まってるだろう?」
「それを言うなら地下だね、宇宙なんかスカスカじゃないか!ごめんだね」
 妙に馬が合い友人となったジェイクとジョシュはそんなふうに軽口を叩きあって酒を酌み交わして機嫌よく解散するつもりだった。だのに。


「ぃ、たぁ……ッ、くそ、このデカチンがぁ、んあぁッ!」
「そりゃ、はぁっ、悪うございました……ッ、すぐ悦んでこいつに夢中になるぜ……」
 ジョシュの尻を揉みしだきながらそう言うとジェイクは誘うように突き出された胸の突起に吸い付く。これまでで一番甘く大きな嬌声を上げたジョシュの狭隘はそれまで拒むように締め付けていたジェイクのものを奥へ奥へと誘い甘くうねる。
「あぁ、ッやだ、や、深いぃ……!ひ、ン!じぇいくじぇい、アン!」
 そう泣き言を言うと、ジョシュはジェイクに縋りつく。そんな愛おしい様にジェイクは頭がクラクラするほど興奮してジョシュをベッドに沈めると、長大なそれを熱くうねる狭隘に一気に収めた。
「ひぁあああああッ!」
「は、すげ…………、ジョシュ、動くぞ……!」
「ぅ、あっあっあ、ひぁ、ン!だめ、そ、そんなっしたらぁ、ッ!」
「はぁっ、柔らかくなった、ふ!よくなった、ろ」
「は、ひン!知らな、ひぁあッ、や、ぁ、ン!うぁ、はあっ、あ、あ、んッ、アァ……!」
 好き勝手に揺さぶられて孔内の熱く震える壁をこすられ、目眩のするような感覚に襲われるままに声を上げる。そうしてジョシュはその端正な顔を快感で顰めるジェイクを見やった。まさかこんな事になるなど思いもよらず、ジェイクの両肩でゆらゆらと揺れる自分の足はなんだかとても不思議な感じがした。そう潤んだ瞳で茫然としているジョシュに気を損ねたのか、ジェイクはジョシュにきつく腰を打ち付け、その衝撃に合わせて上がるジョシュの甘い悲鳴ににやりとして言った。
「集中しろよ」
「んぁ、ぁ……!おまえが、下手、くそ、だからだよ……っ」
「本当に?こんなになってるのに?」
 そう意地悪く言うとジェイクはおもむろにジョシュの細く引き締まった足を掴み、大きく開いてみせた。
「ぁ、うそ、うそ」
 ジェイクによって晒されたそこは、暗い金色の下生えから薄く筋肉のついた腹まで、自らが絶え間なく吐精していたために白く汚れていた。
「分かるか?ここまで入ってる」
 トントン、と濡れた薄い下腹を指先で叩かれて頭の後ろがじぃんと痺れる。
「は、エロい顔…………」
 そうぎらついた目で見られ、ジェイクが自分に欲情していることを改めて思い知り、ジョシュは長くすんなりした四肢をばたつかせてその視線から逃れようとする。
「こら、逃げるな」
「や、なん、や……、ひぁああーーッ!!」
 桃色に色づいた身を反転させたところで太い腕に捕まり、指の跡が残るほど強く腰を掴まれて深く深く穿たれる。その強すぎる刺激に細く高い声を上げ、ジョシュは絶頂を迎える。そうしてしばらく硬直したあとだらりと身体を弛緩させ、かわいそうなほどに身体を震わせながら放心している。しかしそんなジョシュの姿にジェイクは言いようのない高ぶりに襲われてしまう。
「ジョシュ……」
 技術屋を目指すジェイクのかさついた親指が少し開いた下唇を撫ぜる。その優しい気持ちよさにうっとりとしてジョシュはそれをそっと囓る。
「ジェイク、おれでイけよ」
 カッと目の前が赤くなり、ジェイクはその激情のままに腰を打ち付ける。
「ぁは、ッあ、あっあ、ぁあっ、あ!ひぁ、ジ、じぇいく、ア、待って、まっ、ゃ、あァ!」
 断続的な声しか上げられないジョシュは、眼の前の分厚い肩に腕を廻して汗で濡れた金色の頭を埋める。その小ぶりな頭がいやいやをするように揺らされるのを感じるものの、駆り立てられた若い雄が止まれるはずもなく淫らな音を立てながら一心に抜き差しする。
「ふっ、……あぁ、はっ……、ジョシュ、も……、はぁっ、出すぞ……!」
「ん、んっ、ふぁ、だして、ジェイク……っ!」




 気怠い眠気にまばたきを繰り返すジョシュの隣にジェイクは片肘をついて寝転がる。
「……なんだよ」
「こういうの、よくあるのか?」
「あるわけないだろ」
 ジョシュはそう鬱陶しそうに言い放ち眉を顰める。しかしそれにもめげず、ジェイクはふうん、と鼻を鳴らすとにやっと笑って言う。
「じゃあ俺は特別なんだな」
「……知るか、ばか」
 そう拗ねたように言うジョシュに足蹴にされても、ジェイクのニヤニヤ笑いは消えなかった。



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マーベリクスのフロスティ×ラムダイアリーのハルくん
フロスティにべた惚れハルくんのお話し
なんかハルくんごめんな……
時系列とか細かいことは考えてないで原作から離れて読んでね!



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 あのゴタゴタの後、すっかりプエルトリコに嫌気の差したハル・サンダーソンは、生まれ故郷のアメリカへさっさと引き上げた。そうしてフロリダのなかなか瀟洒で手頃な――ハルにとっては――コルビジュエ風の屋敷を買い、そこに住むことにした。
 とはいっても多少手を入れようかと思い、手始めに選んだのは古びた納屋だった。そうして解体業者がやってきた。
 そのリーダーは野性的な、しかしどこか繊細な印象を与える巻き毛の美丈夫で、そう、端的に言ってしまえばハル好みの男だった。
「初めまして、サンダーソンさん」
「ハルでいい」
「じゃ、俺のことはフロスティと。納屋の解体?」
「ああ、ただ他のものも頼むかもしれない 。もちろん料金は払うよ」
 と、ハルは大抵の人間を魅了する微笑みを見せた。
「了解、ハル。早速仕事を始めるよ」
 しかしそう言って笑ったフロスティの笑顔は自分のものよりよっぽど人好きのするもので、それを見たハルは必ず彼を手に入れようと思ったのだった。
 少しずつ声をかけて、ハルの思惑通り二人は気楽な友人のような関係を構築した。そして事あるごとにその美しい手指でいやらしくならない程度に二の腕やガッシリとした太ももに手を当てたりしてみる。するとフロスティは嫌な顔もせず、あまつさえハルにも同じように触れてきた。なんだ、簡単じゃないか。後ひと押しだ。

 その後しばらくしてハルはフロスティを邸内に呼んだ。
「ハル?どこだ?」
 自分を探す声を蕩けた頭で認識する。
「は、こういうこと……あんたほんとに悪趣味だなっ!」
「アアっ!そこ、ンン……!ふ、ァ、もっと……!」
 そんな嬌声を部屋の外まで聞こえるように上げる。すると少し開けていたドアが開いていった。
「ハ、ル……」
 フロスティの目はハルの扇情的な痴態と、ドアに向けハルを膝に乗せ、ハルの身体を貫いて奉仕している男を見て固まってしまう。それは髪こそ短髪だが、己にそっくりな男だった。
 しかしフロスティは気を取り直すとつかつかと歩み寄って自分を見てずるりとペニスを抜いたハルを引き寄せ、ハルはされるがままフロスティにしなだれかかる。
「なに、……?」
 甘い蜂蜜のような声と快楽で焦点の合わない眼で尋ねる。そんなハルの肩を押して、フロスティは少し眉根を寄せつつも無感情に言う。
「あんたはもっと自分を大切にすべきだ」
 そうしてさっさと帰って行ってしまった。ぽかんと口を開いてハルが突ったっていると後ろから笑い声が聞こえる。振り返れば先ほどまでの情事の相手が楽しそうに声を上げ笑って言う。
「あんたが振られるところを見られるなんて、光栄だな。初めてじゃないのか?」
「うるさい、とっとと出てけよ!」
「ハイハイ、女王陛下」

 それからというものフロスティは仕事こそすれ、ハルに確認を取らなければいけない時は部下をよこす程にハルを無視した。
 それは思っていたよりもハルにダメージを与えた。会えない日々はベッドから降りることすら億劫で、食事もほとんど取らなくなった。どうも、信じられないことに、あの男に心底惚れてしまったらしい。ハルは毛布を頭から被って思春期のティーンみたいに呻いた。

「ハル」
 そんな生活が続いていたある日、勝手知ったる様子でハルの部屋に入ってきたフロスティをハルはじろりと睨む。
「なんでお前が……」
「あんたの見舞いだって言ったらメイドさんが入れてくれたよ。彼女心配してたぞ。何も食べてないって?」
 そう言って男っぽい指の背でハルの頬を撫ぜる。
「少し痩せたか?」
「関係ないだろ」
「ふは、俺に会えなくてこうなったのに?何か食えよ」
 久しぶりに見たフロスティの笑顔になんだかむず痒いような気がして、からかってやろうと思った。信じられないことに照れた事実から目を逸しただけかもしれないが。
「食べたくない」
 フロスティは肩を軽く竦めて部屋に銀食器に飾られたフルーツの山からマンゴーを取り上げるとハルに見せつけるように銀のナイフで赤く熟れたそれの薄い皮を剥ぎ、喰らいつく。そして生唾を飲んだハルに、その溢れんばかりの果汁と共に南国の恵みを唇を合わせ受け渡す。そしてハルが飲みきれなかった甘露を太い親指で拭い、べろりと舐め上げた。
「ファックする?」
 そんな官能を煽るフロスティにハルはつい口走ってしまう。抱かれたい、その一心だった。
「いや、まずお互いを知らなきゃな」
「?」
 首をかしげるハルにフロスティは子どもに言うように笑った。
「友達から初めないと」
 友達。ビジネス抜きの友達とは何をするのだろうか。
 そんな悩みを抱えつつも中々良好な関係を築いていたある日、この辺りの事を教えてくれないかと水を向けると迷惑そうな素振りも見せずフロスティは楽しそうに話し出してくれた。それを話半分に聞きながらあまり物欲しそうにならないように留意しながらフロスティの体つきを褒め、サーフィンで鍛えられたのかな、と朗らかに言ってみせる。
 そんなハルの下心など知る由もなく、波には乗らない、そう静かな声で答えたフロスティをそんな海で作られた身体をして?そうからかおうと見やる。すると彼は左手の指輪を見つめ、視線を映し透徹とした目で海を見ていた。辛気臭い話は懲り懲りだった。
「来て」
 ハルはそう言うと振り返りもせず歩きだす。裏庭に隣接する海の桟橋へ行き、瀟洒な真新しい白いボートにフロスティとともに乗り込んだ。そうして二人は言葉も交わさずに沖へ出た。
「こうやって波に揺られるのも悪くない、だろ?」
 そう微笑みかける。
「ああ……。悪くない」
 そうして掟を破ったフロスティと、それを勧めたハルは静かに酒を飲み交わす。
「ありがとう、ハル」
 ぽつりとフロスティは言った。ハルは片眉をひょいと上げて言う。
「礼を言われるようなことは何も」
「それでも。そう言いたかった」
 フロスティはハルのグラスを取り上げて微笑む。唇を寄せたのはお互いにだった。

 彼に抱かれるのはまるで海に抱かれたみたいだった。

「まだ寝てていい」
 そう言って笑いかけるフロスティの傍らに座り、夢現のハルは頭を預けてぽつりと言う。
「このままいられたらいいのに」
 そんな夢のような事を言うハルに優しくフロスティは言う。
「次は食料を買い込んでおこう」
 次があるのか。そう思うとなんだかむずがゆい心持ちがした。

 そうこうしているうちに屋敷の諸々の工事が終わり、ハルは知り合いを呼んで屋敷のお披露目パーティーを開いた。と、まあ、それはフロスティをお披露目する口実であったのだが。
「俺は場違いじゃないかな?」
 そういつもと違いいいスーツでドレスアップした、客の全てが振り返るような男ぶりのフロスティはおどけて言う。
「まさか!君は客のリストで一番目だよ」
 そう言ってハルはチェシャ猫のように笑い、可愛らしい飾りのついたブルーのカクテルを飲んだ。
「あれが今のお気に入りね。俺の代わり?そっくりじゃないか」
 別室でハルを壁に追いやり、以前情事を見られた相手の男はにやついて言う。確かにその男はフロスティによく似ている。
「さあね……どうだと思う?」
「またそうやって。ハルが素直なのはベッドの中だけだな」
「じゃ、今回も聞いてみる?」
 そう言ってハルが上目遣いで微笑むと、男に口付けられた。すると。
「ハル」
「やあ」
 その男の腕の中からするりと逃げ出して、部屋に入ってきたフロスティの方にハルは向かう。フロスティの自分を見る眼光に男は小さく両手を挙げて退散した。
「フロスティ?」
 ハルの声が聞こえなかったようにフロスティは高級なソファにハルを突き倒す。そして自分を静かに見下ろす瞳に、ハルは震えが来るほど感じた。
 だというのに。
 フロスティは服を中途半端に脱がせたハルの健康的に焼けた肌と本来の肌の色の境目や程よく鍛えられ柔らかい胸の周りを撫でまわしては唇でくすぐる。そんな小さな官能を与えるだけで決定的なものを与えない。
「はぁッ、そんなの……!」
 苛立たしげに言い唇をを近づけるがフロスティは巧みに顔を逸らした。
「なんで……?」
 フロスティは右の口端を挙げて言う。
「どこかの馬の骨とキスした後に?ご免だな」
 その言葉はまるでハル自身が汚いと言われたようでハルの脳髄は痺れてしまった。なにせ今までどんな状況であろうとハルはそんな事を言われたことは無かったのだから。そんな扱いを受けてハルの官能的な疼きは治るところを知らず、思わず悪態をつく。
「くそ、じゃあ早く挿れろ……っ」
「駄目だ。きちんと準備しなきゃな」
 耳元でいつもより低く、色めいて掠れた声で囁かれハルの腰はじぃんと痺れてしまう。しかしその余韻を味わう暇もなく望んでいたものとは違う快感がハルを襲う。見ればフロスティがハルの胸の突起に吸い付いている。いやだ、と甘い声で言いながらもフロスティの巻き毛をくしゃくしゃにかき乱しながら胸を押し付けてしまう。ふ、と彼の口から漏れた笑いを含んだ吐息さえもが感じる。片方では痛みを感じるほどに吸われ、もう片方はそうっと乳暈に沿って撫でられて頭がおかしくなりそうだった。と同時にフロスティのいつのまにか湿らせた太く熱い指はハルの秘所を無遠慮に撫で回す。
「ア……!や、ン!はっ、ふ、ぁ、はやく、……」
「入れるぞ」
 ごつごつとした太い指が挿入される感覚にハルは声もなく美しい金色の髪をフロスティのがっしりとした肩に埋める。その間にも次々と与えられる違和感さえもがハルを煽る。
「ん!あ……ゃ、だめ、も、ダメ、ゃ、ア!そこ、ンあっ!だめ……!はやく挿れ、んン!」
「もう?」
「うるさ、……あッ」
 ずるりと腹から何本かの指が引き出され、それを惜しいというように収斂したハルの後孔をフロスティは勃ち上がり透明な雫を溢す自らの剛直で撫でる。
「ひぁ、ぁ、そぇ、欲し、ーーーーーアァッ!!」
 望みどおり与えられたフロスティのそれの張り出された部分がハルの快楽の源を責め、悲鳴をあげる。それに気をよくしたのか、フロスティは狭隘の浅いところを何度も何度も擦り上げる。
「や、ぁ、や!それ、ばか、来ちゃ、あぁぁあッ……!」
「は、っ、ハルは感じやすいな」
「ちが、こんな、ぁ!こんなの、おか、おかしい……ッ、知らな、あァ!」
「……っ、奥まで挿れるぞ」
「ひぁぁ……、だめ、んッ!はぁあ……っ、イッて、いッて、ん、のにぃ、ひ、あぁぁああ……ッ」
 宣言通りに腰を大きくグラインドさせたフロスティは、脚をガクガクと震わせているハルの首筋に頭を埋め、鎖骨に口付ける。
「はぁッ、熱い……な」
「ぁあッ、ひぅ!も、やぁ、あ……!んぁ、やあぁ、ふろ、ふぉすてぇ、キスしぇ……ほしい、ほしい……!」
 普段の余裕はどこへいったのか、ハルはフロスティのやわらかなざらつく唇と熱い咥内が欲しくてたまらず懇願するのに、当人はと云えば意地悪に焦らすだけだ。それだというのに下半身では快楽でくねる腰の奥までハルの感じる全ての処を執拗に、そして的確に責めてくる。
「キスしてほしいか?……ハル」
 こくこくと涙をためながら必死に頷くハルにフロスティはハルの赤く染まった薄い唇を自らのそれでそっと擽り、勝ち誇って言う。
「なんて言えばいいか分かるだろう?」
 そうして絡ませた手の甲にキスをされてぐずぐずに蕩けたハルは甘ったれた言い方で言葉を紡ぐ。
「はるはぁ、……、フロスティのだから、きすして……!!」
「よくできました」
 そう言うとフロスティはハルを抱え上げ、たん、と身体と身体がぶつかる音がするほど深く深くハルの身体を沈め穿つ。ハルは声も出せず痙攣したようにぶるぶると震え、一気に弛緩してフロスティにしなだれかかると蕩けきった眼を空に向ける事しかできなかった。
「ハル……、イッたのか?……かわいい、かわいいよ、ハル」
 フロスティは陶然としているハルを愛おしげに撫でて言う。そうしてハルが望んでいたとおりに薄く開いた唇に再び口付けられる。咥内と狭隘の一番感じる奥を分厚い舌と立派すぎるほどの牡で蹂躙され、とろとろに蕩けてしまったハルの窄まりはいやらしくキュウキュウとフロスティのそれを締め付け蠢く。
「こら、ハル、はっ、そんなにしたら息ができない」
「や、んぅ、は、ふろすてぃ……気持ちい、もっと……、ん、はぁッ、ふろすてぃ、ふろすてぇ……」
 そう官能で蕩けきったハルは夢中になっていた口付けの間に言うとぐ、と下腹に力を入れフロスティ自身を刺激した。
「ん、……はッ、悪い子だな、ハル」
 そう囁き終わるのすら待てないといった勢いで再び唇に吸い付かれる。キスを繰り返してハルの薄い唇が紅く染まるのがフロスティのお気に入りだ。
「ん、ハル、ふ……、出すぞ……!」
 口づけのみだらな水音の間にそれを聞いてハルは何度も頷きながらフロスティの分厚い背中にまわした腕に力を入れ更に密着する。
「ぁふ、ふろすて、ふろすてぃ……、ンン!ぁあ…………」
 びゅくびゅくと音が聞こえそうなほど長い射精をするフロスティ自身の脈動を感じてハルの頭は真っ白になった。




 薄いレースのカーテン越しにマイアミの強烈な日差しを受けてハルは眉間を顰めながら起き上がる。
「もう昼飯の時間だけどどうする?パンケーキくらいなら俺でも作れるけど」
「…………たべる」
「いい子だ。立てるか?」
「た、立てる!!っ、ふぁ……」
「ここで食べる?ダイニングまで行く?」
「行く……」
 フロスティの言葉にそう答え両腕を伸ばすと、ハルは軽々抱き上げられる。
 そうしてフロスティに抱えられて入ったリビングは昨夜のパーティー客のお楽しみで凄惨たる状況だった。

「うちは娼館じゃない!!!」
 そうすっかり怒りで元気になったハルに叫びながら追い立てられて出ていく奔放な客たちほぼ全員に、意味ありげな笑みを向けられてフロスティは肩を竦めた。ハルのあんな嬌声を聞いてはあてられても仕方ない、といったところか。他人にあれを聞かれたのは少々癪ではあるが。
「もうあいつらは二度と呼ばない!!」
 湯気が出そうなほど怒っているハルの機嫌をこれ以上損ねないように内心だけで笑ってフロスティは話しかける。
「フルーツを乗せる?」
「フルーツはヨーグルトに入れる」
 そう言いながら少し落ち着いたハルはフロスティに後ろから抱きつく。
「シャワーでも浴びておいで」
 あ、と開いた口にフロスティは混ぜたてのパンケーキの生地を指で掬って差し出す。するとハルは可愛らしく咥えたかと思うと、べろりと性感を煽るように舐め上げ、指の根元まで咥えて吸い上げる。
「一緒じゃないといやだ」
 そんなワガママにさえ嬉しそうに笑うものだから、ハルはなんだか妙な心持ちがした。おかしな男に惚れてしまった気がする。
 違う!断じて惚れてなどいない!
 そう心で叫んだハルなど知る由もないフロスティの手が腰に添えられてバスルームへ向かうのだった。



拍手[2回]

診断メーカーさんからの
貴方はテリナンで『寂しい、と呟いて』をお題にして140文字SSを書いてください。
https://shindanmaker.com/587150
から
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「はぁ、あ……っ、もう、もう無理だ……!」
「何言ってんだ、っ、あんた、まだ軍隊式のトレーニングしてるだろ、は、もっと付き合ってくれよ……っ」
「うぁぁああッ!」
 十も下の男に好きなように抱かれ、みっともなく嬌声を上げている。なにが嬉しいのか知らないが女性のように柔らかくもない腹を撫でる、その感触にさえずくずくと快感を煽られ、己のはしたなさに涙が滲む。
「ああ……あんたのその顔、きれいだ」
 そううっとりと言いながらも抽送を止めない動きは、しかし男の与える印象よりはゆっくりとしていて私を労るようなものだった。まるで愛されているのではないかと自惚れそうになる。欲にまみれたその精悍な顔を見ていられずに顔を背けたが、それを望んでいたかのように彼は晒された私の首筋に舌を這わせ、鎖骨に歯を立てる。そのまま意地悪な唇は徐々に下がって行き、大して膨らんでいない私の胸の頂きを含み、歯を立て、指で摘まみ擦り上げる。
 その刺激に耐えられず耐えきれなかった涙を零しながら何度目かわからない絶頂を迎える。
 それだと言うのに律動を止めない男に翻弄され、何時しか私は気をやってしまった。

ふと目が覚めてから飛び起きた。いない。
きしむ身体とぼやけた頭のままシーツを探っていると人の気配がして目を向けた。彼はそこに立っていた。水を飲んでいただけらしい。
そっと息をついて見ていると裸足のぺたりという音を立てて近づき言う。
「探したか?」
「え……、ああ……」
間の抜けた返事をする私の隣に彼は座った。水はベッドサイドに置かれた。先ほど飲んでいたボトルと、おそらくは私のぶんのグラスと。

「寂しかった?」
そう言っていたずらっぽく眼を細めると、声色を真面目なトーンに落とし続ける。
「言って。マイケル。一人だとどうなのか」
頬を撫でながら言う。
人生の折り返しに来た男の、今まで築き上げた矜持すら取り上げようというのか。
「……寂しいよ」
だから一人にするな、と言う泣き言は彼の熱く滑らかな口内に消えた。優しくて甘くて酷い男。そんな男に捨てられたくなくて縋る惨めな私。
それだと言うのにその男は私を抱きしめてベットに沈み込み、心底幸せそうなため息をつく。
「やっとあんたを手に入れた」
ばかな男。とっくにお前のものだって言うのに。心臓が痛くて眼に水の膜が張った。

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男と女の不都合な真実のマイク・チャドウェイ×幸せのセラピーのビル・アンダーソン

※ビルたゃがあまりにもちょろっちょろで♥とかついてます



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 何故この男と会うことになったのかさっぱり分からなかったが、ともかくビルは男とカフェで一緒にコーヒーを飲んでいる。この男と言うのは目の前に座っているマイク・チャドウェイだ。
「きみみたいな有名人と会うなんて変な感じだ」
「俺もあんたみたいなネットアイドルに会うなんて初めてのことだよ」
 そう言ってチャドウェイは笑った。
 そうなのだ。ビルは兄に勧められたTwitterで日常を呟いているだけでいつの間にかフォロワー数30万人のネットアイドルになってしまっていたのだ。
「ネットアイドルなんて言うなよ……きみがフォローした時から急に増えただけだよ。なんできみ、僕と会う気に?」
「ビルがかわいいからな」
「か、かわ?」
「ま、それもあるけど。ただ……なんか恥ずかしいな、前の彼女と、けっこうな大恋愛だったんだけどさ……まあ結局別れて。で結構くさくさしてて、そんな時にさ、ビルののーてんきなアイスが美味いのどーのとか青空がきれいだよーとか幸せそーな笑顔でツイートがさ、なんか凄い……救われた?みたいな。あんたがすげえいい人なんだなって笑ったりしてさ。それでフォローしたんだけど……迷惑だったか?」
「いや、変な人も増えたけど、良い人も増えたから……。割りと感謝してるよ。それにきみとはなんでか馬があったしね」
 そうビルが言うとチャドウェイは安心したみたいに微笑んだ。チャドウェイはテレビで見るよりよっぽど優しそうで、ビルはこの人と会ってよかったな、なんて思っていた。次の台詞を聞くまでは。
「ビルのツイートに足りないのはセクシーさだな。教えてやろうか?」
 そう言ってチャドウェイは見る者全てがときめくような、(もちろんビルも)笑みを浮かべた。
「せ、セクハラじゃないのか」
「全米をフラフラしてるんなら色っぽい話もあるだろ?」
「ないよそんなの!」
 チャドウェイは大げさに驚いた顔をして言う。
「冗談だろ?あんたみたいにかわいい人が?」
「か、かわいいっていうな!」
「今までやったこと無いことに挑戦してるんだろ?男との恋愛は?」
 ビルの言葉をまるっきり無視してチャドウェイはビルの手に自分の手を重ね、指で擽る。心臓がうるさかった。
「教えてやろうか?」
「やだよばか」
 そう言ったあとは世間話なんかをして、また会う約束をして二人は別れた。ビルはホテルのフカフカのベッドに埋もれながら今日の事を思い出す。まあ、かわいい、とかいい人、とかあんなハンサムに言われるのは嫌ではなかった。

 それから何度かデート、そう普通の男同士で遊ぶのとは明らかに違うものを繰り返す内に、ビルはチャドウェイの事を徐々に解り始めた。
 チャドウェイが下ネタを言うのはただみんなが喜ぶから。女好きを公言しているのは誰も傍にいない孤独が怖いから。そして、なんと、そんな彼は自分にだけは誠実だということ。そんなわりと見た目にそぐわないナイーヴな男前な彼に口説かれるのは案外気分のいい事だということ。
 はた、とビルはチャドウェイのことばかり考えている事に気づく。まさか、そんな。
 慌てて兄に電話を掛ける。
「やあビル。人生楽しんでるか?」
「そうは言えないかも……」
「どうした?」
「ぼく、ぼくもゲイかも」
「え!?どうした急に」
「最近会ってる男友達に惹かれてるような気がするんだ!どうしよう……」
「ふーむ。まさかビルがねえ……。ジェスとはセックスできた?」
「うん」
「他の男と恋に落ちそう?」
「ううん」
 そう言うと兄は面白そうな声で言う。
「じゃあ、その彼だけが特別なのかもな」
「そ、そう……なのかな……」
「なんか心理学じゃ一人の同性に恋したってゲイとは言わないって研究もあったらしいし、まあそんな深く考えなくていいだろ。いい男か?」
「……うん」
「上手く落せたら俺達にも紹介しろよ?」
「ふふ、分かった。ありがと兄さん」
「もしダメでも慰めてやるからな。じゃ、頑張れよ」
「うん、ありがとう。Bye、兄さん」
 電話を切ったビルはなんだかふわふわしていた。そうか、自分は恋に落ちたのか。誰かに恋するなんて、最後はいつだったかも覚えてない。妙にくすぐったい気持ちのビルだった。

 バーにでも行かないか、チャドウェイにそう言われて一も二もなく同意した。彼が選んだ店は恋人たちが行くのにピッタリの店だった。彼を意識してしまってビルは妙に緊張する。
「いい店だろ?」
「そうだね、女の子が喜びそう」
「ビルは?」
「え?もちろん嬉しいよ。チャド」
「良かった、今夜あんたに告白する気だからな」
 チャドと呼ぶようにした(なにしろ知り合いにマイクが多すぎる)チャドウェイの爆弾発言にビルは目眩がした。女好きのマイク・チャドウェイが?自分に告白?もしかして両思いというやつなのか?ビルはいつもはのんびりしている自分の脳みそをフルスピードで稼働させる。しかし顔に血液が集まって真っ赤な顔になるのは止められなかった。
「本気で、言ってるのか?冗談なら笑えないぞ」
「冗談じゃないさ。ビルに惚れてるんだから。とっくにね」
 その後の酒は記憶が無い。ビルはずっとチャドウェイの甘い台詞に気のない相槌を打ちながら、自分も好きだと彼に言うべきかどうかずっと考えていたのだ。
 結局ビルは恋心を伝えられず、ホテルまで送ってもらった。
「じゃあな、ビル」
「うん……」
 そう言うのがやっとなビルの顔を見てチャドウェイは笑った。
「ビル、あんたキスして欲しそうな顔してる。俺を紳士でいさせてくれよ」
 そう言ってチャドウェイはビルの口唇を優しく撫でて素早く頬にキスをした。
「じゃ、またな」
「うん、じゃあね」
 去っていくチャドウェイの後ろ姿を見てビルは自分の口唇に触れた。別に紳士じゃなくていいのに、そう思いながら。

 数日後、美味しいイタリアンの店を知ってるから一緒に行かないか?そう懲りずにチャドウェイに誘われ、ビルは複雑な気持ちで了承した。チャドウェイが選んだ店はこじんまりとしているが清潔で本格的な出て来るカプレーゼもボロネーゼもマルゲリータも全てが美味い店だった。
 食事を満喫した二人は食後酒を飲みながら妙に甘ったるい空気で話をする。
「突然誘ったのに悪いな、なにか用事は無かったのか?」
「うん、まあね」
「まあ、ビルも俺に惚れてるもんな」
 そう言ってチャドウェイは脂下がった顔でビルを見る。
 言われた方のビルはあまりにもびっくりしてチャドウェイを見つめてしまう。まさか、ばれていたなんて。慌てて否定するもチャドウェイの笑みが深くなるだけだった。
「う……、まぁそうだけどさ……。気持ち悪くないの?女好きのくせに」
「まさか!俺はビルに惚れてるって言っただろ?あれは本気だぜ」
そう言ったチャドウェイはちょっと驚くぐらいセクシーで、ビルの頭はポーッとなってしまった。
「はは、ビル、そんな顔してっとマジで食っちまうぞ」
「……いいよ、食べても」
 そう呟くとビルの頬に血が集まって顔が桃色に染まる。今までの人生は何だったのか、自分はこんなに大胆になってしまったのか、と思った。そしてそれはなんだか妙に清々しかった。

  二人で手近なモーテルの部屋になだれ込み、口づけを繰り返しながら服を脱がせ合う。そうして裸になった二人は交接のようなキスを交わし続け、お互いの唾液を啜り合う。
「キスが好き?」
「すき……ん、すき、きもちいい……」
「もっと気持ちよくなろうな、ビル」
 チャドウェイは小さく笑い、軽いリップ音を立ててキスをしてベッドに寝転がったビルの足の間に移動する。そしてビルが止める間もなく下着を剥ぎ取ってビルのどんぐりを咥えきつく吸い上げる。ヘテロで女好きだったのが嘘のようにビルの男性器を咥えるのに興奮してしまう。
「ひぁ!ゃ、ンッ!ッ……!んぅうっ……!……ッ!はっ、く、ゥ……ん!」
 あまりに反応が良くてチャドウェイはくすりと笑ってしまった。
「……ん、フェラ初めてってわけじゃないくせに」
「や!そ、けど、ぁ!喋んなぁあ……ひん!ぁ、こんな、こんなの知らな、んぅう❤イッちゃ、……んあアッ」
 それを聞いてチャドウェイはビルのかわいいどんぐりの鈴口を舌を尖らせグリグリと刺激する。
「ひ、ぁあああ……ッ!!!」
 初めて味わう男に与えられる快楽は理解し合えるだけに的確に与えられる責めにもう耐えられない、とばかりに声を上げてビルは達する。そしてそのどんぐりから発射された白濁液を嫌がる素振りも見せずチャドウェイは口に全て収め、ビルに顎を固定して口を開かせキスで唾液混じりのそれを飲ませる。
「ん、ぁ、やだ、不味ぃ……」
「っ、は、興奮してるくせに。……ビルはエッチだな?」
「んぁ……」
 チャドウェイの言うとおり、喉を鳴らしながら膝に乗せられたビルはまた元気を取り戻しかけているどんぐりをチャドウェイのペニスに腰を揺らして擦りつけ、快感を得ようとしている。
「……はぁ、ビルの身体どこもさわり心地いいな……」
「気にしてんだよぉ……言うなぁ、ひゃ!」
 ビルが文句を言っている間にチャドウェイは鍛えてると言うわりにはふわふわの胸に何度もキスを落とす。
「なんで?すげえカワイイよ」
「い、んんッ、〜ッ!そこダメぇ……っ」
 チャドウェイのキスが胸の桃色のぷにぷにとした頂きに達すると、ビルの口から甘い悲鳴が上がる。
「感じる?」
「ん、んぅ……、ゃ、ん、くぅ……んッ!だめ、だめいっちゃうっ……ァア!」
「誰に開発されたんだ?……妬けるな、元妻?」
「ちが、んんッ、あ!は、ん、自分で、あ!ゃああああッ!!」
 答えた瞬間に、既に赤く硬く勃ち上がったそれを強く吸われチャドウェイの歯が先端を掠め、嬌声があがる。それと同時にビルは信じられないほどの快感に溺れる。
「ほら、こっち触っていつもどうやってるか見せてくれよ」
「やだ、よぉ……ばかぁっひ、んぅッ!!あああ!」
 片方に柔く噛みつかれ、もう片方に自分の指を無理やり触らされビルの頭が痺れる。もっとむちゃくちゃにしてほしい。もっと。そう思って自ら強く乳首をつまんでしまった。
「やぁああああああアッ❤❤」
「あぁ、ビル、最高だ……かわいいよ」
 チャドウェイはそう言うと全身がが痺れているビルの頭を撫で、ベッドに押し倒す。そしてビルに自分の足を大きく広げて抱えさせる。そしてレストランから拝借したオリーブオイルの小瓶を取り出し、ビルの慎ましい穴を撫で広げ注ぎ込む。
「ぅ、あ、やだぁ、気持ち悪ぃ……」
「すぐに気持ちよくなる。覚悟しろよ」
 そう言ってチャドウェイはキスのせいで赤くなった肉感的な口唇を舐めあげ、ビルの後孔に指を侵入させていく。
「んぅ、ゃ、何ぃ……やだぁ、うぅ、ん……、ああッ!!!?」
「ここ?」
「ゃだあ!あ!へん、へんん、ぅあぇ、なにこれぇ……ッ❤!!ひぁあ……や、腰、が、びりびりす、る!ぅ!!!ひんッ❤❤」
 チャドに的確に前立腺を責められ、ビルは赤く腫れたどんぐりからダラダラと透明な蜜を垂らしている。それを見て自分にすがるビルの肩にキスして充分に柔らかくなったビルの秘所にペニスをねじ込み、ビルを激しく穿つ。
「!!!……ッウ!!ひ、ああ!や!ひ、ちゃ、ど!や、あっあっあっあ!」
「は、ッ!」
 熱い息を吐くチャドウェイの短髪にビルは指を絡ませ縋る。こんな感覚は、知らない。
「ひんっ、ゃああちゃど、怖いぃいい……!!」
「ビル、大丈夫ビル、俺は、っふ、あんたが気持ちいいことしかしない、な?」
 そう言ってチャドは優しく頭を撫で、宥めるようにビルの額にキスをする。上の方では優しくされ、下半身では前立腺を突かれ、ビルはもう何がなんだか分からないまま与えられる快楽に溺れきってしまう。
「あ、ぁあ!待って、やぁ!あ!あぁ……ッ❤」
 チャドウェイは声をあげうねり締め付けるビルの肉壁を堪らず何度も何度も擦る。柔らかく誘うビルの肉壁による刺激で絶頂の予感にスキンをつけていないチャドウェイは何とかペニスを引きずり出し、達した。びゅっ、びゅ、びゅく、とビルの赤く腫れた狭穴に熱い精液がかかる。
「ひ、ゃああああああああんッ!!!!」
「は、嘘だろ……あんたぶっかけられてイッたのか……?」
 そうチャドウェイは頭を抱え言うと性感でフラフラしているビルを腰の上に乗せ、再び猛り立った己のペニスを興奮のままねじ込み、ビルの身体を揺すぶる。
「んあぁ!!ひぁ、や!ん!あ、ゃあ、ぅ!や、あ❤ぁああああ……ッ、ちゃど、ちゃどぉ……!!」
「クッ、ぁあ、ほんと最高……」
 チャドウェイは桃色に染まったビルの尻たぶを何度もこねくり回しては広げ、逃げる腰を掴み深く落とさせ穿つ。
「ゃあふ、んんッ!おしり、おしりやだぁぁぁ❤❤❤……んぅ、ん!ん!や、ア!きちゃう!きちゃうからあぁぁ!!おしりだめ……ッ!!!」
 そう甘い悲鳴を挙げてビルは許しを乞うようにチャドの顔のあたりにキスをどうにか繰り返す。
「は、っふ、ビル、ビルそれじゃもっとやってくれって、言ってるみたい、なもんだ、ぜ!」
「ゃああああああああああッ!!!!!」
 台詞を吐き終えると同時に奥まで抉るようにチャドウェイが突き立てると、ビルは悲鳴をあげて絶頂を迎えた。そしてチャドウェイは快感で震えるビルの手をどんぐりに誘導する。
「……ぅそ、んぅ、ぼく、ぼくせーしでてなぃ……?んぇ、なんでえ……」
「は、ビル、分かるか、あんた女みたいに後ろだけでイッたんだよ……」
 その言葉がビルの脳みそに届いた瞬間、ビルの身体を脳天から爪先まで電流が走り、チャドウェイを咥え込んだまま身悶えてしまう。
「うそ、うそぉ……❤」
「ぁあ……堪らないな……ビル、気持ちいいよ」
 そう言うチャドウェイに思わずビルは後ろをきゅぅうんと締め付けてしまう。そのうねりにチャドウェイは唸り声をあげる。
「ほんと?ほんとにきもちい?」
 官能で両足をガクガク震わせながらチャドウェイの両頬を包み瞳を見て必死にビルは言う。
「はは、ああ。あんたに惚れたのは、俺が先なんだぜ……そんな相手と、ん、ファックして気持ちよくないわけ無いだろ?」
 そう言ってセクシーに笑うチャドウェイにビルはもう堪らなくなってしまう。キスをしながら泣き声のような音色で言う。
「んッ、あ、ゃあ、ちゃど、好きぃいい、あン!や、ちゃどおしり止まんないぃい……!すき、好きチャド……、もっとして❤、もっときもちくしてぇ……❤」❤
「クソっ!ビル、もう優しく出来ないぞ……!!!」
 そう唸りながら言うとチャドウェイはビルを押し倒し、真上からお互いの恥骨がぶつかり音を立てるほど深く貫く。
「ひぅ!ぁあッ!う”、あぁ!んゃ、ちゃど、まいき、まいきぃい……!!」
「ハッ、ハッ、ぁあ、ビル!!!」
「だめ、だめ、そんな、あァ!そん、した、らぁ!ひぁああ!死んじゃ、しんじゃうううう……ッッ❤」
「はっ、はッ!俺とじゃ、嫌か?」
そう手を取って優しくキスされながら言われては、ビルの答えは一つだった。
「んへ、ふふ、それなら、ぁん!ん!いい、よぉ……ッ!ぁあああああッ!!!!!!」
チャドウェイが精を体内に放ったのを感じ、ビルの顔に自らの精液がぱたぱたとかかる。それは二人の情感をを煽るには十分すぎた。
「夜はまだまだこれからだぜ、ビル」
「うん❤」

その言葉通り、幸福な恋人たちの夜は更けゆくのだった。


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