診断メーカーさんからの
貴方はテリナンで『寂しい、と呟いて』をお題にして140文字SSを書いてください。
https://shindanmaker.com/587150
から
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「はぁ、あ……っ、もう、もう無理だ……!」
「何言ってんだ、っ、あんた、まだ軍隊式のトレーニングしてるだろ、は、もっと付き合ってくれよ……っ」
「うぁぁああッ!」
十も下の男に好きなように抱かれ、みっともなく嬌声を上げている。なにが嬉しいのか知らないが女性のように柔らかくもない腹を撫でる、その感触にさえずくずくと快感を煽られ、己のはしたなさに涙が滲む。
「ああ……あんたのその顔、きれいだ」
そううっとりと言いながらも抽送を止めない動きは、しかし男の与える印象よりはゆっくりとしていて私を労るようなものだった。まるで愛されているのではないかと自惚れそうになる。欲にまみれたその精悍な顔を見ていられずに顔を背けたが、それを望んでいたかのように彼は晒された私の首筋に舌を這わせ、鎖骨に歯を立てる。そのまま意地悪な唇は徐々に下がって行き、大して膨らんでいない私の胸の頂きを含み、歯を立て、指で摘まみ擦り上げる。
その刺激に耐えられず耐えきれなかった涙を零しながら何度目かわからない絶頂を迎える。
それだと言うのに律動を止めない男に翻弄され、何時しか私は気をやってしまった。
ふと目が覚めてから飛び起きた。いない。
きしむ身体とぼやけた頭のままシーツを探っていると人の気配がして目を向けた。彼はそこに立っていた。水を飲んでいただけらしい。
そっと息をついて見ていると裸足のぺたりという音を立てて近づき言う。
「探したか?」
「え……、ああ……」
間の抜けた返事をする私の隣に彼は座った。水はベッドサイドに置かれた。先ほど飲んでいたボトルと、おそらくは私のぶんのグラスと。
「寂しかった?」
そう言っていたずらっぽく眼を細めると、声色を真面目なトーンに落とし続ける。
「言って。マイケル。一人だとどうなのか」
頬を撫でながら言う。
人生の折り返しに来た男の、今まで築き上げた矜持すら取り上げようというのか。
「……寂しいよ」
だから一人にするな、と言う泣き言は彼の熱く滑らかな口内に消えた。優しくて甘くて酷い男。そんな男に捨てられたくなくて縋る惨めな私。
それだと言うのにその男は私を抱きしめてベットに沈み込み、心底幸せそうなため息をつく。
「やっとあんたを手に入れた」
ばかな男。とっくにお前のものだって言うのに。心臓が痛くて眼に水の膜が張った。
貴方はテリナンで『寂しい、と呟いて』をお題にして140文字SSを書いてください。
https://shindanmaker.com/587150
から
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「はぁ、あ……っ、もう、もう無理だ……!」
「何言ってんだ、っ、あんた、まだ軍隊式のトレーニングしてるだろ、は、もっと付き合ってくれよ……っ」
「うぁぁああッ!」
十も下の男に好きなように抱かれ、みっともなく嬌声を上げている。なにが嬉しいのか知らないが女性のように柔らかくもない腹を撫でる、その感触にさえずくずくと快感を煽られ、己のはしたなさに涙が滲む。
「ああ……あんたのその顔、きれいだ」
そううっとりと言いながらも抽送を止めない動きは、しかし男の与える印象よりはゆっくりとしていて私を労るようなものだった。まるで愛されているのではないかと自惚れそうになる。欲にまみれたその精悍な顔を見ていられずに顔を背けたが、それを望んでいたかのように彼は晒された私の首筋に舌を這わせ、鎖骨に歯を立てる。そのまま意地悪な唇は徐々に下がって行き、大して膨らんでいない私の胸の頂きを含み、歯を立て、指で摘まみ擦り上げる。
その刺激に耐えられず耐えきれなかった涙を零しながら何度目かわからない絶頂を迎える。
それだと言うのに律動を止めない男に翻弄され、何時しか私は気をやってしまった。
ふと目が覚めてから飛び起きた。いない。
きしむ身体とぼやけた頭のままシーツを探っていると人の気配がして目を向けた。彼はそこに立っていた。水を飲んでいただけらしい。
そっと息をついて見ていると裸足のぺたりという音を立てて近づき言う。
「探したか?」
「え……、ああ……」
間の抜けた返事をする私の隣に彼は座った。水はベッドサイドに置かれた。先ほど飲んでいたボトルと、おそらくは私のぶんのグラスと。
「寂しかった?」
そう言っていたずらっぽく眼を細めると、声色を真面目なトーンに落とし続ける。
「言って。マイケル。一人だとどうなのか」
頬を撫でながら言う。
人生の折り返しに来た男の、今まで築き上げた矜持すら取り上げようというのか。
「……寂しいよ」
だから一人にするな、と言う泣き言は彼の熱く滑らかな口内に消えた。優しくて甘くて酷い男。そんな男に捨てられたくなくて縋る惨めな私。
それだと言うのにその男は私を抱きしめてベットに沈み込み、心底幸せそうなため息をつく。
「やっとあんたを手に入れた」
ばかな男。とっくにお前のものだって言うのに。心臓が痛くて眼に水の膜が張った。
診断メーカーさんの結果から書きました。糖度55億です。
https://shindanmaker.com/535248
https://shindanmaker.com/535235
ーーーーーーーーーーーーーーーー
この世には星と呼ばれるものを生み出す者と、それをたべる者、そしてそれ以外の人間が居る。
ベンジャミンが大統領に就任してしばらく経つと、PPDのマイク・バニングが星喰みであることを知った。そして星を食べなくなると死に至るということも。それを防ぐため、彼は合成の星を摂取していることも知った。星は口から吐き出されるため、嫌悪感なく食べれる相手を探すのはなかなか骨の折れることだった。悲しいかな、彼が付き合っている相手は普通の人間だった。
それでマイクと友情を結んだ星吐きであるベンジャミンは自分の星を食べてはどうか、もし君がよければ。と言った。そうするとマイクはあっさり承知してくれた。なにしろ合成のものは粗悪で不味いのだ。
正直マイクが恋人や家族でない人間の異例とも言える申し出を受け入れてくれてベンジャミンは嬉しかった。なぜかなのか何度も何度も思いを巡らると、気づいてしまった。逞しく、強く、自分のため生命を掛け守ってくれる彼の命をその手に握ることは、ベンジャミンの自分でも知らなかった薄暗い独占欲を満たしていることを。彼を、自分無しに生きられないようにしたい。その思いは燃え盛る愛やきらめく恋のように甘かった。
マイクは生きるために一ヶ月ごとに小瓶一つ分の星が必要だった。そしてベンジャミンは6日ごとに丸く赤い小さな星を小瓶2つ分生み出す。その中にはきらきらする花びらの形のものが少しだけある。それを選り分け彼のための小瓶一つを満たす。幾分少女趣味がすぎるが、自分の産み出す星の一番きれいなものを、特別な彼に食べて欲しかった。
今日はマイクの星を食べなければ行けない日で、マイクは星を食べると少しのあいだ放心する。そんな姿を部下に見せるわけにはいかなず、任務の間は周知されている友人同士という立場を利用して居住区で食べさせるのが恒例となっていた。そうして今も気の置けない雑談の後ベンジャミンが産み、選り分けたとっておきの星をマイクは咀嚼し、飲み込んだ。そうしてPPDらしく無くぼんやりとしている。
普段頼もしく絶対的に信頼する男の珍しい様子を見て、ベンジャミンは座っているマイクの前に跪き彼の肉感的な口唇に、美しいガラス細工にするようにそっと触れた。
「……ベン」
名前を呼ばれて飛びすさる。気付かれた。一気に血の気が引いて飛びすさったあと動けなくなる。
「ベン、あんた……」
「す、すまないマイク。不適切な行為だった……!」
蒼白になって弁解しているとマイクは困ったよう片頬をあげて苦笑して言う。
「ベン、ベン俺は大丈夫だ。俺はあんたなら構わない」
「は……」
ベンジャミンは目を丸くした。彼は今なんと言った?息が微かに荒くなり、咳き込むとともに赤い星が零れ落ちる。それを拾い集めてマイクは言う。
「いつもと違う星……いや、いつものも少し混ざってる……?」
マイクの言葉に今度は顔から湯気が出そうなほど頬が紅潮するのがまざまざと分かった。こうなっては仕方がないので顔を逸らしほとんど呟くようにして言う。
「君に……選り分けてたんだ……私の星の中でも特別な、美しいものを」
そう言葉を零したベンに、マイクはロマンス映画のようにひざまずいて言う。
「嬉しいよ、ベン。本当にうれしい。……俺はあんたにとって特別?」
そう言って顔を逸らし、自分の言葉から肯定の証に首まで桃色に染めたベンを眼を合わせるように優しい手つきで導く。そうして二人はお互いの瞳を見つめ合いながら、言葉よりも雄弁な優しい口づけをした。
それは愛の星より随分と甘かった。
https://shindanmaker.com/535248
https://shindanmaker.com/535235
ーーーーーーーーーーーーーーーー
この世には星と呼ばれるものを生み出す者と、それをたべる者、そしてそれ以外の人間が居る。
ベンジャミンが大統領に就任してしばらく経つと、PPDのマイク・バニングが星喰みであることを知った。そして星を食べなくなると死に至るということも。それを防ぐため、彼は合成の星を摂取していることも知った。星は口から吐き出されるため、嫌悪感なく食べれる相手を探すのはなかなか骨の折れることだった。悲しいかな、彼が付き合っている相手は普通の人間だった。
それでマイクと友情を結んだ星吐きであるベンジャミンは自分の星を食べてはどうか、もし君がよければ。と言った。そうするとマイクはあっさり承知してくれた。なにしろ合成のものは粗悪で不味いのだ。
正直マイクが恋人や家族でない人間の異例とも言える申し出を受け入れてくれてベンジャミンは嬉しかった。なぜかなのか何度も何度も思いを巡らると、気づいてしまった。逞しく、強く、自分のため生命を掛け守ってくれる彼の命をその手に握ることは、ベンジャミンの自分でも知らなかった薄暗い独占欲を満たしていることを。彼を、自分無しに生きられないようにしたい。その思いは燃え盛る愛やきらめく恋のように甘かった。
マイクは生きるために一ヶ月ごとに小瓶一つ分の星が必要だった。そしてベンジャミンは6日ごとに丸く赤い小さな星を小瓶2つ分生み出す。その中にはきらきらする花びらの形のものが少しだけある。それを選り分け彼のための小瓶一つを満たす。幾分少女趣味がすぎるが、自分の産み出す星の一番きれいなものを、特別な彼に食べて欲しかった。
今日はマイクの星を食べなければ行けない日で、マイクは星を食べると少しのあいだ放心する。そんな姿を部下に見せるわけにはいかなず、任務の間は周知されている友人同士という立場を利用して居住区で食べさせるのが恒例となっていた。そうして今も気の置けない雑談の後ベンジャミンが産み、選り分けたとっておきの星をマイクは咀嚼し、飲み込んだ。そうしてPPDらしく無くぼんやりとしている。
普段頼もしく絶対的に信頼する男の珍しい様子を見て、ベンジャミンは座っているマイクの前に跪き彼の肉感的な口唇に、美しいガラス細工にするようにそっと触れた。
「……ベン」
名前を呼ばれて飛びすさる。気付かれた。一気に血の気が引いて飛びすさったあと動けなくなる。
「ベン、あんた……」
「す、すまないマイク。不適切な行為だった……!」
蒼白になって弁解しているとマイクは困ったよう片頬をあげて苦笑して言う。
「ベン、ベン俺は大丈夫だ。俺はあんたなら構わない」
「は……」
ベンジャミンは目を丸くした。彼は今なんと言った?息が微かに荒くなり、咳き込むとともに赤い星が零れ落ちる。それを拾い集めてマイクは言う。
「いつもと違う星……いや、いつものも少し混ざってる……?」
マイクの言葉に今度は顔から湯気が出そうなほど頬が紅潮するのがまざまざと分かった。こうなっては仕方がないので顔を逸らしほとんど呟くようにして言う。
「君に……選り分けてたんだ……私の星の中でも特別な、美しいものを」
そう言葉を零したベンに、マイクはロマンス映画のようにひざまずいて言う。
「嬉しいよ、ベン。本当にうれしい。……俺はあんたにとって特別?」
そう言って顔を逸らし、自分の言葉から肯定の証に首まで桃色に染めたベンを眼を合わせるように優しい手つきで導く。そうして二人はお互いの瞳を見つめ合いながら、言葉よりも雄弁な優しい口づけをした。
それは愛の星より随分と甘かった。
セトたゃをひたすら甘やかしたかった自分設定てんこ盛りのセトアロ。
あろえおねえさんはシュウと言う名の大気の神で、セトと同じ9柱神であるという設定です。産卵ありだよ!
────────────────
今日も美しい太陽の船はきらめく原初の海を切り開きその役目を果たしている。そこにいる二人の神は今日もいちゃついている。
「こーら。アポピスが来る時間だろ。仕事しなきゃ」
そう言ってシュウはむくれて突き出されたセトの唇をぷにっとつまむ。
「終わったらご褒美あげるよ」
「ずるいぞ」
そう言ってセトは噛み付くようなキスをして天敵を倒しに向かった。その勇壮な闘いぶりはそれはもう人間が見ていれば千年は語り継がれるようなものだったが、今はシュウのみが見守っているだけであった。ただ、シュウはそれでいいと思っている。愛するセトを迫害したもの達など、どうでもよかった。セトを幸せにできるのは彼を心から愛する自分だけだと知っていた。
「おかえり」
彼の甘えるような口づけに笑ってしまう。
「ん、ふふ、お利口な犬は好きだよ」
そういって顔中にキスしてやると、眉をあげてセトは複雑そうな顔をする。
「この俺を犬などと言うのはお前だけだ」
「好きなくせに」
「ああ、燃えるね」
そう言ってセトに笑いながらキスをする。こんな日が彼に訪れるとは誰が想像しただろう?太陽の船の守護者であり、光る大気とも呼ばれるシュウは常にセトの事を気にかけていた。それは穏やかな空気を司る大気の神である自分と対になる砂漠の嵐をセトが司る神だからかもしれなかったし、ただ彼に恋をしていたからかもしれなかった。
ともかくセトが謀反を起こし失敗し、囚われの身となっていた彼を老いて役目を果たせなくなったラーの替わりに立てることを言い出したのは、シュウだった。当然他の神々は反対したが、では誰がアポピスを退けられるのか、といえばセト以外にいなかった。シュウは自分がセトを見張るから、そう周りを言い含めてセトと二人で太陽の船を運行することとなったのだった。
「あ、だめ、そこは、んッ、ひ、ん!」
声をあげて身を捩るシュウに笑いながらセトはいたずらにその可憐な桃色の乳首に歯を立て、かと思えば舌先で擽り続ける。そして膝に乗せたシュウのペニスを擦り上げ、薄く輝く先走りを指で絡め取る。その全てにシュウは悶え、セトの頭をかき抱く。
「ん……ぁは、きみも勃ってる……」
「当たり前だ、お前にそんな風に悦がられたらどんな神だって理性を無くす」
「ふふ、きみも……?うれしいな、ん、」
そう言ってセトの男らしい分厚い胸を愛しげに撫で、深い口付けを受け入れる。ぎらぎらとして燃えるセトの瞳は明らかに捕食者のそれで、シュウはそれに煽られる。
「いい子にしてたんだ、褒美はあるんだろうな」
最高の武神らしくない可愛らしい物言いにシュウは笑みを深くしてセトに跨る。
「どうしてほしい?私のお利口さん」
そう艶やかに笑うシュウをセトは甘え唸りながら抱きしめ、細い金鎖の音を立てながら薄布を剥いでいく。
「お前はいつも美しい」
セトはため息をつくように言ってシュウの白磁のような腹に獣の子供がするように、何度も頭を擦り付け、上目遣いで言う。
「俺も脱がしてくれ、愛しい人」
その言葉にシュウは目の前がチカチカするほどの法悦を感じる。最初にこの船で顔を合わせ、彼の運命を告げた時、セトが激高しシュウに無体を働いたのがはるか遠い昔に思える。そんな目にあわされてからもシュウは幾度となくきみを愛してる、と言葉を紡ぎ身体を重ね、得られなかった愛を怯えるセトに届くように、彼を愛で包むように告げ続けた日々が懐かしい。
ガチャガチャと音を立てセトの武具を脱がし、下履きまで取り去る。戦の後のこの濃いセトの匂いがシュウは好きだった。思う存分味わって猛り勃つセト自身を興奮で唾液の溜まった口を大きく開けて迎える。
「……ん、む、ぅン、はぁっ……んん」
それを咥えたまま何度かじゅぷじゅぶと淫らな音を立てながら頭を前後させ、陰嚢に優しく口付け刺激しながらセトのペニスを完全に勃たせると、褒めるようにキスを繰り返してやる。そうしてから堅く立派に育ったセトのペニスに興奮で浮き出た血管の全てを愛しげに舐めあげ、喉の奥まで受け入れ、締め付ける。そうすると先端からびく、びくと先走りを溢す。そしてずっしりとしたセトの固くなった睾丸を優しく喰む。自分が与える刺激その全てに反応するセトが可愛くてしかたがなかった。
「ッふ、はっ、上手くなったものだな」
「ん……、ぅん、ん……あッ」
びゅく、びゅくッとセトの精液をまともに顔に受け、端正なシュウの顔を銀色に汚し輝くそれをセトはべろりと舐め取っていく。そしてあらかた綺麗にした後、シュウに口付け自らの精液と唾液の混ざったを飲ませる。それをシュウは嬉しそうにそれを舌で絡め取り、嚥下していく。
「光る大気が、こうも淫らだとは他の神々や信者たちも思うまいな」
そうシュウの金糸の前髪をかき上げ意地悪く笑って言うセトに、シュウは官能で潤んだ瞳で微笑み言う。
「ン……、きみだけが」
そう言いセトに口付け、続ける。
「知ってるって、ふふ、興奮する……。違う?」
それを聞いたセトは脂下がった顔で笑い、シュウを後ろから抱えるように膝に乗せた。そうして脚を広げさせ性行為を幾度も繰り返し、性器と化したシュウの秘部に後ろから手を伸ばしその慎ましい孔の皺を何度も撫で広げ、太い指を侵入させる。
「んぅ、セト、……っは、せと、ーー早く、はやくきみがほしいな」
「俺が唯一傷つけたくない相手に、そんな事は出来ないな」
そのセトの愛の言葉にシュウは目眩をおこすほど興奮し、セトの指が解そうとしている自らのアヌスに自らの美しい指を挿し入れ共にかき回す。そこは愛しい男を迎えようとすでに柔らかくとろけだしている。
「ぁあ、セト、セト、愛してるよ、あいしてる……」
その言葉を聞いてセトは唸りながら二人の指を引き出し、充分に解れたシュウの後孔をペニスで深く穿った。
「はぁううっ! ひぁ、あぁああっ!セト、せとぉ、んッ、んぁああああ!!!!……ぁ、あぁ……!!」
「うっ! ……くッ!」
そう唸るとセトは己の剛直がシュウの体内で馴染むまで骨の浮かんだ肩を柔く噛み、無骨な指で腸骨を撫でくすぐる。そうするとシュウはもう堪らないとばかりに嬌声をあげる。
「んう、ん、はぁっ、動いて、セトぉ!すき、すき、だ、セト、ッ、んぅッ!ぁあ……ッ、」
それを聞いてセトはどこかふっきれたような顔で自分の方に向けさせたシュウを見つめ、短いキスをした。そして囁く。
「いつもこの時を待ってる」
この幸福な時間を待っていたのはシュウもだ。セトを自分のものに、自分をセトのものにできるなんて!!その告白を聞いてシュウの媚肉が愛しいセトの立派な肉傘を味わうように収斂すると、セトは大きく腰を回しさらに奥へと侵入する。
「ふッ、ふ、ん!……シュウ、シュウ、出すぞ!」
「うん、うん……!注いで、きみの物だってッ、……んっ、ぅ、あッ!……ひぁあアッ!んぅ、熱いぃぃぃ……ッ」
「は、シュウ……!」
どくどくと胎内にセトの熱く長い脈動を感じ、シュウも震えて絶頂に達する。愛する者がの身体を彩る金の繊細な細工の首輪から何本も細い金鎖が流れ前面でも後ろでも交差し、また美しい首輪に繋がる金鎖はセトの所有の証であり、それを受け入れたシュウとのお互いの愛の証であった。長い孤独に苦しみ熱砂ばかり見ていたセトの目にはそれを身に纏い、快楽に身を捩る白い身体はあまりにも美しかった。
「ヒぁあぁぁッ!!」
いきなり身体を反転させられ、過ぎる快感がシュウを襲う。抜けかけたセトのもので再び深く穿たれ、シュウは嬌声をあげて紅い顔で恨みがましげにセトを睨む。しかし頬を男らしい指の背で撫られ、愛おしそうに見つめられてはシュウに勝ち目はない。異国の海のような青翠色の瞳を見つめながら口付け、セトの豊かな巻き毛をかき乱す。舌を絡ませ唾液が銀糸をひく様な深い口付けに甘い絶頂を迎えながら夢中になっていると、セトの手が赤く染まったシュウの乳輪を優しくさする。
「ぁあ……セト…………」
腹の奥の強烈な快感に苛まれながらシュウがセトの男らしい首を甘噛すると、セトは小さく笑う。この男が急所を預けるのは自分だけだというその事実に、優越感に、震えがくるほど感じて媚肉の最奥でセトの欲望をどうしようもなく何度も締めつけてしまう。
「セト、あぁ、もっと欲しいよ、きみが……」
「もちろんだ、愛するお前の望むままに」
そうして二人は銀糸をひくような音を立て、深い口付けに酔う。
「んぅ!あ、ンっ……!あ、……ふ、アァっ……ん!はぁ!」
ゆっくりといやらしくに抜き差しされ、シュウは堪らず身を捩った。そうするとセトの熱い塊を包む蜜壺も激しくさざめき、セトは艶のある吐息をつく。
「ああ……最高だ……シュウ、シュウ……」
そう言ってシュウの鎖骨の窪んだ影に何度も口付け、深く深くその立派な雄を抜き差しする。セトは絶頂を迎えようとするとシュウの名前を何度も呼び、余裕なく眉を潜める。その男らしく美しい切羽詰まった顔と名を呼ぶ声、甘い吐息はシュウをあまりにも興奮させ、愛しさがこみ上げるのだ。
「ふ、ふぁア!や、んァアああぁーーーッ!!!!」
射精を伴わない絶頂に震えるシュウにますますセトは煽られる。そして何度も続く絶頂を迎え官能に身を任せているシュウをベッドに横たえ、
セトのいたずらな指が勃ち上がっだシュウの愛され慣れた乳首を意地悪く潰すように押し、シュウは思わず嬌声をあげる。その甘い響きにセトは片頬を上げ、深く深く口付ける。シュウの豊かなナイルを湛えて潤む瞳を見つめながらそうするのは、いつもセトの心に炎を燃やさせる。
「きみの獣みたいな眼が好きだ……セト、愛しいきみ、きみの愛をもっと私に注ぎ込んで……」
そう言ってシュウはいつもの青い睡蓮のような清らかさを残しながらもセトを愛し癒やすために羞恥でにじむ瞳をして片足を抱き上げる。その興奮で染まった桃色と秘部を彩る二人の銀色に舌なめずりをしてセトは柔らかなその内側に甘噛を繰り返す。そうして薄く残った歯型に舌を這わせる度にびくりびくりとシュウの足が震えぎゅうと指先をまるめる。そしてセトはシュウの色めいた吐息に煽られ、堅く張りつめた己の性器をゆっくりとシュウに突き挿れる。
「ん、はぁ……あぁ……、セト、せと……」
幾度となく身体を重ねたとは言え、身体を割開かれ内臓を押し上げられるのは苦しい。しかしシュウはその先にある愉悦を教えられてしまった。先にたっぷりと注がれたセトの精液がゆっくりと抜き差しされる度ぐちゅ、こぷ、と卑猥な音を立てる秘部が恥ずかしく、小さく声を漏らしてシュウは涙を流す。その美しい珠を長い舌でセトはすくい取り、口付ける。そうしてからシュウの身体を彩る金鎖をもて遊ぶ。
「ああ、シュウ……」
そう囁いてセトは深く口付け、月光に輝く砂色の美しく結われたシュウの髪を乱す。その優しい手つきと裏腹に激しく突く動きにシュウは翻弄され、どうしようもなくセトの雄を情熱的に媚肉で誘ってしまう。まるで自分が本当に淫らであるように思え、美しい顔を真っ赤に染めてしまい、その顔を見られたくなく無くてぎゅうとセトを抱きしめる。するとセトに耳を、首筋を舐められどうしようもなく喘いでしまう。
「ゃあ……、んあ、はあぁ……!ひッゃんぁ、ぅあああああッ!!!!!」
シュウがそれに気を取られていると、突然にセトの剛直に犯され圧倒的な快感に叫ぶ。しばらくその熱い塊を堪能して与えられる官能に涙を流すシュウに可愛らしいリップ音を立てセトがキスを繰り返す。それがどうにも愛しくて嬉しくてシュウは限界まで広げた足でセトを抱きしめその腰を自分の方へと白い足できつく絡めとり、腸管の奥の奥まで迎える。最高潮に近いセトの精液を一滴も胎内から漏らしたくなかった。
「シュウ、シュウ……そんなにしたら、俺はお前を、は、おまえを壊してしまいそうだ」
「ふ、はぁっ……ふふ、だいじょうぶ、だよ。こう、見えて、はぁっ、けっこう、ん、頑丈なんだ……」
「いくぞ」
そう低い声で宣言してセトは目を情欲で緑色に光らせ、全体重を掛けるようにシュウを何度も何度も穿つ。そして限界を迎え、シュウの腹の中を熱い奔流で満たしそれをシュウの肉壁に塗り込める様にペニスを前後させる。
「ふぁっ、あッア!ああぁああッ!!ンンンンっやぁ、イッて、イッてるから、ンぁ!ああ!ひぁああああ……!!!」
呆然としている愛しい男が自ら放った銀色で白い体躯を美しく飾る刺青を描くようにセトは指で塗り広げていく。悪戯に身体を這い回る指さえもシュウに快楽を与えてくる。
「きみは、ふふ、いつもそうするね。ほんとうに刺れようか?」
「なにを馬鹿なことを。俺の楽しみを奪わないでくれ」
「冗談だよ、ァ!」
そうして満足ゆくまで身体を重ねた二人はいつもよりたっぷりと遅く目覚めた。するとシュウが青い顔をして腹を守るようにうずくまる、セトは慌てて問う。
「どうした?大丈夫か」
シュウは小さく呻く。
「ん、なんか、おかしい……なにかある、みたい」
神々は排泄などしないので、このような事が男神に起こるのは極めて珍しかった。そのため二人は軽くパニックに陥っていると、シュウが悲鳴をあげた。そして。
「卵……?」
シュウの腹から出てきたのは、晴天を集めたような美しい卵だった。二人が首を傾げていると、金のきらめきを舞いあげハトホルと大荷物が現れた。
「お久しぶり、お二人さん」
「ハトホル、これは……?」
ふふ、と愛の女神はいつもと違っていたずら少女の様に笑って言う。
「それはね!シュウがうまくセトの手綱を引いて平和を守ってるから、ラー様からのご褒美。おめでとう、シュウ。それからセト。あなたたちの赤ちゃんよ」
何も分からぬままとりあえず手で温めていたこの卵が赤ん坊を包んでいる。信じられない気持ちでいるシュウとセトに構わずハトホルは畳み掛ける。
「これはぜーんぶ神々からの出産祝い。あのホルスまでくれたのよ。おっと……私はお邪魔ね」
シュウがセトを見やると、普段の剛毅さは何処へやら、今にも泣き出さんばかりだった。
「じゃ、またね。分からない事があったら聞いて、シュウ。まあ子どもの事はベスに聞いた方がいいかもだけど」
「ありがとうハトホル、とても嬉しいよ」
ひらひらと手を振ると来た時のように輝いてハトホルは帰って行った。シュウは微笑んで伴侶の前に立つ。
「赤ちゃんだって」
セトは頷く。
「君と私で、大事に育てようね」
セトは卵が割れないようにそっと抱きしめたシュウの肩に顔を埋め頷いた。
そしてそのまま二人は報われなかったセトの今までと、これからの幸福を思って泣いた。とても穏やかな涙だった。
「どんな子が生まれるかな」
「……お前に似た優しい子だといい」
「楽みだね」
「ああ」
そうして二人は額をくっつけ合って笑った。
あろえおねえさんはシュウと言う名の大気の神で、セトと同じ9柱神であるという設定です。産卵ありだよ!
────────────────
今日も美しい太陽の船はきらめく原初の海を切り開きその役目を果たしている。そこにいる二人の神は今日もいちゃついている。
「こーら。アポピスが来る時間だろ。仕事しなきゃ」
そう言ってシュウはむくれて突き出されたセトの唇をぷにっとつまむ。
「終わったらご褒美あげるよ」
「ずるいぞ」
そう言ってセトは噛み付くようなキスをして天敵を倒しに向かった。その勇壮な闘いぶりはそれはもう人間が見ていれば千年は語り継がれるようなものだったが、今はシュウのみが見守っているだけであった。ただ、シュウはそれでいいと思っている。愛するセトを迫害したもの達など、どうでもよかった。セトを幸せにできるのは彼を心から愛する自分だけだと知っていた。
「おかえり」
彼の甘えるような口づけに笑ってしまう。
「ん、ふふ、お利口な犬は好きだよ」
そういって顔中にキスしてやると、眉をあげてセトは複雑そうな顔をする。
「この俺を犬などと言うのはお前だけだ」
「好きなくせに」
「ああ、燃えるね」
そう言ってセトに笑いながらキスをする。こんな日が彼に訪れるとは誰が想像しただろう?太陽の船の守護者であり、光る大気とも呼ばれるシュウは常にセトの事を気にかけていた。それは穏やかな空気を司る大気の神である自分と対になる砂漠の嵐をセトが司る神だからかもしれなかったし、ただ彼に恋をしていたからかもしれなかった。
ともかくセトが謀反を起こし失敗し、囚われの身となっていた彼を老いて役目を果たせなくなったラーの替わりに立てることを言い出したのは、シュウだった。当然他の神々は反対したが、では誰がアポピスを退けられるのか、といえばセト以外にいなかった。シュウは自分がセトを見張るから、そう周りを言い含めてセトと二人で太陽の船を運行することとなったのだった。
「あ、だめ、そこは、んッ、ひ、ん!」
声をあげて身を捩るシュウに笑いながらセトはいたずらにその可憐な桃色の乳首に歯を立て、かと思えば舌先で擽り続ける。そして膝に乗せたシュウのペニスを擦り上げ、薄く輝く先走りを指で絡め取る。その全てにシュウは悶え、セトの頭をかき抱く。
「ん……ぁは、きみも勃ってる……」
「当たり前だ、お前にそんな風に悦がられたらどんな神だって理性を無くす」
「ふふ、きみも……?うれしいな、ん、」
そう言ってセトの男らしい分厚い胸を愛しげに撫で、深い口付けを受け入れる。ぎらぎらとして燃えるセトの瞳は明らかに捕食者のそれで、シュウはそれに煽られる。
「いい子にしてたんだ、褒美はあるんだろうな」
最高の武神らしくない可愛らしい物言いにシュウは笑みを深くしてセトに跨る。
「どうしてほしい?私のお利口さん」
そう艶やかに笑うシュウをセトは甘え唸りながら抱きしめ、細い金鎖の音を立てながら薄布を剥いでいく。
「お前はいつも美しい」
セトはため息をつくように言ってシュウの白磁のような腹に獣の子供がするように、何度も頭を擦り付け、上目遣いで言う。
「俺も脱がしてくれ、愛しい人」
その言葉にシュウは目の前がチカチカするほどの法悦を感じる。最初にこの船で顔を合わせ、彼の運命を告げた時、セトが激高しシュウに無体を働いたのがはるか遠い昔に思える。そんな目にあわされてからもシュウは幾度となくきみを愛してる、と言葉を紡ぎ身体を重ね、得られなかった愛を怯えるセトに届くように、彼を愛で包むように告げ続けた日々が懐かしい。
ガチャガチャと音を立てセトの武具を脱がし、下履きまで取り去る。戦の後のこの濃いセトの匂いがシュウは好きだった。思う存分味わって猛り勃つセト自身を興奮で唾液の溜まった口を大きく開けて迎える。
「……ん、む、ぅン、はぁっ……んん」
それを咥えたまま何度かじゅぷじゅぶと淫らな音を立てながら頭を前後させ、陰嚢に優しく口付け刺激しながらセトのペニスを完全に勃たせると、褒めるようにキスを繰り返してやる。そうしてから堅く立派に育ったセトのペニスに興奮で浮き出た血管の全てを愛しげに舐めあげ、喉の奥まで受け入れ、締め付ける。そうすると先端からびく、びくと先走りを溢す。そしてずっしりとしたセトの固くなった睾丸を優しく喰む。自分が与える刺激その全てに反応するセトが可愛くてしかたがなかった。
「ッふ、はっ、上手くなったものだな」
「ん……、ぅん、ん……あッ」
びゅく、びゅくッとセトの精液をまともに顔に受け、端正なシュウの顔を銀色に汚し輝くそれをセトはべろりと舐め取っていく。そしてあらかた綺麗にした後、シュウに口付け自らの精液と唾液の混ざったを飲ませる。それをシュウは嬉しそうにそれを舌で絡め取り、嚥下していく。
「光る大気が、こうも淫らだとは他の神々や信者たちも思うまいな」
そうシュウの金糸の前髪をかき上げ意地悪く笑って言うセトに、シュウは官能で潤んだ瞳で微笑み言う。
「ン……、きみだけが」
そう言いセトに口付け、続ける。
「知ってるって、ふふ、興奮する……。違う?」
それを聞いたセトは脂下がった顔で笑い、シュウを後ろから抱えるように膝に乗せた。そうして脚を広げさせ性行為を幾度も繰り返し、性器と化したシュウの秘部に後ろから手を伸ばしその慎ましい孔の皺を何度も撫で広げ、太い指を侵入させる。
「んぅ、セト、……っは、せと、ーー早く、はやくきみがほしいな」
「俺が唯一傷つけたくない相手に、そんな事は出来ないな」
そのセトの愛の言葉にシュウは目眩をおこすほど興奮し、セトの指が解そうとしている自らのアヌスに自らの美しい指を挿し入れ共にかき回す。そこは愛しい男を迎えようとすでに柔らかくとろけだしている。
「ぁあ、セト、セト、愛してるよ、あいしてる……」
その言葉を聞いてセトは唸りながら二人の指を引き出し、充分に解れたシュウの後孔をペニスで深く穿った。
「はぁううっ! ひぁ、あぁああっ!セト、せとぉ、んッ、んぁああああ!!!!……ぁ、あぁ……!!」
「うっ! ……くッ!」
そう唸るとセトは己の剛直がシュウの体内で馴染むまで骨の浮かんだ肩を柔く噛み、無骨な指で腸骨を撫でくすぐる。そうするとシュウはもう堪らないとばかりに嬌声をあげる。
「んう、ん、はぁっ、動いて、セトぉ!すき、すき、だ、セト、ッ、んぅッ!ぁあ……ッ、」
それを聞いてセトはどこかふっきれたような顔で自分の方に向けさせたシュウを見つめ、短いキスをした。そして囁く。
「いつもこの時を待ってる」
この幸福な時間を待っていたのはシュウもだ。セトを自分のものに、自分をセトのものにできるなんて!!その告白を聞いてシュウの媚肉が愛しいセトの立派な肉傘を味わうように収斂すると、セトは大きく腰を回しさらに奥へと侵入する。
「ふッ、ふ、ん!……シュウ、シュウ、出すぞ!」
「うん、うん……!注いで、きみの物だってッ、……んっ、ぅ、あッ!……ひぁあアッ!んぅ、熱いぃぃぃ……ッ」
「は、シュウ……!」
どくどくと胎内にセトの熱く長い脈動を感じ、シュウも震えて絶頂に達する。愛する者がの身体を彩る金の繊細な細工の首輪から何本も細い金鎖が流れ前面でも後ろでも交差し、また美しい首輪に繋がる金鎖はセトの所有の証であり、それを受け入れたシュウとのお互いの愛の証であった。長い孤独に苦しみ熱砂ばかり見ていたセトの目にはそれを身に纏い、快楽に身を捩る白い身体はあまりにも美しかった。
「ヒぁあぁぁッ!!」
いきなり身体を反転させられ、過ぎる快感がシュウを襲う。抜けかけたセトのもので再び深く穿たれ、シュウは嬌声をあげて紅い顔で恨みがましげにセトを睨む。しかし頬を男らしい指の背で撫られ、愛おしそうに見つめられてはシュウに勝ち目はない。異国の海のような青翠色の瞳を見つめながら口付け、セトの豊かな巻き毛をかき乱す。舌を絡ませ唾液が銀糸をひく様な深い口付けに甘い絶頂を迎えながら夢中になっていると、セトの手が赤く染まったシュウの乳輪を優しくさする。
「ぁあ……セト…………」
腹の奥の強烈な快感に苛まれながらシュウがセトの男らしい首を甘噛すると、セトは小さく笑う。この男が急所を預けるのは自分だけだというその事実に、優越感に、震えがくるほど感じて媚肉の最奥でセトの欲望をどうしようもなく何度も締めつけてしまう。
「セト、あぁ、もっと欲しいよ、きみが……」
「もちろんだ、愛するお前の望むままに」
そうして二人は銀糸をひくような音を立て、深い口付けに酔う。
「んぅ!あ、ンっ……!あ、……ふ、アァっ……ん!はぁ!」
ゆっくりといやらしくに抜き差しされ、シュウは堪らず身を捩った。そうするとセトの熱い塊を包む蜜壺も激しくさざめき、セトは艶のある吐息をつく。
「ああ……最高だ……シュウ、シュウ……」
そう言ってシュウの鎖骨の窪んだ影に何度も口付け、深く深くその立派な雄を抜き差しする。セトは絶頂を迎えようとするとシュウの名前を何度も呼び、余裕なく眉を潜める。その男らしく美しい切羽詰まった顔と名を呼ぶ声、甘い吐息はシュウをあまりにも興奮させ、愛しさがこみ上げるのだ。
「ふ、ふぁア!や、んァアああぁーーーッ!!!!」
射精を伴わない絶頂に震えるシュウにますますセトは煽られる。そして何度も続く絶頂を迎え官能に身を任せているシュウをベッドに横たえ、
セトのいたずらな指が勃ち上がっだシュウの愛され慣れた乳首を意地悪く潰すように押し、シュウは思わず嬌声をあげる。その甘い響きにセトは片頬を上げ、深く深く口付ける。シュウの豊かなナイルを湛えて潤む瞳を見つめながらそうするのは、いつもセトの心に炎を燃やさせる。
「きみの獣みたいな眼が好きだ……セト、愛しいきみ、きみの愛をもっと私に注ぎ込んで……」
そう言ってシュウはいつもの青い睡蓮のような清らかさを残しながらもセトを愛し癒やすために羞恥でにじむ瞳をして片足を抱き上げる。その興奮で染まった桃色と秘部を彩る二人の銀色に舌なめずりをしてセトは柔らかなその内側に甘噛を繰り返す。そうして薄く残った歯型に舌を這わせる度にびくりびくりとシュウの足が震えぎゅうと指先をまるめる。そしてセトはシュウの色めいた吐息に煽られ、堅く張りつめた己の性器をゆっくりとシュウに突き挿れる。
「ん、はぁ……あぁ……、セト、せと……」
幾度となく身体を重ねたとは言え、身体を割開かれ内臓を押し上げられるのは苦しい。しかしシュウはその先にある愉悦を教えられてしまった。先にたっぷりと注がれたセトの精液がゆっくりと抜き差しされる度ぐちゅ、こぷ、と卑猥な音を立てる秘部が恥ずかしく、小さく声を漏らしてシュウは涙を流す。その美しい珠を長い舌でセトはすくい取り、口付ける。そうしてからシュウの身体を彩る金鎖をもて遊ぶ。
「ああ、シュウ……」
そう囁いてセトは深く口付け、月光に輝く砂色の美しく結われたシュウの髪を乱す。その優しい手つきと裏腹に激しく突く動きにシュウは翻弄され、どうしようもなくセトの雄を情熱的に媚肉で誘ってしまう。まるで自分が本当に淫らであるように思え、美しい顔を真っ赤に染めてしまい、その顔を見られたくなく無くてぎゅうとセトを抱きしめる。するとセトに耳を、首筋を舐められどうしようもなく喘いでしまう。
「ゃあ……、んあ、はあぁ……!ひッゃんぁ、ぅあああああッ!!!!!」
シュウがそれに気を取られていると、突然にセトの剛直に犯され圧倒的な快感に叫ぶ。しばらくその熱い塊を堪能して与えられる官能に涙を流すシュウに可愛らしいリップ音を立てセトがキスを繰り返す。それがどうにも愛しくて嬉しくてシュウは限界まで広げた足でセトを抱きしめその腰を自分の方へと白い足できつく絡めとり、腸管の奥の奥まで迎える。最高潮に近いセトの精液を一滴も胎内から漏らしたくなかった。
「シュウ、シュウ……そんなにしたら、俺はお前を、は、おまえを壊してしまいそうだ」
「ふ、はぁっ……ふふ、だいじょうぶ、だよ。こう、見えて、はぁっ、けっこう、ん、頑丈なんだ……」
「いくぞ」
そう低い声で宣言してセトは目を情欲で緑色に光らせ、全体重を掛けるようにシュウを何度も何度も穿つ。そして限界を迎え、シュウの腹の中を熱い奔流で満たしそれをシュウの肉壁に塗り込める様にペニスを前後させる。
「ふぁっ、あッア!ああぁああッ!!ンンンンっやぁ、イッて、イッてるから、ンぁ!ああ!ひぁああああ……!!!」
呆然としている愛しい男が自ら放った銀色で白い体躯を美しく飾る刺青を描くようにセトは指で塗り広げていく。悪戯に身体を這い回る指さえもシュウに快楽を与えてくる。
「きみは、ふふ、いつもそうするね。ほんとうに刺れようか?」
「なにを馬鹿なことを。俺の楽しみを奪わないでくれ」
「冗談だよ、ァ!」
そうして満足ゆくまで身体を重ねた二人はいつもよりたっぷりと遅く目覚めた。するとシュウが青い顔をして腹を守るようにうずくまる、セトは慌てて問う。
「どうした?大丈夫か」
シュウは小さく呻く。
「ん、なんか、おかしい……なにかある、みたい」
神々は排泄などしないので、このような事が男神に起こるのは極めて珍しかった。そのため二人は軽くパニックに陥っていると、シュウが悲鳴をあげた。そして。
「卵……?」
シュウの腹から出てきたのは、晴天を集めたような美しい卵だった。二人が首を傾げていると、金のきらめきを舞いあげハトホルと大荷物が現れた。
「お久しぶり、お二人さん」
「ハトホル、これは……?」
ふふ、と愛の女神はいつもと違っていたずら少女の様に笑って言う。
「それはね!シュウがうまくセトの手綱を引いて平和を守ってるから、ラー様からのご褒美。おめでとう、シュウ。それからセト。あなたたちの赤ちゃんよ」
何も分からぬままとりあえず手で温めていたこの卵が赤ん坊を包んでいる。信じられない気持ちでいるシュウとセトに構わずハトホルは畳み掛ける。
「これはぜーんぶ神々からの出産祝い。あのホルスまでくれたのよ。おっと……私はお邪魔ね」
シュウがセトを見やると、普段の剛毅さは何処へやら、今にも泣き出さんばかりだった。
「じゃ、またね。分からない事があったら聞いて、シュウ。まあ子どもの事はベスに聞いた方がいいかもだけど」
「ありがとうハトホル、とても嬉しいよ」
ひらひらと手を振ると来た時のように輝いてハトホルは帰って行った。シュウは微笑んで伴侶の前に立つ。
「赤ちゃんだって」
セトは頷く。
「君と私で、大事に育てようね」
セトは卵が割れないようにそっと抱きしめたシュウの肩に顔を埋め頷いた。
そしてそのまま二人は報われなかったセトの今までと、これからの幸福を思って泣いた。とても穏やかな涙だった。
「どんな子が生まれるかな」
「……お前に似た優しい子だといい」
「楽みだね」
「ああ」
そうして二人は額をくっつけ合って笑った。
遅ればせながらベンジャミン・アッシャー大統領お誕生日おめでとうございますフェラ。
二人が出会って最初の方の話っぽい
ーーーーーーーーーーーーーーーー
今日はベンジャミンの誕生日である。たいしてめでたくもない、とは思うが大仰にも今夜晩餐会が開かれるためタキシードを着込んでオーバルオフィスに入った。開始直前まで合衆国大統領の職務をこなそうと思っての事だった。
「おや、マイク。随分男前じゃないか」
警護で部屋に控えていたマイクにベンジャミンは声をかけた。PPDのは対象を守るという職務のために当然パーティーでもぴったりと付き添う。その際はTPOにあわせたそれらしい格好をする為、今日のマイクはベンと同じくブラックタイをしていた。
「ありがとうございます」
「んー、ただフィット感がよくないな」
マイクは苦笑して言う。
「支給品なのでしょうがないですよ」
「そうか……。ジョン、アリシアを呼んでくれるか?」
面食らっているマイクを余所にベンジャミンのお抱えスタイリストがやってきた。
「アリシア、悪いんだがマイクのタキシードを修正してやってくれないか?」
「了解です」
「おい、ベン何を?」
予想外の展開に思わずくだけた物言いになってしまっているマイクの服をスタイリストのアリシアは熱心に摘んだり繕ったりしている。ベンジャミンは全ての人間が逆らえない笑顔で言う。
「ふふ、大統領の二人目のパートナーもきちんとしていないとな」
「サー、あなた何言ってるんですか……」
「こんな感じでどうでしょう、大統領」
「アリシアありがとう!見違えたよさすがだ」
「ありがとうございます大統領」
そう言って嬉しそうに部屋を出て行くアリシアを見送る。にやにやと笑うマイクの同僚たちにも構わずベンはマイクを矯めつ眇めつ眺め、何か思いついたように書斎に向かう。マイクは慌ててその後を追った。
「マイク、こっちだ」
書斎のドアに鍵をかけ、ベンは奥の本棚に美しい手でマイクを縫い付ける。
「ベン、あんた何を……」
面食らっているマイクに軽く口づけて艶のある笑顔で言う。
「きみが色男なのが悪いんだぞ」
そうしてベンは薄い唇をぺろっと舐め、マイクのパンツのジッパーを下ろしてしまう。
「おい止め……、ベン、この状況はまずいだろっ」
「興奮するだろ?」
そう色めいた声で含み笑いしたベンはマイクの下着の上から彼自身をマッサージするように手のひらで包み、深い口づけを交わす。
「ふッ、こら、ベン……!」
「この子は素直なのにな」
そう言って下着の上から勃ち上がり始めたそれを撫で、睾丸を優しく揉む。
「は、ッ」
眉をひそめ熱い息を吐くマイクに気を良くしたベンは、いよいよマイクの雄を取り出そうとしたところでぐい、と腕を引かれ体勢を入れ替えられ壁にもたれ掛かる。
「まいく?」
「誕生日なんだから、おとなしく俺にされてろ」
「え、おい……まぃ、ふッ……は、ぁん」
ベンの正面に跪いたマイクは遠慮も躊躇もなくベンの中心を舐めあげる。背筋にびりびりと官能が走った。
「ふぅ、ン……んぅ……」
じゅ、じゅっと音を立てながら執拗に亀頭を責められ、余りの快感にドアから離れているとは言え合衆国最大のスキャンダルを外に漏らさぬようにベンは必死で声を抑える。しかしその舞台装置は否応なく二人の情熱に拍車をかける。
「はぁ、っン……あんたは、ふ、ここが好きだな」
ベンの潤んだ瞳を情熱的に見つめながらマイクは陰嚢の間を舐めあげる。と同時に股に添えた右手の親指で会陰をいたずらにマッサージする。
「ぁあ、ンぅ!だめ、だめ、マイ……、ゥん……っ!」
必死に声を潜めた喘ぎ声にまでマイクはどうしようもなく煽られる。しかし悠長にしている時間もないので根本まで咥え、何度かきつく吸い上げる。
「ン!ンぅぅぅんッーーーーー!!!!!!」
腰をマイクに押し付けながら絶頂を迎えたベンの精液をたやすくマイクは飲み込む。そうしてからベンに深く口付けた。
「さ、大統領。お時間ですよ」
「ん……。ああ、きみと一日中ファックしていたい……」
身体をマイクに委ねながら言うベンにマイクは笑って言う。
「そりゃ退任後までお預けだな」
そしてマイクは精液の口臭予防のタブレットを噛み、ベンにも渡す。
マイクのぼんやりとしているかもしれないが、将来設計に自分が居てこのふしだらで甘い関係が続いているのを知って思わず浮かんだムズムズした笑みを隠すようにベンはタブレットを噛んだ。噛み殺した喜びは、ミントの味がした。
「ハッピーバースディ、ミスタープレジデント」
そう言ってマイクはベンのこめかみにキスし、現実への扉を開いた。
二人が出会って最初の方の話っぽい
ーーーーーーーーーーーーーーーー
今日はベンジャミンの誕生日である。たいしてめでたくもない、とは思うが大仰にも今夜晩餐会が開かれるためタキシードを着込んでオーバルオフィスに入った。開始直前まで合衆国大統領の職務をこなそうと思っての事だった。
「おや、マイク。随分男前じゃないか」
警護で部屋に控えていたマイクにベンジャミンは声をかけた。PPDのは対象を守るという職務のために当然パーティーでもぴったりと付き添う。その際はTPOにあわせたそれらしい格好をする為、今日のマイクはベンと同じくブラックタイをしていた。
「ありがとうございます」
「んー、ただフィット感がよくないな」
マイクは苦笑して言う。
「支給品なのでしょうがないですよ」
「そうか……。ジョン、アリシアを呼んでくれるか?」
面食らっているマイクを余所にベンジャミンのお抱えスタイリストがやってきた。
「アリシア、悪いんだがマイクのタキシードを修正してやってくれないか?」
「了解です」
「おい、ベン何を?」
予想外の展開に思わずくだけた物言いになってしまっているマイクの服をスタイリストのアリシアは熱心に摘んだり繕ったりしている。ベンジャミンは全ての人間が逆らえない笑顔で言う。
「ふふ、大統領の二人目のパートナーもきちんとしていないとな」
「サー、あなた何言ってるんですか……」
「こんな感じでどうでしょう、大統領」
「アリシアありがとう!見違えたよさすがだ」
「ありがとうございます大統領」
そう言って嬉しそうに部屋を出て行くアリシアを見送る。にやにやと笑うマイクの同僚たちにも構わずベンはマイクを矯めつ眇めつ眺め、何か思いついたように書斎に向かう。マイクは慌ててその後を追った。
「マイク、こっちだ」
書斎のドアに鍵をかけ、ベンは奥の本棚に美しい手でマイクを縫い付ける。
「ベン、あんた何を……」
面食らっているマイクに軽く口づけて艶のある笑顔で言う。
「きみが色男なのが悪いんだぞ」
そうしてベンは薄い唇をぺろっと舐め、マイクのパンツのジッパーを下ろしてしまう。
「おい止め……、ベン、この状況はまずいだろっ」
「興奮するだろ?」
そう色めいた声で含み笑いしたベンはマイクの下着の上から彼自身をマッサージするように手のひらで包み、深い口づけを交わす。
「ふッ、こら、ベン……!」
「この子は素直なのにな」
そう言って下着の上から勃ち上がり始めたそれを撫で、睾丸を優しく揉む。
「は、ッ」
眉をひそめ熱い息を吐くマイクに気を良くしたベンは、いよいよマイクの雄を取り出そうとしたところでぐい、と腕を引かれ体勢を入れ替えられ壁にもたれ掛かる。
「まいく?」
「誕生日なんだから、おとなしく俺にされてろ」
「え、おい……まぃ、ふッ……は、ぁん」
ベンの正面に跪いたマイクは遠慮も躊躇もなくベンの中心を舐めあげる。背筋にびりびりと官能が走った。
「ふぅ、ン……んぅ……」
じゅ、じゅっと音を立てながら執拗に亀頭を責められ、余りの快感にドアから離れているとは言え合衆国最大のスキャンダルを外に漏らさぬようにベンは必死で声を抑える。しかしその舞台装置は否応なく二人の情熱に拍車をかける。
「はぁ、っン……あんたは、ふ、ここが好きだな」
ベンの潤んだ瞳を情熱的に見つめながらマイクは陰嚢の間を舐めあげる。と同時に股に添えた右手の親指で会陰をいたずらにマッサージする。
「ぁあ、ンぅ!だめ、だめ、マイ……、ゥん……っ!」
必死に声を潜めた喘ぎ声にまでマイクはどうしようもなく煽られる。しかし悠長にしている時間もないので根本まで咥え、何度かきつく吸い上げる。
「ン!ンぅぅぅんッーーーーー!!!!!!」
腰をマイクに押し付けながら絶頂を迎えたベンの精液をたやすくマイクは飲み込む。そうしてからベンに深く口付けた。
「さ、大統領。お時間ですよ」
「ん……。ああ、きみと一日中ファックしていたい……」
身体をマイクに委ねながら言うベンにマイクは笑って言う。
「そりゃ退任後までお預けだな」
そしてマイクは精液の口臭予防のタブレットを噛み、ベンにも渡す。
マイクのぼんやりとしているかもしれないが、将来設計に自分が居てこのふしだらで甘い関係が続いているのを知って思わず浮かんだムズムズした笑みを隠すようにベンはタブレットを噛んだ。噛み殺した喜びは、ミントの味がした。
「ハッピーバースディ、ミスタープレジデント」
そう言ってマイクはベンのこめかみにキスし、現実への扉を開いた。
男と女の不都合な真実のマイク・チャドウェイ×幸せのセラピーのビル・アンダーソン
※ビルたゃがあまりにもちょろっちょろで♥とかついてます
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
何故この男と会うことになったのかさっぱり分からなかったが、ともかくビルは男とカフェで一緒にコーヒーを飲んでいる。この男と言うのは目の前に座っているマイク・チャドウェイだ。
「きみみたいな有名人と会うなんて変な感じだ」
「俺もあんたみたいなネットアイドルに会うなんて初めてのことだよ」
そう言ってチャドウェイは笑った。
そうなのだ。ビルは兄に勧められたTwitterで日常を呟いているだけでいつの間にかフォロワー数30万人のネットアイドルになってしまっていたのだ。
「ネットアイドルなんて言うなよ……きみがフォローした時から急に増えただけだよ。なんできみ、僕と会う気に?」
「ビルがかわいいからな」
「か、かわ?」
「ま、それもあるけど。ただ……なんか恥ずかしいな、前の彼女と、けっこうな大恋愛だったんだけどさ……まあ結局別れて。で結構くさくさしてて、そんな時にさ、ビルののーてんきなアイスが美味いのどーのとか青空がきれいだよーとか幸せそーな笑顔でツイートがさ、なんか凄い……救われた?みたいな。あんたがすげえいい人なんだなって笑ったりしてさ。それでフォローしたんだけど……迷惑だったか?」
「いや、変な人も増えたけど、良い人も増えたから……。割りと感謝してるよ。それにきみとはなんでか馬があったしね」
そうビルが言うとチャドウェイは安心したみたいに微笑んだ。チャドウェイはテレビで見るよりよっぽど優しそうで、ビルはこの人と会ってよかったな、なんて思っていた。次の台詞を聞くまでは。
「ビルのツイートに足りないのはセクシーさだな。教えてやろうか?」
そう言ってチャドウェイは見る者全てがときめくような、(もちろんビルも)笑みを浮かべた。
「せ、セクハラじゃないのか」
「全米をフラフラしてるんなら色っぽい話もあるだろ?」
「ないよそんなの!」
チャドウェイは大げさに驚いた顔をして言う。
「冗談だろ?あんたみたいにかわいい人が?」
「か、かわいいっていうな!」
「今までやったこと無いことに挑戦してるんだろ?男との恋愛は?」
ビルの言葉をまるっきり無視してチャドウェイはビルの手に自分の手を重ね、指で擽る。心臓がうるさかった。
「教えてやろうか?」
「やだよばか」
そう言ったあとは世間話なんかをして、また会う約束をして二人は別れた。ビルはホテルのフカフカのベッドに埋もれながら今日の事を思い出す。まあ、かわいい、とかいい人、とかあんなハンサムに言われるのは嫌ではなかった。
それから何度かデート、そう普通の男同士で遊ぶのとは明らかに違うものを繰り返す内に、ビルはチャドウェイの事を徐々に解り始めた。
チャドウェイが下ネタを言うのはただみんなが喜ぶから。女好きを公言しているのは誰も傍にいない孤独が怖いから。そして、なんと、そんな彼は自分にだけは誠実だということ。そんなわりと見た目にそぐわないナイーヴな男前な彼に口説かれるのは案外気分のいい事だということ。
はた、とビルはチャドウェイのことばかり考えている事に気づく。まさか、そんな。
慌てて兄に電話を掛ける。
「やあビル。人生楽しんでるか?」
「そうは言えないかも……」
「どうした?」
「ぼく、ぼくもゲイかも」
「え!?どうした急に」
「最近会ってる男友達に惹かれてるような気がするんだ!どうしよう……」
「ふーむ。まさかビルがねえ……。ジェスとはセックスできた?」
「うん」
「他の男と恋に落ちそう?」
「ううん」
そう言うと兄は面白そうな声で言う。
「じゃあ、その彼だけが特別なのかもな」
「そ、そう……なのかな……」
「なんか心理学じゃ一人の同性に恋したってゲイとは言わないって研究もあったらしいし、まあそんな深く考えなくていいだろ。いい男か?」
「……うん」
「上手く落せたら俺達にも紹介しろよ?」
「ふふ、分かった。ありがと兄さん」
「もしダメでも慰めてやるからな。じゃ、頑張れよ」
「うん、ありがとう。Bye、兄さん」
電話を切ったビルはなんだかふわふわしていた。そうか、自分は恋に落ちたのか。誰かに恋するなんて、最後はいつだったかも覚えてない。妙にくすぐったい気持ちのビルだった。
バーにでも行かないか、チャドウェイにそう言われて一も二もなく同意した。彼が選んだ店は恋人たちが行くのにピッタリの店だった。彼を意識してしまってビルは妙に緊張する。
「いい店だろ?」
「そうだね、女の子が喜びそう」
「ビルは?」
「え?もちろん嬉しいよ。チャド」
「良かった、今夜あんたに告白する気だからな」
チャドと呼ぶようにした(なにしろ知り合いにマイクが多すぎる)チャドウェイの爆弾発言にビルは目眩がした。女好きのマイク・チャドウェイが?自分に告白?もしかして両思いというやつなのか?ビルはいつもはのんびりしている自分の脳みそをフルスピードで稼働させる。しかし顔に血液が集まって真っ赤な顔になるのは止められなかった。
「本気で、言ってるのか?冗談なら笑えないぞ」
「冗談じゃないさ。ビルに惚れてるんだから。とっくにね」
その後の酒は記憶が無い。ビルはずっとチャドウェイの甘い台詞に気のない相槌を打ちながら、自分も好きだと彼に言うべきかどうかずっと考えていたのだ。
結局ビルは恋心を伝えられず、ホテルまで送ってもらった。
「じゃあな、ビル」
「うん……」
そう言うのがやっとなビルの顔を見てチャドウェイは笑った。
「ビル、あんたキスして欲しそうな顔してる。俺を紳士でいさせてくれよ」
そう言ってチャドウェイはビルの口唇を優しく撫でて素早く頬にキスをした。
「じゃ、またな」
「うん、じゃあね」
去っていくチャドウェイの後ろ姿を見てビルは自分の口唇に触れた。別に紳士じゃなくていいのに、そう思いながら。
数日後、美味しいイタリアンの店を知ってるから一緒に行かないか?そう懲りずにチャドウェイに誘われ、ビルは複雑な気持ちで了承した。チャドウェイが選んだ店はこじんまりとしているが清潔で本格的な出て来るカプレーゼもボロネーゼもマルゲリータも全てが美味い店だった。
食事を満喫した二人は食後酒を飲みながら妙に甘ったるい空気で話をする。
「突然誘ったのに悪いな、なにか用事は無かったのか?」
「うん、まあね」
「まあ、ビルも俺に惚れてるもんな」
そう言ってチャドウェイは脂下がった顔でビルを見る。
言われた方のビルはあまりにもびっくりしてチャドウェイを見つめてしまう。まさか、ばれていたなんて。慌てて否定するもチャドウェイの笑みが深くなるだけだった。
「う……、まぁそうだけどさ……。気持ち悪くないの?女好きのくせに」
「まさか!俺はビルに惚れてるって言っただろ?あれは本気だぜ」
そう言ったチャドウェイはちょっと驚くぐらいセクシーで、ビルの頭はポーッとなってしまった。
「はは、ビル、そんな顔してっとマジで食っちまうぞ」
「……いいよ、食べても」
そう呟くとビルの頬に血が集まって顔が桃色に染まる。今までの人生は何だったのか、自分はこんなに大胆になってしまったのか、と思った。そしてそれはなんだか妙に清々しかった。
二人で手近なモーテルの部屋になだれ込み、口づけを繰り返しながら服を脱がせ合う。そうして裸になった二人は交接のようなキスを交わし続け、お互いの唾液を啜り合う。
「キスが好き?」
「すき……ん、すき、きもちいい……」
「もっと気持ちよくなろうな、ビル」
チャドウェイは小さく笑い、軽いリップ音を立ててキスをしてベッドに寝転がったビルの足の間に移動する。そしてビルが止める間もなく下着を剥ぎ取ってビルのどんぐりを咥えきつく吸い上げる。ヘテロで女好きだったのが嘘のようにビルの男性器を咥えるのに興奮してしまう。
「ひぁ!ゃ、ンッ!ッ……!んぅうっ……!……ッ!はっ、く、ゥ……ん!」
あまりに反応が良くてチャドウェイはくすりと笑ってしまった。
「……ん、フェラ初めてってわけじゃないくせに」
「や!そ、けど、ぁ!喋んなぁあ……ひん!ぁ、こんな、こんなの知らな、んぅう❤イッちゃ、……んあアッ」
それを聞いてチャドウェイはビルのかわいいどんぐりの鈴口を舌を尖らせグリグリと刺激する。
「ひ、ぁあああ……ッ!!!」
初めて味わう男に与えられる快楽は理解し合えるだけに的確に与えられる責めにもう耐えられない、とばかりに声を上げてビルは達する。そしてそのどんぐりから発射された白濁液を嫌がる素振りも見せずチャドウェイは口に全て収め、ビルに顎を固定して口を開かせキスで唾液混じりのそれを飲ませる。
「ん、ぁ、やだ、不味ぃ……」
「っ、は、興奮してるくせに。……ビルはエッチだな?」
「んぁ……」
チャドウェイの言うとおり、喉を鳴らしながら膝に乗せられたビルはまた元気を取り戻しかけているどんぐりをチャドウェイのペニスに腰を揺らして擦りつけ、快感を得ようとしている。
「……はぁ、ビルの身体どこもさわり心地いいな……」
「気にしてんだよぉ……言うなぁ、ひゃ!」
ビルが文句を言っている間にチャドウェイは鍛えてると言うわりにはふわふわの胸に何度もキスを落とす。
「なんで?すげえカワイイよ」
「い、んんッ、〜ッ!そこダメぇ……っ」
チャドウェイのキスが胸の桃色のぷにぷにとした頂きに達すると、ビルの口から甘い悲鳴が上がる。
「感じる?」
「ん、んぅ……、ゃ、ん、くぅ……んッ!だめ、だめいっちゃうっ……ァア!」
「誰に開発されたんだ?……妬けるな、元妻?」
「ちが、んんッ、あ!は、ん、自分で、あ!ゃああああッ!!」
答えた瞬間に、既に赤く硬く勃ち上がったそれを強く吸われチャドウェイの歯が先端を掠め、嬌声があがる。それと同時にビルは信じられないほどの快感に溺れる。
「ほら、こっち触っていつもどうやってるか見せてくれよ」
「やだ、よぉ……ばかぁっひ、んぅッ!!あああ!」
片方に柔く噛みつかれ、もう片方に自分の指を無理やり触らされビルの頭が痺れる。もっとむちゃくちゃにしてほしい。もっと。そう思って自ら強く乳首をつまんでしまった。
「やぁああああああアッ❤❤」
「あぁ、ビル、最高だ……かわいいよ」
チャドウェイはそう言うと全身がが痺れているビルの頭を撫で、ベッドに押し倒す。そしてビルに自分の足を大きく広げて抱えさせる。そしてレストランから拝借したオリーブオイルの小瓶を取り出し、ビルの慎ましい穴を撫で広げ注ぎ込む。
「ぅ、あ、やだぁ、気持ち悪ぃ……」
「すぐに気持ちよくなる。覚悟しろよ」
そう言ってチャドウェイはキスのせいで赤くなった肉感的な口唇を舐めあげ、ビルの後孔に指を侵入させていく。
「んぅ、ゃ、何ぃ……やだぁ、うぅ、ん……、ああッ!!!?」
「ここ?」
「ゃだあ!あ!へん、へんん、ぅあぇ、なにこれぇ……ッ❤!!ひぁあ……や、腰、が、びりびりす、る!ぅ!!!ひんッ❤❤」
チャドに的確に前立腺を責められ、ビルは赤く腫れたどんぐりからダラダラと透明な蜜を垂らしている。それを見て自分にすがるビルの肩にキスして充分に柔らかくなったビルの秘所にペニスをねじ込み、ビルを激しく穿つ。
「!!!……ッウ!!ひ、ああ!や!ひ、ちゃ、ど!や、あっあっあっあ!」
「は、ッ!」
熱い息を吐くチャドウェイの短髪にビルは指を絡ませ縋る。こんな感覚は、知らない。
「ひんっ、ゃああちゃど、怖いぃいい……!!」
「ビル、大丈夫ビル、俺は、っふ、あんたが気持ちいいことしかしない、な?」
そう言ってチャドは優しく頭を撫で、宥めるようにビルの額にキスをする。上の方では優しくされ、下半身では前立腺を突かれ、ビルはもう何がなんだか分からないまま与えられる快楽に溺れきってしまう。
「あ、ぁあ!待って、やぁ!あ!あぁ……ッ❤」
チャドウェイは声をあげうねり締め付けるビルの肉壁を堪らず何度も何度も擦る。柔らかく誘うビルの肉壁による刺激で絶頂の予感にスキンをつけていないチャドウェイは何とかペニスを引きずり出し、達した。びゅっ、びゅ、びゅく、とビルの赤く腫れた狭穴に熱い精液がかかる。
「ひ、ゃああああああああんッ!!!!」
「は、嘘だろ……あんたぶっかけられてイッたのか……?」
そうチャドウェイは頭を抱え言うと性感でフラフラしているビルを腰の上に乗せ、再び猛り立った己のペニスを興奮のままねじ込み、ビルの身体を揺すぶる。
「んあぁ!!ひぁ、や!ん!あ、ゃあ、ぅ!や、あ❤ぁああああ……ッ、ちゃど、ちゃどぉ……!!」
「クッ、ぁあ、ほんと最高……」
チャドウェイは桃色に染まったビルの尻たぶを何度もこねくり回しては広げ、逃げる腰を掴み深く落とさせ穿つ。
「ゃあふ、んんッ!おしり、おしりやだぁぁぁ❤❤❤……んぅ、ん!ん!や、ア!きちゃう!きちゃうからあぁぁ!!おしりだめ……ッ!!!」
そう甘い悲鳴を挙げてビルは許しを乞うようにチャドの顔のあたりにキスをどうにか繰り返す。
「は、っふ、ビル、ビルそれじゃもっとやってくれって、言ってるみたい、なもんだ、ぜ!」
「ゃああああああああああッ!!!!!」
台詞を吐き終えると同時に奥まで抉るようにチャドウェイが突き立てると、ビルは悲鳴をあげて絶頂を迎えた。そしてチャドウェイは快感で震えるビルの手をどんぐりに誘導する。
「……ぅそ、んぅ、ぼく、ぼくせーしでてなぃ……?んぇ、なんでえ……」
「は、ビル、分かるか、あんた女みたいに後ろだけでイッたんだよ……」
その言葉がビルの脳みそに届いた瞬間、ビルの身体を脳天から爪先まで電流が走り、チャドウェイを咥え込んだまま身悶えてしまう。
「うそ、うそぉ……❤」
「ぁあ……堪らないな……ビル、気持ちいいよ」
そう言うチャドウェイに思わずビルは後ろをきゅぅうんと締め付けてしまう。そのうねりにチャドウェイは唸り声をあげる。
「ほんと?ほんとにきもちい?」
官能で両足をガクガク震わせながらチャドウェイの両頬を包み瞳を見て必死にビルは言う。
「はは、ああ。あんたに惚れたのは、俺が先なんだぜ……そんな相手と、ん、ファックして気持ちよくないわけ無いだろ?」
そう言ってセクシーに笑うチャドウェイにビルはもう堪らなくなってしまう。キスをしながら泣き声のような音色で言う。
「んッ、あ、ゃあ、ちゃど、好きぃいい、あン!や、ちゃどおしり止まんないぃい……!すき、好きチャド……、もっとして❤、もっときもちくしてぇ……❤」❤
「クソっ!ビル、もう優しく出来ないぞ……!!!」
そう唸りながら言うとチャドウェイはビルを押し倒し、真上からお互いの恥骨がぶつかり音を立てるほど深く貫く。
「ひぅ!ぁあッ!う”、あぁ!んゃ、ちゃど、まいき、まいきぃい……!!」
「ハッ、ハッ、ぁあ、ビル!!!」
「だめ、だめ、そんな、あァ!そん、した、らぁ!ひぁああ!死んじゃ、しんじゃうううう……ッッ❤」
「はっ、はッ!俺とじゃ、嫌か?」
そう手を取って優しくキスされながら言われては、ビルの答えは一つだった。
「んへ、ふふ、それなら、ぁん!ん!いい、よぉ……ッ!ぁあああああッ!!!!!!」
チャドウェイが精を体内に放ったのを感じ、ビルの顔に自らの精液がぱたぱたとかかる。それは二人の情感をを煽るには十分すぎた。
「夜はまだまだこれからだぜ、ビル」
「うん❤」
その言葉通り、幸福な恋人たちの夜は更けゆくのだった。
※ビルたゃがあまりにもちょろっちょろで♥とかついてます
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
何故この男と会うことになったのかさっぱり分からなかったが、ともかくビルは男とカフェで一緒にコーヒーを飲んでいる。この男と言うのは目の前に座っているマイク・チャドウェイだ。
「きみみたいな有名人と会うなんて変な感じだ」
「俺もあんたみたいなネットアイドルに会うなんて初めてのことだよ」
そう言ってチャドウェイは笑った。
そうなのだ。ビルは兄に勧められたTwitterで日常を呟いているだけでいつの間にかフォロワー数30万人のネットアイドルになってしまっていたのだ。
「ネットアイドルなんて言うなよ……きみがフォローした時から急に増えただけだよ。なんできみ、僕と会う気に?」
「ビルがかわいいからな」
「か、かわ?」
「ま、それもあるけど。ただ……なんか恥ずかしいな、前の彼女と、けっこうな大恋愛だったんだけどさ……まあ結局別れて。で結構くさくさしてて、そんな時にさ、ビルののーてんきなアイスが美味いのどーのとか青空がきれいだよーとか幸せそーな笑顔でツイートがさ、なんか凄い……救われた?みたいな。あんたがすげえいい人なんだなって笑ったりしてさ。それでフォローしたんだけど……迷惑だったか?」
「いや、変な人も増えたけど、良い人も増えたから……。割りと感謝してるよ。それにきみとはなんでか馬があったしね」
そうビルが言うとチャドウェイは安心したみたいに微笑んだ。チャドウェイはテレビで見るよりよっぽど優しそうで、ビルはこの人と会ってよかったな、なんて思っていた。次の台詞を聞くまでは。
「ビルのツイートに足りないのはセクシーさだな。教えてやろうか?」
そう言ってチャドウェイは見る者全てがときめくような、(もちろんビルも)笑みを浮かべた。
「せ、セクハラじゃないのか」
「全米をフラフラしてるんなら色っぽい話もあるだろ?」
「ないよそんなの!」
チャドウェイは大げさに驚いた顔をして言う。
「冗談だろ?あんたみたいにかわいい人が?」
「か、かわいいっていうな!」
「今までやったこと無いことに挑戦してるんだろ?男との恋愛は?」
ビルの言葉をまるっきり無視してチャドウェイはビルの手に自分の手を重ね、指で擽る。心臓がうるさかった。
「教えてやろうか?」
「やだよばか」
そう言ったあとは世間話なんかをして、また会う約束をして二人は別れた。ビルはホテルのフカフカのベッドに埋もれながら今日の事を思い出す。まあ、かわいい、とかいい人、とかあんなハンサムに言われるのは嫌ではなかった。
それから何度かデート、そう普通の男同士で遊ぶのとは明らかに違うものを繰り返す内に、ビルはチャドウェイの事を徐々に解り始めた。
チャドウェイが下ネタを言うのはただみんなが喜ぶから。女好きを公言しているのは誰も傍にいない孤独が怖いから。そして、なんと、そんな彼は自分にだけは誠実だということ。そんなわりと見た目にそぐわないナイーヴな男前な彼に口説かれるのは案外気分のいい事だということ。
はた、とビルはチャドウェイのことばかり考えている事に気づく。まさか、そんな。
慌てて兄に電話を掛ける。
「やあビル。人生楽しんでるか?」
「そうは言えないかも……」
「どうした?」
「ぼく、ぼくもゲイかも」
「え!?どうした急に」
「最近会ってる男友達に惹かれてるような気がするんだ!どうしよう……」
「ふーむ。まさかビルがねえ……。ジェスとはセックスできた?」
「うん」
「他の男と恋に落ちそう?」
「ううん」
そう言うと兄は面白そうな声で言う。
「じゃあ、その彼だけが特別なのかもな」
「そ、そう……なのかな……」
「なんか心理学じゃ一人の同性に恋したってゲイとは言わないって研究もあったらしいし、まあそんな深く考えなくていいだろ。いい男か?」
「……うん」
「上手く落せたら俺達にも紹介しろよ?」
「ふふ、分かった。ありがと兄さん」
「もしダメでも慰めてやるからな。じゃ、頑張れよ」
「うん、ありがとう。Bye、兄さん」
電話を切ったビルはなんだかふわふわしていた。そうか、自分は恋に落ちたのか。誰かに恋するなんて、最後はいつだったかも覚えてない。妙にくすぐったい気持ちのビルだった。
バーにでも行かないか、チャドウェイにそう言われて一も二もなく同意した。彼が選んだ店は恋人たちが行くのにピッタリの店だった。彼を意識してしまってビルは妙に緊張する。
「いい店だろ?」
「そうだね、女の子が喜びそう」
「ビルは?」
「え?もちろん嬉しいよ。チャド」
「良かった、今夜あんたに告白する気だからな」
チャドと呼ぶようにした(なにしろ知り合いにマイクが多すぎる)チャドウェイの爆弾発言にビルは目眩がした。女好きのマイク・チャドウェイが?自分に告白?もしかして両思いというやつなのか?ビルはいつもはのんびりしている自分の脳みそをフルスピードで稼働させる。しかし顔に血液が集まって真っ赤な顔になるのは止められなかった。
「本気で、言ってるのか?冗談なら笑えないぞ」
「冗談じゃないさ。ビルに惚れてるんだから。とっくにね」
その後の酒は記憶が無い。ビルはずっとチャドウェイの甘い台詞に気のない相槌を打ちながら、自分も好きだと彼に言うべきかどうかずっと考えていたのだ。
結局ビルは恋心を伝えられず、ホテルまで送ってもらった。
「じゃあな、ビル」
「うん……」
そう言うのがやっとなビルの顔を見てチャドウェイは笑った。
「ビル、あんたキスして欲しそうな顔してる。俺を紳士でいさせてくれよ」
そう言ってチャドウェイはビルの口唇を優しく撫でて素早く頬にキスをした。
「じゃ、またな」
「うん、じゃあね」
去っていくチャドウェイの後ろ姿を見てビルは自分の口唇に触れた。別に紳士じゃなくていいのに、そう思いながら。
数日後、美味しいイタリアンの店を知ってるから一緒に行かないか?そう懲りずにチャドウェイに誘われ、ビルは複雑な気持ちで了承した。チャドウェイが選んだ店はこじんまりとしているが清潔で本格的な出て来るカプレーゼもボロネーゼもマルゲリータも全てが美味い店だった。
食事を満喫した二人は食後酒を飲みながら妙に甘ったるい空気で話をする。
「突然誘ったのに悪いな、なにか用事は無かったのか?」
「うん、まあね」
「まあ、ビルも俺に惚れてるもんな」
そう言ってチャドウェイは脂下がった顔でビルを見る。
言われた方のビルはあまりにもびっくりしてチャドウェイを見つめてしまう。まさか、ばれていたなんて。慌てて否定するもチャドウェイの笑みが深くなるだけだった。
「う……、まぁそうだけどさ……。気持ち悪くないの?女好きのくせに」
「まさか!俺はビルに惚れてるって言っただろ?あれは本気だぜ」
そう言ったチャドウェイはちょっと驚くぐらいセクシーで、ビルの頭はポーッとなってしまった。
「はは、ビル、そんな顔してっとマジで食っちまうぞ」
「……いいよ、食べても」
そう呟くとビルの頬に血が集まって顔が桃色に染まる。今までの人生は何だったのか、自分はこんなに大胆になってしまったのか、と思った。そしてそれはなんだか妙に清々しかった。
二人で手近なモーテルの部屋になだれ込み、口づけを繰り返しながら服を脱がせ合う。そうして裸になった二人は交接のようなキスを交わし続け、お互いの唾液を啜り合う。
「キスが好き?」
「すき……ん、すき、きもちいい……」
「もっと気持ちよくなろうな、ビル」
チャドウェイは小さく笑い、軽いリップ音を立ててキスをしてベッドに寝転がったビルの足の間に移動する。そしてビルが止める間もなく下着を剥ぎ取ってビルのどんぐりを咥えきつく吸い上げる。ヘテロで女好きだったのが嘘のようにビルの男性器を咥えるのに興奮してしまう。
「ひぁ!ゃ、ンッ!ッ……!んぅうっ……!……ッ!はっ、く、ゥ……ん!」
あまりに反応が良くてチャドウェイはくすりと笑ってしまった。
「……ん、フェラ初めてってわけじゃないくせに」
「や!そ、けど、ぁ!喋んなぁあ……ひん!ぁ、こんな、こんなの知らな、んぅう❤イッちゃ、……んあアッ」
それを聞いてチャドウェイはビルのかわいいどんぐりの鈴口を舌を尖らせグリグリと刺激する。
「ひ、ぁあああ……ッ!!!」
初めて味わう男に与えられる快楽は理解し合えるだけに的確に与えられる責めにもう耐えられない、とばかりに声を上げてビルは達する。そしてそのどんぐりから発射された白濁液を嫌がる素振りも見せずチャドウェイは口に全て収め、ビルに顎を固定して口を開かせキスで唾液混じりのそれを飲ませる。
「ん、ぁ、やだ、不味ぃ……」
「っ、は、興奮してるくせに。……ビルはエッチだな?」
「んぁ……」
チャドウェイの言うとおり、喉を鳴らしながら膝に乗せられたビルはまた元気を取り戻しかけているどんぐりをチャドウェイのペニスに腰を揺らして擦りつけ、快感を得ようとしている。
「……はぁ、ビルの身体どこもさわり心地いいな……」
「気にしてんだよぉ……言うなぁ、ひゃ!」
ビルが文句を言っている間にチャドウェイは鍛えてると言うわりにはふわふわの胸に何度もキスを落とす。
「なんで?すげえカワイイよ」
「い、んんッ、〜ッ!そこダメぇ……っ」
チャドウェイのキスが胸の桃色のぷにぷにとした頂きに達すると、ビルの口から甘い悲鳴が上がる。
「感じる?」
「ん、んぅ……、ゃ、ん、くぅ……んッ!だめ、だめいっちゃうっ……ァア!」
「誰に開発されたんだ?……妬けるな、元妻?」
「ちが、んんッ、あ!は、ん、自分で、あ!ゃああああッ!!」
答えた瞬間に、既に赤く硬く勃ち上がったそれを強く吸われチャドウェイの歯が先端を掠め、嬌声があがる。それと同時にビルは信じられないほどの快感に溺れる。
「ほら、こっち触っていつもどうやってるか見せてくれよ」
「やだ、よぉ……ばかぁっひ、んぅッ!!あああ!」
片方に柔く噛みつかれ、もう片方に自分の指を無理やり触らされビルの頭が痺れる。もっとむちゃくちゃにしてほしい。もっと。そう思って自ら強く乳首をつまんでしまった。
「やぁああああああアッ❤❤」
「あぁ、ビル、最高だ……かわいいよ」
チャドウェイはそう言うと全身がが痺れているビルの頭を撫で、ベッドに押し倒す。そしてビルに自分の足を大きく広げて抱えさせる。そしてレストランから拝借したオリーブオイルの小瓶を取り出し、ビルの慎ましい穴を撫で広げ注ぎ込む。
「ぅ、あ、やだぁ、気持ち悪ぃ……」
「すぐに気持ちよくなる。覚悟しろよ」
そう言ってチャドウェイはキスのせいで赤くなった肉感的な口唇を舐めあげ、ビルの後孔に指を侵入させていく。
「んぅ、ゃ、何ぃ……やだぁ、うぅ、ん……、ああッ!!!?」
「ここ?」
「ゃだあ!あ!へん、へんん、ぅあぇ、なにこれぇ……ッ❤!!ひぁあ……や、腰、が、びりびりす、る!ぅ!!!ひんッ❤❤」
チャドに的確に前立腺を責められ、ビルは赤く腫れたどんぐりからダラダラと透明な蜜を垂らしている。それを見て自分にすがるビルの肩にキスして充分に柔らかくなったビルの秘所にペニスをねじ込み、ビルを激しく穿つ。
「!!!……ッウ!!ひ、ああ!や!ひ、ちゃ、ど!や、あっあっあっあ!」
「は、ッ!」
熱い息を吐くチャドウェイの短髪にビルは指を絡ませ縋る。こんな感覚は、知らない。
「ひんっ、ゃああちゃど、怖いぃいい……!!」
「ビル、大丈夫ビル、俺は、っふ、あんたが気持ちいいことしかしない、な?」
そう言ってチャドは優しく頭を撫で、宥めるようにビルの額にキスをする。上の方では優しくされ、下半身では前立腺を突かれ、ビルはもう何がなんだか分からないまま与えられる快楽に溺れきってしまう。
「あ、ぁあ!待って、やぁ!あ!あぁ……ッ❤」
チャドウェイは声をあげうねり締め付けるビルの肉壁を堪らず何度も何度も擦る。柔らかく誘うビルの肉壁による刺激で絶頂の予感にスキンをつけていないチャドウェイは何とかペニスを引きずり出し、達した。びゅっ、びゅ、びゅく、とビルの赤く腫れた狭穴に熱い精液がかかる。
「ひ、ゃああああああああんッ!!!!」
「は、嘘だろ……あんたぶっかけられてイッたのか……?」
そうチャドウェイは頭を抱え言うと性感でフラフラしているビルを腰の上に乗せ、再び猛り立った己のペニスを興奮のままねじ込み、ビルの身体を揺すぶる。
「んあぁ!!ひぁ、や!ん!あ、ゃあ、ぅ!や、あ❤ぁああああ……ッ、ちゃど、ちゃどぉ……!!」
「クッ、ぁあ、ほんと最高……」
チャドウェイは桃色に染まったビルの尻たぶを何度もこねくり回しては広げ、逃げる腰を掴み深く落とさせ穿つ。
「ゃあふ、んんッ!おしり、おしりやだぁぁぁ❤❤❤……んぅ、ん!ん!や、ア!きちゃう!きちゃうからあぁぁ!!おしりだめ……ッ!!!」
そう甘い悲鳴を挙げてビルは許しを乞うようにチャドの顔のあたりにキスをどうにか繰り返す。
「は、っふ、ビル、ビルそれじゃもっとやってくれって、言ってるみたい、なもんだ、ぜ!」
「ゃああああああああああッ!!!!!」
台詞を吐き終えると同時に奥まで抉るようにチャドウェイが突き立てると、ビルは悲鳴をあげて絶頂を迎えた。そしてチャドウェイは快感で震えるビルの手をどんぐりに誘導する。
「……ぅそ、んぅ、ぼく、ぼくせーしでてなぃ……?んぇ、なんでえ……」
「は、ビル、分かるか、あんた女みたいに後ろだけでイッたんだよ……」
その言葉がビルの脳みそに届いた瞬間、ビルの身体を脳天から爪先まで電流が走り、チャドウェイを咥え込んだまま身悶えてしまう。
「うそ、うそぉ……❤」
「ぁあ……堪らないな……ビル、気持ちいいよ」
そう言うチャドウェイに思わずビルは後ろをきゅぅうんと締め付けてしまう。そのうねりにチャドウェイは唸り声をあげる。
「ほんと?ほんとにきもちい?」
官能で両足をガクガク震わせながらチャドウェイの両頬を包み瞳を見て必死にビルは言う。
「はは、ああ。あんたに惚れたのは、俺が先なんだぜ……そんな相手と、ん、ファックして気持ちよくないわけ無いだろ?」
そう言ってセクシーに笑うチャドウェイにビルはもう堪らなくなってしまう。キスをしながら泣き声のような音色で言う。
「んッ、あ、ゃあ、ちゃど、好きぃいい、あン!や、ちゃどおしり止まんないぃい……!すき、好きチャド……、もっとして❤、もっときもちくしてぇ……❤」❤
「クソっ!ビル、もう優しく出来ないぞ……!!!」
そう唸りながら言うとチャドウェイはビルを押し倒し、真上からお互いの恥骨がぶつかり音を立てるほど深く貫く。
「ひぅ!ぁあッ!う”、あぁ!んゃ、ちゃど、まいき、まいきぃい……!!」
「ハッ、ハッ、ぁあ、ビル!!!」
「だめ、だめ、そんな、あァ!そん、した、らぁ!ひぁああ!死んじゃ、しんじゃうううう……ッッ❤」
「はっ、はッ!俺とじゃ、嫌か?」
そう手を取って優しくキスされながら言われては、ビルの答えは一つだった。
「んへ、ふふ、それなら、ぁん!ん!いい、よぉ……ッ!ぁあああああッ!!!!!!」
チャドウェイが精を体内に放ったのを感じ、ビルの顔に自らの精液がぱたぱたとかかる。それは二人の情感をを煽るには十分すぎた。
「夜はまだまだこれからだぜ、ビル」
「うん❤」
その言葉通り、幸福な恋人たちの夜は更けゆくのだった。
このえっちな夢を見ちゃったベン
http://incerta.tsuyushiba.com/has%20fallen/president%20has%20fallen
の続きっぽいやつ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
この一連の出来事はベンがマイクとの情事を夢で見てしまい、それが本人にバレてしまった件から端を発している。今夜を楽しみにしていろ、その言葉通り何をどうしたのかマイクは合衆国大統領の主寝室に押し入り、その主人に不貞を働いている。そし てその主人に対し腹を立てている。それというのも勤務中に大統領命令で食べさせられたゼリーに媚薬が混ぜられていたのだ。それによる化学反応も有り、ベンに音を立て、遺憾ながらむしゃぶりついている。
「おい、ッは、ベン、俺に何を盛ったんだ、言えよ」
獣じみたギラギラと緑に光る瞳でベンを尋問する。
「……っ、わたしは、ただきみがやりやすくなるかと、っふ、思って」
青空を集めたような眼を細めて弁解するベンに、マイクは知らないからな、と吐き捨て総てを喰らい尽くすような口づけをした。
「こんなことをして、あんた処女だろ、酷くされると思わなかったのか」
バツバツと釦を弾きシャツを剥きながら肩に噛み付いてマイクは唸る。しかしベンは艶然と微笑んで嘯く。
「きみが、わたしに、ひどいことができるのかい?」
「っ、……覚悟しとくんだな」
憎まれ口を叩くと、少ない灯りに晒されて光に浮かぶベンの肩を齧り乱暴に彼のスラックスと下着を剥いだ。いたいけに赤く腫れたベンの性器は頭を擡げかけており、マイクは思わず生唾を飲んだ。それから自分の性的魅力がベンに充分に効いていることににやついて、ベッドに投げ出されたままのベンの両手を取り前を開いたシャツを羽織っただけの鍛え上げた自らの身体に這わせる。
「これは今、全部あんたのもんだ」
ベンは堪らず艶のある溜息をついた。それを聞いたマイクは唇を舐めあげると、そのままそのベンの文人らしい手を自らの雄まで誘導する。
「薬のせいだけじゃないぜ、アンタにブチ込みたくてこうなってる」
ベンは赤黒く怒張したそれを震える手でそっと握る。そして小さく息を詰める。
「ど、どうすれば……」
潤んだ眼で見上げられ、マイクはクラクラする頭を叱咤激励してベンの手を握り、そのベンの美しい手に包まれた己の肉棒にローションを垂らし、自分の手を重ね彼の手を上下させる。
「一回、ヌいてくれ、は、ベン……。でなきゃ、ふッ、あんたを抱き殺しちまう」
はっ、と小さく息を吐きベンは覚悟して手をゆるゆると上下させ始める。そうしているとマイクの吐息が甘くなり、眉を顰めて快感を得ている事がはっきりと分かる様になった。この夜の獣みたいな美しい男に、自分は抱かれるのだ。そう実感するとベンの身体中の血液が頭に集まり、興奮で眼に涙が滲む。小さく唾液を飲み込むと、その首に柔く噛みつかれる。
「は……いいぜ、ぁあ……ベン、上手だ」
褒めるように頬にキスをしてやると薄い頬の皮膚を桃色に染めて顔を背ける。それに構わずマイクは腰を振り、絶頂を迎えた自分の精液がベンの柔らかな下腹部を叩くのを見る。それを指ですくいベンの後孔に精液まみれの指を這わせた。
「っん……は、これは、流石に、不敬じゃないの、か」
マイクはべろりと大統領閣下の唇を舐めて言う。
「だが、アンタの望む総てを与えてやるぜ」
そう言ってマイクは汚れた指でベンの秘部を無遠慮に皺を伸ばすように撫で回す。
「どうして欲しい、ベン」
「ぁア、……マイク……!ッは、ぁ……ひ、ぅ、きみの、すきに、してくれ……」
「仰せの通りに」
そうマイクは大仰に言うと従順なベンの震える内腿を撫で、キスを落としながら、大きく開かせる。そしてベンの狭穴にローションが溢れる程注ぎ込んだ。ベンは震えながら悲鳴のような息を吐くしかできなかった。
「指、入れるぞ」
「ぅ、ああっ!や、マイク、……ンぅ!!」
ベンの訴えに応えて少しでも楽にしてやろうとマイクはその喘ぎっぱなしの口にキスをして、すべらかなベンの舌を長いそれで絡め取るように翻弄する。
「んぅ、んっ……は、ぁ、ダメ、だめだまいく……」
「嫌か」
「そうじゃな、こん、ふ、こん、な、こんな、はぁっ……んぅ」
確かに、それはただの性欲処理では済まないような口付けだった。しかし今の二人に止められようもなく、甘いリップ音とぐちぐちと淫らな水音が口内を侵す。その音と快感でベンの秘部も緩み、マイクの指を受け入れて中がうねるように誘う。その誘いに乗ったマイクはベンの腰の下に枕を入れ、白く引き締まった両脚を肩に乗せ陰茎を擦りあげる。そしてお互いの雄にゴムをつける。清廉潔白な大統領の寝台が精液塗れではまずい。マイクはそう考えをなんとか巡らせたのだった。
「ベン、ほらしっかり見て、感じるんだ……あんたのその綺麗な腹が俺のでいっぱいになってくのが夢じゃないってな」
小さく悲鳴を上げたベンはマイク自身をズ、ぐちゅ、といやらしい音を立て自らの体内に受け入れているのを見て目眩がした。ぎゅと目を閉じ羞恥と苦しさを耐えているベンにマイクがその柔らかな枯草色の体毛に守られた下腹部を撫で、甘い声で命令する。
「ベン、しっかり見てろ」
「ゃ、あ……まいく……」
「は、動くぞ」
「……っ!?はぁッ!あ!や、なに、ぅ、ふっ……あ!」
「ふ、ふっ、ベン、アンタ最高だ」
突然深くまで穿たれ、その余りの衝撃にベンは声が上擦る。
「ヒッ!ぅ、や、や、あ!は!あっや、っひ!マイク、まい……ッ!やだぁ!熱い!!あっあっあッ!!」
「はっ、はっ、はっ!ベン、ベン…………!!」
激しく突かれ嬌声が止まらない。マイクに翻弄されるままだった。その悲鳴のような声に煽られ、マイクはまるでベンを自分のものにするように腰を繰り返し打ち付け続ける。嫌だ嫌だと言う割にはベンの肉壁は情熱的にマイクの剛直を締め付ける。
「あぁ……、は、はッ、クソ、ベン、出すぞ!」
「やぁぁああぁ……!う、ぁ…………、あ……ぁ……」
自分で彼が絶頂を迎えた、そう何秒か遅れて理解したベンは、なぜか多幸感で満たされていく。熱くて苦しくてたまらないのにずっとこうしていたいとすら思う。
「ほら、後ろ向いてくれ」
そう言うマイクに逆らうこともできず、ベンは軽々とひっくり返された。
「まだまだ付き合ってもらうぜ、お望みどおり」
そう低く甘くベンの耳に注ぎ込むと、体格の割に細いベンの腰を上げさせ、尻を突き出す格好にさせた。支配欲が満たされ、マイクは更に興奮してはくはくと収斂を繰り返すベンの後孔にまだまだ元気な己を擦りつけた。ひくり、と反応するのが可愛らしい。
「いくぞ……ふっ、」
「ん、ぁ、あ!う"、あぅ!まい、まいく、や、苦し、はっ!はっ!ばかぁ、イキたい!ァ!ひぃ、ン!も、はぁ、あぁ、イカせろ……っ!んぅ!!」
耐えられず涙を零し振り向いたベンの横顔は暴力的なまでに美しかった。
「ああ、いいぜ……」
そう言ってシーツを握りしめていたベンの手を取り己のペニスを握らせる。
「マイク、まい、ひ、あ!んんッ、あ、は、はっ、はァ!」
マイクは腰を止めることなくベンの手に自らの手を重ねてベンの勃ち上がった自身を自慰のように上下に擦らせる。
「ゃだ、ヒッ、くぅ……、ひ、もうダメ、や、アァぁあ………………っ!!!!!」
マイクは絶頂を迎えて逃げを打つベンの桃色に染まった腰を色が白くなるほど強く掴み、小ぶりなその尻を何度も穿つ。
「ッ!!ぅぐ……は、はぁッ!!!や、ぁまいく、イッた、からぁ!ひ、いや、ぁ、アア!」
「悪い、もうちょっと、ふっ、付き合って、くれ」
「ひぅ、や、やァッ!あ、ンぅ!待っ、許し、て、ゆるして、マイク、ぁア!!」
「ッは、あんた、最高だ……。く、ふッ、は、イクぞ……!」
「ゃあああ、ンぅアっ!ゃ、ダメ、こわ、やぁあ……!!ひぁああアアアア……ッ」
びしゃ、と再びお互い避妊具に精液を吐き出し、好き勝手に扱われ本格的に泣き出してしまったベンをマイクは向かい合わせになるようにして膝に乗せ、涙をキスで拭い抱きしめる。
「ベン、ベン……悪い、ベン……。すまなかった、俺は、あんたを大事にすべきなのに」
「ぁ、ふ、いいんだ、マイク……悪いのは、わたしなんだから。おまえがヘテロだから、やりやすくなるかと、思ったとはいえ、薬なんて……フェアじゃなかった。すまない」
ベンは疲労も見せず気丈に微笑んでそう言い、マイクの肩に頭を預ける。その夜に沈んだみたいな金色の髪を梳いてやり、髭でざらつく頬に何度もキスをする。
「……は、マイク、まだ元気だな……」
「ずっとあんたの中に居たいくらい気持ちいいからな……あんたも、中がうねってる」
「ん……、きもちい…………」
そう言ってマイクは自身を咥えこんでいるベンの小ぶりな尻を煽るように左右に広げ揉む。
「んぁ……、」
「あんたを、もっと、気持ちよくしたい……」
そう自分とベンの指を絡ませてしっかりと握って口付けて言い、マイクは高い鼻梁で甘えたようにベンの顔を擽り、小さく笑ったベンの顔中にキスをしていく。涙で少し辛かった。そうして徐々に唇の位置を下げていく。首筋、喉仏、鎖骨のくぼみ、それから胸、ツンと上を向いて勃ち上がった赤く染まった胸の飾り。その愛らしい乳暈や尖る頂きに何度もキスをしていると、ベンが泣き言を言う。
「そんな、とこ、ふっ……、なに、ぁうう……」
「感じてるな?いいだろ、これも」
そう言ってぴちゃぴちゃと音を立てて乳首を舐めたり吸い上げたりして可愛がっていると、ベンの肉壁がきゅうんとマイクの剛直を締め付ける。いやいやをする様に頭を振ってマイクのがっしりとした肩を弱々しく押そうとするベンの手を捕まえる。そうしてマイクはベンを熱く見つめながら美しい白い指に舌を這わせる。思わずびくりと跳ねたベンに口の端を挙げて笑う。マイクはいつも好ましく思っているベンの二本の指を殊更ゆっくりと口に収め、いやらしく長い舌を絡ませる。そしてベンの中心を口淫するのと同じように咥え、頭を動かす。マイクの唾液でテラテラと光る自分の指を見ていられなくてベンは顔を背けた。指の股を舐められ、熱い息を吐きながら懇願する。
「も、マイク、やだ、それ……離してくれ……んッ」
「どうして。ずいぶん気持ち良さそうじゃないか」
「だか、ら、やだぁ……」
弱々しく哀願しているベンだったが、気づかないうちにマイクの割れた腹筋に肉茎を擦り付け快楽を得ている。それがどうにも愛しくてマイクは顔中から赤くなった肩まで無茶苦茶に口付け、歯を立てた。
「まいく、まい、く……うごいて、くれ、はぁッ、いっしょに、イキた……ぁ、ン!」
「……っ、それ反則だぞ……」
そう言ってマイクはしっかりと二人の指を絡ませながらベンをベッドに沈める。体勢を変えたために体内のマイクが出ていってしまいそうでベンは焦ってその楔の張り出しを締め付ける。
「ぅ、はッ、ベン、ベン……!!」
「ひぁあ……!はあぁ……ンぅ、あ!」
最高級のベッドが軋んだ音を立てるほど二人は激しく腰を振る。マイクのフランキンセンスと噎せ返る程の雄の甘美な匂いにベンの脳は痺れ、大きく開かされた足の指が快感に耐えようとぎゅうと丸くなる。そして二人は舌を絡め合い高みへと向かう。
「ひ、んんっ……やぁあ、くる、くるぅう、も、ぁあ!!マ、イク、マイク!!!」
「はっ、ベン…………!」
「ん、ぁああッ、アあぁっーーーーーー!!」
−−−−−−−−−−
「疲れですね、よくお休みになってください」
「ありがとうドクター」
翌日、マイクに激しく抱かれたせいで身体の節々が痛み、ぼんやりとして眼を潤ませるベンを心配したコナーや秘書にに医者を呼ばれてしまった。なんとか誤魔化し一人になったベンの部屋にマイクがにやにやと笑みを浮かべて入ってきた。
「今日が休日で良かったな」
「まいく……」
「大丈夫か?赤くなってる」
そう言ってベンの目元を触ると大きく身体が跳ねる。
「それで?どうだった?」
そうデリカシーのない事を聞くマイクを咎めること無くベンはふわふわとしながら答える。
「ん……きょうのほうが、きもちいい……。君をかんじるんだ、ぜんしんが。まいく?マイクどうした?おなかでも痛いのか?マイク?マイク?」
今日もホワイトハウスは平和である。
http://incerta.tsuyushiba.com/has%20fallen/president%20has%20fallen
の続きっぽいやつ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
この一連の出来事はベンがマイクとの情事を夢で見てしまい、それが本人にバレてしまった件から端を発している。今夜を楽しみにしていろ、その言葉通り何をどうしたのかマイクは合衆国大統領の主寝室に押し入り、その主人に不貞を働いている。そし てその主人に対し腹を立てている。それというのも勤務中に大統領命令で食べさせられたゼリーに媚薬が混ぜられていたのだ。それによる化学反応も有り、ベンに音を立て、遺憾ながらむしゃぶりついている。
「おい、ッは、ベン、俺に何を盛ったんだ、言えよ」
獣じみたギラギラと緑に光る瞳でベンを尋問する。
「……っ、わたしは、ただきみがやりやすくなるかと、っふ、思って」
青空を集めたような眼を細めて弁解するベンに、マイクは知らないからな、と吐き捨て総てを喰らい尽くすような口づけをした。
「こんなことをして、あんた処女だろ、酷くされると思わなかったのか」
バツバツと釦を弾きシャツを剥きながら肩に噛み付いてマイクは唸る。しかしベンは艶然と微笑んで嘯く。
「きみが、わたしに、ひどいことができるのかい?」
「っ、……覚悟しとくんだな」
憎まれ口を叩くと、少ない灯りに晒されて光に浮かぶベンの肩を齧り乱暴に彼のスラックスと下着を剥いだ。いたいけに赤く腫れたベンの性器は頭を擡げかけており、マイクは思わず生唾を飲んだ。それから自分の性的魅力がベンに充分に効いていることににやついて、ベッドに投げ出されたままのベンの両手を取り前を開いたシャツを羽織っただけの鍛え上げた自らの身体に這わせる。
「これは今、全部あんたのもんだ」
ベンは堪らず艶のある溜息をついた。それを聞いたマイクは唇を舐めあげると、そのままそのベンの文人らしい手を自らの雄まで誘導する。
「薬のせいだけじゃないぜ、アンタにブチ込みたくてこうなってる」
ベンは赤黒く怒張したそれを震える手でそっと握る。そして小さく息を詰める。
「ど、どうすれば……」
潤んだ眼で見上げられ、マイクはクラクラする頭を叱咤激励してベンの手を握り、そのベンの美しい手に包まれた己の肉棒にローションを垂らし、自分の手を重ね彼の手を上下させる。
「一回、ヌいてくれ、は、ベン……。でなきゃ、ふッ、あんたを抱き殺しちまう」
はっ、と小さく息を吐きベンは覚悟して手をゆるゆると上下させ始める。そうしているとマイクの吐息が甘くなり、眉を顰めて快感を得ている事がはっきりと分かる様になった。この夜の獣みたいな美しい男に、自分は抱かれるのだ。そう実感するとベンの身体中の血液が頭に集まり、興奮で眼に涙が滲む。小さく唾液を飲み込むと、その首に柔く噛みつかれる。
「は……いいぜ、ぁあ……ベン、上手だ」
褒めるように頬にキスをしてやると薄い頬の皮膚を桃色に染めて顔を背ける。それに構わずマイクは腰を振り、絶頂を迎えた自分の精液がベンの柔らかな下腹部を叩くのを見る。それを指ですくいベンの後孔に精液まみれの指を這わせた。
「っん……は、これは、流石に、不敬じゃないの、か」
マイクはべろりと大統領閣下の唇を舐めて言う。
「だが、アンタの望む総てを与えてやるぜ」
そう言ってマイクは汚れた指でベンの秘部を無遠慮に皺を伸ばすように撫で回す。
「どうして欲しい、ベン」
「ぁア、……マイク……!ッは、ぁ……ひ、ぅ、きみの、すきに、してくれ……」
「仰せの通りに」
そうマイクは大仰に言うと従順なベンの震える内腿を撫で、キスを落としながら、大きく開かせる。そしてベンの狭穴にローションが溢れる程注ぎ込んだ。ベンは震えながら悲鳴のような息を吐くしかできなかった。
「指、入れるぞ」
「ぅ、ああっ!や、マイク、……ンぅ!!」
ベンの訴えに応えて少しでも楽にしてやろうとマイクはその喘ぎっぱなしの口にキスをして、すべらかなベンの舌を長いそれで絡め取るように翻弄する。
「んぅ、んっ……は、ぁ、ダメ、だめだまいく……」
「嫌か」
「そうじゃな、こん、ふ、こん、な、こんな、はぁっ……んぅ」
確かに、それはただの性欲処理では済まないような口付けだった。しかし今の二人に止められようもなく、甘いリップ音とぐちぐちと淫らな水音が口内を侵す。その音と快感でベンの秘部も緩み、マイクの指を受け入れて中がうねるように誘う。その誘いに乗ったマイクはベンの腰の下に枕を入れ、白く引き締まった両脚を肩に乗せ陰茎を擦りあげる。そしてお互いの雄にゴムをつける。清廉潔白な大統領の寝台が精液塗れではまずい。マイクはそう考えをなんとか巡らせたのだった。
「ベン、ほらしっかり見て、感じるんだ……あんたのその綺麗な腹が俺のでいっぱいになってくのが夢じゃないってな」
小さく悲鳴を上げたベンはマイク自身をズ、ぐちゅ、といやらしい音を立て自らの体内に受け入れているのを見て目眩がした。ぎゅと目を閉じ羞恥と苦しさを耐えているベンにマイクがその柔らかな枯草色の体毛に守られた下腹部を撫で、甘い声で命令する。
「ベン、しっかり見てろ」
「ゃ、あ……まいく……」
「は、動くぞ」
「……っ!?はぁッ!あ!や、なに、ぅ、ふっ……あ!」
「ふ、ふっ、ベン、アンタ最高だ」
突然深くまで穿たれ、その余りの衝撃にベンは声が上擦る。
「ヒッ!ぅ、や、や、あ!は!あっや、っひ!マイク、まい……ッ!やだぁ!熱い!!あっあっあッ!!」
「はっ、はっ、はっ!ベン、ベン…………!!」
激しく突かれ嬌声が止まらない。マイクに翻弄されるままだった。その悲鳴のような声に煽られ、マイクはまるでベンを自分のものにするように腰を繰り返し打ち付け続ける。嫌だ嫌だと言う割にはベンの肉壁は情熱的にマイクの剛直を締め付ける。
「あぁ……、は、はッ、クソ、ベン、出すぞ!」
「やぁぁああぁ……!う、ぁ…………、あ……ぁ……」
自分で彼が絶頂を迎えた、そう何秒か遅れて理解したベンは、なぜか多幸感で満たされていく。熱くて苦しくてたまらないのにずっとこうしていたいとすら思う。
「ほら、後ろ向いてくれ」
そう言うマイクに逆らうこともできず、ベンは軽々とひっくり返された。
「まだまだ付き合ってもらうぜ、お望みどおり」
そう低く甘くベンの耳に注ぎ込むと、体格の割に細いベンの腰を上げさせ、尻を突き出す格好にさせた。支配欲が満たされ、マイクは更に興奮してはくはくと収斂を繰り返すベンの後孔にまだまだ元気な己を擦りつけた。ひくり、と反応するのが可愛らしい。
「いくぞ……ふっ、」
「ん、ぁ、あ!う"、あぅ!まい、まいく、や、苦し、はっ!はっ!ばかぁ、イキたい!ァ!ひぃ、ン!も、はぁ、あぁ、イカせろ……っ!んぅ!!」
耐えられず涙を零し振り向いたベンの横顔は暴力的なまでに美しかった。
「ああ、いいぜ……」
そう言ってシーツを握りしめていたベンの手を取り己のペニスを握らせる。
「マイク、まい、ひ、あ!んんッ、あ、は、はっ、はァ!」
マイクは腰を止めることなくベンの手に自らの手を重ねてベンの勃ち上がった自身を自慰のように上下に擦らせる。
「ゃだ、ヒッ、くぅ……、ひ、もうダメ、や、アァぁあ………………っ!!!!!」
マイクは絶頂を迎えて逃げを打つベンの桃色に染まった腰を色が白くなるほど強く掴み、小ぶりなその尻を何度も穿つ。
「ッ!!ぅぐ……は、はぁッ!!!や、ぁまいく、イッた、からぁ!ひ、いや、ぁ、アア!」
「悪い、もうちょっと、ふっ、付き合って、くれ」
「ひぅ、や、やァッ!あ、ンぅ!待っ、許し、て、ゆるして、マイク、ぁア!!」
「ッは、あんた、最高だ……。く、ふッ、は、イクぞ……!」
「ゃあああ、ンぅアっ!ゃ、ダメ、こわ、やぁあ……!!ひぁああアアアア……ッ」
びしゃ、と再びお互い避妊具に精液を吐き出し、好き勝手に扱われ本格的に泣き出してしまったベンをマイクは向かい合わせになるようにして膝に乗せ、涙をキスで拭い抱きしめる。
「ベン、ベン……悪い、ベン……。すまなかった、俺は、あんたを大事にすべきなのに」
「ぁ、ふ、いいんだ、マイク……悪いのは、わたしなんだから。おまえがヘテロだから、やりやすくなるかと、思ったとはいえ、薬なんて……フェアじゃなかった。すまない」
ベンは疲労も見せず気丈に微笑んでそう言い、マイクの肩に頭を預ける。その夜に沈んだみたいな金色の髪を梳いてやり、髭でざらつく頬に何度もキスをする。
「……は、マイク、まだ元気だな……」
「ずっとあんたの中に居たいくらい気持ちいいからな……あんたも、中がうねってる」
「ん……、きもちい…………」
そう言ってマイクは自身を咥えこんでいるベンの小ぶりな尻を煽るように左右に広げ揉む。
「んぁ……、」
「あんたを、もっと、気持ちよくしたい……」
そう自分とベンの指を絡ませてしっかりと握って口付けて言い、マイクは高い鼻梁で甘えたようにベンの顔を擽り、小さく笑ったベンの顔中にキスをしていく。涙で少し辛かった。そうして徐々に唇の位置を下げていく。首筋、喉仏、鎖骨のくぼみ、それから胸、ツンと上を向いて勃ち上がった赤く染まった胸の飾り。その愛らしい乳暈や尖る頂きに何度もキスをしていると、ベンが泣き言を言う。
「そんな、とこ、ふっ……、なに、ぁうう……」
「感じてるな?いいだろ、これも」
そう言ってぴちゃぴちゃと音を立てて乳首を舐めたり吸い上げたりして可愛がっていると、ベンの肉壁がきゅうんとマイクの剛直を締め付ける。いやいやをする様に頭を振ってマイクのがっしりとした肩を弱々しく押そうとするベンの手を捕まえる。そうしてマイクはベンを熱く見つめながら美しい白い指に舌を這わせる。思わずびくりと跳ねたベンに口の端を挙げて笑う。マイクはいつも好ましく思っているベンの二本の指を殊更ゆっくりと口に収め、いやらしく長い舌を絡ませる。そしてベンの中心を口淫するのと同じように咥え、頭を動かす。マイクの唾液でテラテラと光る自分の指を見ていられなくてベンは顔を背けた。指の股を舐められ、熱い息を吐きながら懇願する。
「も、マイク、やだ、それ……離してくれ……んッ」
「どうして。ずいぶん気持ち良さそうじゃないか」
「だか、ら、やだぁ……」
弱々しく哀願しているベンだったが、気づかないうちにマイクの割れた腹筋に肉茎を擦り付け快楽を得ている。それがどうにも愛しくてマイクは顔中から赤くなった肩まで無茶苦茶に口付け、歯を立てた。
「まいく、まい、く……うごいて、くれ、はぁッ、いっしょに、イキた……ぁ、ン!」
「……っ、それ反則だぞ……」
そう言ってマイクはしっかりと二人の指を絡ませながらベンをベッドに沈める。体勢を変えたために体内のマイクが出ていってしまいそうでベンは焦ってその楔の張り出しを締め付ける。
「ぅ、はッ、ベン、ベン……!!」
「ひぁあ……!はあぁ……ンぅ、あ!」
最高級のベッドが軋んだ音を立てるほど二人は激しく腰を振る。マイクのフランキンセンスと噎せ返る程の雄の甘美な匂いにベンの脳は痺れ、大きく開かされた足の指が快感に耐えようとぎゅうと丸くなる。そして二人は舌を絡め合い高みへと向かう。
「ひ、んんっ……やぁあ、くる、くるぅう、も、ぁあ!!マ、イク、マイク!!!」
「はっ、ベン…………!」
「ん、ぁああッ、アあぁっーーーーーー!!」
−−−−−−−−−−
「疲れですね、よくお休みになってください」
「ありがとうドクター」
翌日、マイクに激しく抱かれたせいで身体の節々が痛み、ぼんやりとして眼を潤ませるベンを心配したコナーや秘書にに医者を呼ばれてしまった。なんとか誤魔化し一人になったベンの部屋にマイクがにやにやと笑みを浮かべて入ってきた。
「今日が休日で良かったな」
「まいく……」
「大丈夫か?赤くなってる」
そう言ってベンの目元を触ると大きく身体が跳ねる。
「それで?どうだった?」
そうデリカシーのない事を聞くマイクを咎めること無くベンはふわふわとしながら答える。
「ん……きょうのほうが、きもちいい……。君をかんじるんだ、ぜんしんが。まいく?マイクどうした?おなかでも痛いのか?マイク?マイク?」
今日もホワイトハウスは平和である。
リクのじぇりあろおねショタえっち……になってるかな?
ジェリーCEO×アーロンカフェ店長の話。
−−−−−−−−−−−−−−
「ジェニファー、ティムはどうした?」
「車に凍ったリスがぶつかったから遅刻するって」
「はぁ?」
「冗談、子供さんが病気だから病院寄ってから出勤でジュリアは産休、ジョーイは用事で社外に。だから新入りくんを使って。いい子よ?ロバート!こっちに」
Bloody hell, そうよろしくない言葉で小さく悪態をつくとジェリーはにこやかに振り向くと目を輝かせた新人と握手をした。
「よろしくな、ロバート」
「はい!社長、よろしくお願いします!」
緊張感しているのか興奮しているのか妙に元気いっぱいな様子にジェリーは苦笑する。
「社長、コーヒーをどうぞ!」
「ああ、ありがとう」
一口飲んで吹き出しそうになった。砂糖はおそらく3つで甘すぎ、牛乳はノンファットで味気がない。ジェリーが好むのはエクストラショット、低脂肪ミルクのカプチーノだ。しかも隣のチェーン店のやつだ。
「ロバート、ジェニファーと今日の予定を再確認しててくれ」
「あ、ハイ!」
もうやったんだけどな、ロバートはそういう顔をしているが無視して急いでエレベーターに乗った。早くいつものコーヒーが飲みたい。一口飲んだだけのコーヒーはすれ違いざまの誰かに押し付けた。
社の隣にあるコーヒーショップに何年かぶりに入ると、レジにいる店員に目を惹かれた。いや、正確に言うと目を奪われた。そこだけ雲が割れ天上の光が差し込んだかのように輝いていたのだ。その麗しの君はジェリーに微笑みかけ、柔らかな声で言った。
「いらっしゃいませ」
教会のカリヨンが祝福の音を響かせたようだった。ジェリーはあまりの衝撃でふらつきながら彼のレジへと吸い寄せられた。
「あー……、ええっと、グランデでショット追加のカプチーノ、2%ミルクで」
「ありがとうございます、お名前は?」
「ジェリーだ」
「OK、ジェリー。4.55ドルです」
「ああ、カードで」
「こちらに」
そう差し出された機械に差し込むべくカードケースから一枚抜き出す。
「わ」
「 何か?」
天使のような愛らしく小さい声を漏らした彼、ーー名札によればアーロン(なんと美しい名前!)ーーに尋ねると、彼は恥ずかしそうに笑って言う。
「いえ、あの、ブラックカードを見るのは初めてで……。すみません」
そう非礼を詫びると、アーロンは頬を少し染めはにかんだ。
かわいい。はちゃめちゃにかわいい。
自分と同年代の男に抱く感情ではないような気もするが、とにかくアーロンは少なくともジェリーの目にはかわいらしく映った。いや、かわいくないと言う人間がいたら世界で数本の指に入る優秀な脳外科医を紹介するところだ。コーヒーの紙カップに書かれた自分の名前とスマイルマークに踊りださんばかりにジェラルドは浮かれて店を後にした。人生で一番美味しいコーヒーだった。
「ジェリー!」
「どうした、ジェニファー」
「緊急、カード会社から。不正使用の可能性だって」
「何?ありがとう」
形のよい眉を顰めた秘書長から電話を受け取る。
「バトラーだ」
「いつもお世話になっております、担当のキース・ウィリアムズです。早速ですがお客様のカードからここ数日少額のお取引が見られまして、緊急にカードを停止しております。何か心当たりはございますか?」
少額の取引。しばらく考え込んだジェリーだったが、手元のコーヒーを見て気がついた。
「金額は全部4.55ドルか?」
「そうです」
「ああ、なら全て私が使ったものだ」
「佐用ですか、了解いたしました。ではカードのご利用の再開でよろしいでしょうか」
「頼むよ。迷惑をかけたね」
「いえとんでもございません。少々手続きにお時間いただきますが、早急にご利用を再開させていただきます」
「ありがとう、では失礼」
「お時間いただきありがとうございました。失礼いたします」
電話を切ってジェリーは思わず目を覆って笑いだしてしまった。その様子を見てジェニファーは訝しげに尋ねた。
「なんだったの?」
「いや、ここ最近コーヒーを自分で買ってただろ?それが安すぎてカードを止められた」
はは、と思わず声を上げて笑うジェリーに彼女は呆れた顔をした。
「まさかブラックカードで買ってたの?信じられない!」
「小銭が無くて」
「じゃ、次は秘書に買わせるかプリペイドカードを買うのね。あなたみたいなおかしな人間のために450ドルぐらいの特別なカードがあるはず」
言外に馬鹿ね、と込めてジェニファーが言う。苦笑してみせるが、彼女のそういうところが気に入っている。
「じゃあ今日のディナーで店に行って買うよ」
「あきれた、誰目当てなんだか。まあいいけど。20時のフライトには絶対に間に合うようにね!」
「OK」
そんなことをやり取りしていると、ジェリーのオーデマ・ピゲ ロイヤルオーク クロノグラフが18時36分を告げた。飛び出すようにしてアーロンのいるコーヒーショップに向かう。彼のタイムシフトはほぼ完璧に記憶している。さっきのカードの話をしたらきっとアーロンはおかしがってくれるに違いない。
「やあ」
「いらっしゃいませ。いつもの?」
「うん、それとおすすめのサンドイッチを頼むよ」
「じゃあ始まったばっかりのこれを食べてみて。美味しいよ!ここで食べる?持ち帰り?」
「ここで」
今朝ぶりに会うが夜もアーロンはかわいい。君と一緒にそのホリデーチキンサンドでデートしたいと言うのを抑えただけで褒められてもいいと思う。
「そうだ、プリペイドカード?を買いたいんだが……実はカードを止められてて」
え、といった顔をするアーロンにキスをしたい衝動を押し殺しジェリーはクールに笑ってみせて言う。
「毎日数ドルずつ引かれていくから不審に思ったらしい。ここで買い物をしただけなのにね」
そう言ってチャーミングだと評判の下手くそなウィンクをしてみせる。
「本当に?ジョークみたいだ」
思ったとおりアーロンはクスクス笑ってくれた。それから思い出したように言う。
「そうだ、うちにもブラックカードがあるんだよ。それにする?」
珍しいんだ、限定でね。そう言ってカリフォルニアの太陽みたいに笑うアーロンに、ジェリーが嫌と言う筈も無かった。目的とは違うものだが、彼のためなら何枚でもカードを止められても構わなかった。
「そうだ、このカードは海外でも使える?これから中国に出張で」
アーロンの柔らかそうな金の砂色をした髪と同じ色の眉がへにゃりと下がる。彼にそんな顔をさせたい筈も無く、ジェリーは慌ててしまう。
「ごめんね、アメリカとカナダだけなんだ。あとは現地で別にカードを買ってもらうしかなくて」
「全然構わない、君が謝らなくていい……じゃあこのカードは君にだけ使うよ」
本心からの言葉だったが、アーロンはジョークだと思ったのか吹き出してしまった。しかしそれで彼に笑顔が戻ったので全く構わなかった。温まったサンドイッチとコーヒーを差し出してアーロンが微笑む。
「ごゆっくりどうぞ」
この笑顔を守るためなら何でもする、そうサンドイッチと共に噛み締めるジェリーであった。
そんな日が続いたある日、よくない噂がジェリーの耳に入った。
「隣のビル、いよいよヤバいらしいですよ」
「何だって?」
「どうも立ち行かなくって閉めるかも知れないそうです」
そんな、ジェリーは愕然とした。隣のビルが閉まるということはアーロンのコーヒーショップも出ていかざるを得ないということで、もう彼に会えなくなるかもしれないのだ。由々しき事態だった。
「ティム、あのビルを買うぞ。向こうの言い値で構わない。今すぐアポを取ってきてくれ」
「へ?あ、分かりました」
汲々としていたらしい隣のビルのオーナーは一も二もなく承諾し、その日の内にジェリーはアーロンの店の大家となった。突然の買収に社内では社長がいくつかある店の中でどの店員目当てなのか賭けが行われている様だったが、どうでも良かった。
その翌週、ジェリーの最も苦手とする相手との会議を済ませ這々の体で社長室に戻り、気晴らしのコーヒーをロバートが持ってきた。いや、正確に言うとロバートでなかったし、社員でもなかった。コーヒーもいつものでなく、ジノリのカップに入っているミーレのコーヒーだった。
「アーロン!どうして?」
いつも涼やかな美しい眼を気まずそうに外に向けアーロンは言う。
「君に聞きたいことがあって、無理言って入れて貰ったんだ」
「……そうか、まあ座ってくれ。コーヒーをありがとう」
二人は応接用ソファに向かい合って座る。
「凄いオフィスだね」
「そうか?」
「立派なコーヒーメーカーもある」
「君のところのコーヒーが好きなんだ」
誓ってこれは本当だった。社のコーヒーメーカーは社員と来客用なのだ。あのチェーン店のコーヒー、今ではアーロンの淹れたそれが一番好きな飲み物だった。
アーロンの暫しの沈黙にジェリーはそわそわと視線をさ迷わせる。彼の無表情はグランマの圧力よりも恐ろしかった。
「どうしてうちのビルを買収したんだ?」
「なん、で」
ふ、と疲れたみたいにアーロンは笑って答える。
「オーナーが急に変わったら調べたくもなるだろ。確かに買ったのは不動産会社だったけどあんなちっぽけなビルを買うようなとこじゃない。そうしたら君のとこの傘下の会社じゃないか。あとはお得意様の君のとこの社員の噂話で確信したんだ。君が誰かのために買ったって」
ぐうの音もでなかった。あまりの恥ずかしさに押し黙っていると、何を勘違いしたのかアーロンは立ち上がってしまった。
「君がそんな私欲で動くなんて思いたくなくて……。いや、ごめん、僕なんかが立ち入って聞く事じゃなかった。忘れてくれ」
「待って、アーロン」
「君があんまり優しいから、その、友情かなにかが僕らの間にある気が、ーーごめん。勘違いだ。帰る」
「君に会えなくなるのが嫌でやったことなんだ」
踵を返そうとしていたアーロンの動きが止まる。しまった。
「……僕?」
怪訝そうな顔をしていたのがジェリーの顔を見るなりピンクに染まっていく。いったいどんな顔をしていたんだ?
その後の事はあまり覚えていない。アーロンは逃げるようにオフィスから去り、ジェリーは紙づまりを起こしたコピー機以下の置物となってジェニファー・バック秘書長の手により家へ強制送還された。そしてジャケットも脱ぐ事なくジャガード織りのふかふしたソファに埋まっている。革張りだったら窒息しているところだ。電話もメールも一切見たくなかった。しかし。
「旦那様!お客様ですよ!」
「ぅう……」
「ハンサムな男の方!」
がばっ。音を立てて起き上がる。ジェリーはモニターの前で仁王立ちしているハウスメイドのダニエラの元に駆けつけた。画面に映って所在無さげにしているのは間違えようもなくアーロンだった。
「なんで……」
「追い返します?」
「いや、今日は表から帰っていいから彼を中に案内してくれますか」
「お安い御用。では今日は帰りますね」
「ああ、いつもありがとう」
そう言って大きな尻を揺らしながらダニエラは出て行った。力が抜けてジェリーは思わずその場に座り込んだ。どうせジェニファーの差し金だろうが、なぜ彼はそれに乗ったんだ?どんな顔をして会えば?産まれて初めてと言っていい危機的状況に思わずジェリーは顔を覆った。
ジェリーCEO×アーロンカフェ店長の話。
−−−−−−−−−−−−−−
「ジェニファー、ティムはどうした?」
「車に凍ったリスがぶつかったから遅刻するって」
「はぁ?」
「冗談、子供さんが病気だから病院寄ってから出勤でジュリアは産休、ジョーイは用事で社外に。だから新入りくんを使って。いい子よ?ロバート!こっちに」
Bloody hell, そうよろしくない言葉で小さく悪態をつくとジェリーはにこやかに振り向くと目を輝かせた新人と握手をした。
「よろしくな、ロバート」
「はい!社長、よろしくお願いします!」
緊張感しているのか興奮しているのか妙に元気いっぱいな様子にジェリーは苦笑する。
「社長、コーヒーをどうぞ!」
「ああ、ありがとう」
一口飲んで吹き出しそうになった。砂糖はおそらく3つで甘すぎ、牛乳はノンファットで味気がない。ジェリーが好むのはエクストラショット、低脂肪ミルクのカプチーノだ。しかも隣のチェーン店のやつだ。
「ロバート、ジェニファーと今日の予定を再確認しててくれ」
「あ、ハイ!」
もうやったんだけどな、ロバートはそういう顔をしているが無視して急いでエレベーターに乗った。早くいつものコーヒーが飲みたい。一口飲んだだけのコーヒーはすれ違いざまの誰かに押し付けた。
社の隣にあるコーヒーショップに何年かぶりに入ると、レジにいる店員に目を惹かれた。いや、正確に言うと目を奪われた。そこだけ雲が割れ天上の光が差し込んだかのように輝いていたのだ。その麗しの君はジェリーに微笑みかけ、柔らかな声で言った。
「いらっしゃいませ」
教会のカリヨンが祝福の音を響かせたようだった。ジェリーはあまりの衝撃でふらつきながら彼のレジへと吸い寄せられた。
「あー……、ええっと、グランデでショット追加のカプチーノ、2%ミルクで」
「ありがとうございます、お名前は?」
「ジェリーだ」
「OK、ジェリー。4.55ドルです」
「ああ、カードで」
「こちらに」
そう差し出された機械に差し込むべくカードケースから一枚抜き出す。
「わ」
「 何か?」
天使のような愛らしく小さい声を漏らした彼、ーー名札によればアーロン(なんと美しい名前!)ーーに尋ねると、彼は恥ずかしそうに笑って言う。
「いえ、あの、ブラックカードを見るのは初めてで……。すみません」
そう非礼を詫びると、アーロンは頬を少し染めはにかんだ。
かわいい。はちゃめちゃにかわいい。
自分と同年代の男に抱く感情ではないような気もするが、とにかくアーロンは少なくともジェリーの目にはかわいらしく映った。いや、かわいくないと言う人間がいたら世界で数本の指に入る優秀な脳外科医を紹介するところだ。コーヒーの紙カップに書かれた自分の名前とスマイルマークに踊りださんばかりにジェラルドは浮かれて店を後にした。人生で一番美味しいコーヒーだった。
「ジェリー!」
「どうした、ジェニファー」
「緊急、カード会社から。不正使用の可能性だって」
「何?ありがとう」
形のよい眉を顰めた秘書長から電話を受け取る。
「バトラーだ」
「いつもお世話になっております、担当のキース・ウィリアムズです。早速ですがお客様のカードからここ数日少額のお取引が見られまして、緊急にカードを停止しております。何か心当たりはございますか?」
少額の取引。しばらく考え込んだジェリーだったが、手元のコーヒーを見て気がついた。
「金額は全部4.55ドルか?」
「そうです」
「ああ、なら全て私が使ったものだ」
「佐用ですか、了解いたしました。ではカードのご利用の再開でよろしいでしょうか」
「頼むよ。迷惑をかけたね」
「いえとんでもございません。少々手続きにお時間いただきますが、早急にご利用を再開させていただきます」
「ありがとう、では失礼」
「お時間いただきありがとうございました。失礼いたします」
電話を切ってジェリーは思わず目を覆って笑いだしてしまった。その様子を見てジェニファーは訝しげに尋ねた。
「なんだったの?」
「いや、ここ最近コーヒーを自分で買ってただろ?それが安すぎてカードを止められた」
はは、と思わず声を上げて笑うジェリーに彼女は呆れた顔をした。
「まさかブラックカードで買ってたの?信じられない!」
「小銭が無くて」
「じゃ、次は秘書に買わせるかプリペイドカードを買うのね。あなたみたいなおかしな人間のために450ドルぐらいの特別なカードがあるはず」
言外に馬鹿ね、と込めてジェニファーが言う。苦笑してみせるが、彼女のそういうところが気に入っている。
「じゃあ今日のディナーで店に行って買うよ」
「あきれた、誰目当てなんだか。まあいいけど。20時のフライトには絶対に間に合うようにね!」
「OK」
そんなことをやり取りしていると、ジェリーのオーデマ・ピゲ ロイヤルオーク クロノグラフが18時36分を告げた。飛び出すようにしてアーロンのいるコーヒーショップに向かう。彼のタイムシフトはほぼ完璧に記憶している。さっきのカードの話をしたらきっとアーロンはおかしがってくれるに違いない。
「やあ」
「いらっしゃいませ。いつもの?」
「うん、それとおすすめのサンドイッチを頼むよ」
「じゃあ始まったばっかりのこれを食べてみて。美味しいよ!ここで食べる?持ち帰り?」
「ここで」
今朝ぶりに会うが夜もアーロンはかわいい。君と一緒にそのホリデーチキンサンドでデートしたいと言うのを抑えただけで褒められてもいいと思う。
「そうだ、プリペイドカード?を買いたいんだが……実はカードを止められてて」
え、といった顔をするアーロンにキスをしたい衝動を押し殺しジェリーはクールに笑ってみせて言う。
「毎日数ドルずつ引かれていくから不審に思ったらしい。ここで買い物をしただけなのにね」
そう言ってチャーミングだと評判の下手くそなウィンクをしてみせる。
「本当に?ジョークみたいだ」
思ったとおりアーロンはクスクス笑ってくれた。それから思い出したように言う。
「そうだ、うちにもブラックカードがあるんだよ。それにする?」
珍しいんだ、限定でね。そう言ってカリフォルニアの太陽みたいに笑うアーロンに、ジェリーが嫌と言う筈も無かった。目的とは違うものだが、彼のためなら何枚でもカードを止められても構わなかった。
「そうだ、このカードは海外でも使える?これから中国に出張で」
アーロンの柔らかそうな金の砂色をした髪と同じ色の眉がへにゃりと下がる。彼にそんな顔をさせたい筈も無く、ジェリーは慌ててしまう。
「ごめんね、アメリカとカナダだけなんだ。あとは現地で別にカードを買ってもらうしかなくて」
「全然構わない、君が謝らなくていい……じゃあこのカードは君にだけ使うよ」
本心からの言葉だったが、アーロンはジョークだと思ったのか吹き出してしまった。しかしそれで彼に笑顔が戻ったので全く構わなかった。温まったサンドイッチとコーヒーを差し出してアーロンが微笑む。
「ごゆっくりどうぞ」
この笑顔を守るためなら何でもする、そうサンドイッチと共に噛み締めるジェリーであった。
そんな日が続いたある日、よくない噂がジェリーの耳に入った。
「隣のビル、いよいよヤバいらしいですよ」
「何だって?」
「どうも立ち行かなくって閉めるかも知れないそうです」
そんな、ジェリーは愕然とした。隣のビルが閉まるということはアーロンのコーヒーショップも出ていかざるを得ないということで、もう彼に会えなくなるかもしれないのだ。由々しき事態だった。
「ティム、あのビルを買うぞ。向こうの言い値で構わない。今すぐアポを取ってきてくれ」
「へ?あ、分かりました」
汲々としていたらしい隣のビルのオーナーは一も二もなく承諾し、その日の内にジェリーはアーロンの店の大家となった。突然の買収に社内では社長がいくつかある店の中でどの店員目当てなのか賭けが行われている様だったが、どうでも良かった。
その翌週、ジェリーの最も苦手とする相手との会議を済ませ這々の体で社長室に戻り、気晴らしのコーヒーをロバートが持ってきた。いや、正確に言うとロバートでなかったし、社員でもなかった。コーヒーもいつものでなく、ジノリのカップに入っているミーレのコーヒーだった。
「アーロン!どうして?」
いつも涼やかな美しい眼を気まずそうに外に向けアーロンは言う。
「君に聞きたいことがあって、無理言って入れて貰ったんだ」
「……そうか、まあ座ってくれ。コーヒーをありがとう」
二人は応接用ソファに向かい合って座る。
「凄いオフィスだね」
「そうか?」
「立派なコーヒーメーカーもある」
「君のところのコーヒーが好きなんだ」
誓ってこれは本当だった。社のコーヒーメーカーは社員と来客用なのだ。あのチェーン店のコーヒー、今ではアーロンの淹れたそれが一番好きな飲み物だった。
アーロンの暫しの沈黙にジェリーはそわそわと視線をさ迷わせる。彼の無表情はグランマの圧力よりも恐ろしかった。
「どうしてうちのビルを買収したんだ?」
「なん、で」
ふ、と疲れたみたいにアーロンは笑って答える。
「オーナーが急に変わったら調べたくもなるだろ。確かに買ったのは不動産会社だったけどあんなちっぽけなビルを買うようなとこじゃない。そうしたら君のとこの傘下の会社じゃないか。あとはお得意様の君のとこの社員の噂話で確信したんだ。君が誰かのために買ったって」
ぐうの音もでなかった。あまりの恥ずかしさに押し黙っていると、何を勘違いしたのかアーロンは立ち上がってしまった。
「君がそんな私欲で動くなんて思いたくなくて……。いや、ごめん、僕なんかが立ち入って聞く事じゃなかった。忘れてくれ」
「待って、アーロン」
「君があんまり優しいから、その、友情かなにかが僕らの間にある気が、ーーごめん。勘違いだ。帰る」
「君に会えなくなるのが嫌でやったことなんだ」
踵を返そうとしていたアーロンの動きが止まる。しまった。
「……僕?」
怪訝そうな顔をしていたのがジェリーの顔を見るなりピンクに染まっていく。いったいどんな顔をしていたんだ?
その後の事はあまり覚えていない。アーロンは逃げるようにオフィスから去り、ジェリーは紙づまりを起こしたコピー機以下の置物となってジェニファー・バック秘書長の手により家へ強制送還された。そしてジャケットも脱ぐ事なくジャガード織りのふかふしたソファに埋まっている。革張りだったら窒息しているところだ。電話もメールも一切見たくなかった。しかし。
「旦那様!お客様ですよ!」
「ぅう……」
「ハンサムな男の方!」
がばっ。音を立てて起き上がる。ジェリーはモニターの前で仁王立ちしているハウスメイドのダニエラの元に駆けつけた。画面に映って所在無さげにしているのは間違えようもなくアーロンだった。
「なんで……」
「追い返します?」
「いや、今日は表から帰っていいから彼を中に案内してくれますか」
「お安い御用。では今日は帰りますね」
「ああ、いつもありがとう」
そう言って大きな尻を揺らしながらダニエラは出て行った。力が抜けてジェリーは思わずその場に座り込んだ。どうせジェニファーの差し金だろうが、なぜ彼はそれに乗ったんだ?どんな顔をして会えば?産まれて初めてと言っていい危機的状況に思わずジェリーは顔を覆った。
エロパートだよ!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「ハイ」
「やあ」
アーロンの顔を見るのも辛かったが、憂いを帯びた彼はなんとも言えず魅力的だった。
「あれから君の言ったことを考えてたんだ」
凪いだ海のように静かな声でアーロンは話し出す。
「君みたいな偉い人が毎日コーヒーを買いに来る理由、僕に会うためにビル一棟買うなんてバカなことをした理由……。それは、……君は、僕のことが、好き、だから……?」
「一目見た時から、君に、夢中なんだ」
真摯な声で、どうかこの思いが彼に届くようにと祈りながらジェリーは言った。全身の血が頬に集まる感覚を気恥ずかしく思ったが、アーロンの頬も同じように染まっているのを見てジェリーは驚いた。
「君と僕とじゃ釣り合わないよ。僕はしがない雇われ店長だし……」
ジェリーは瞬きしてから目を見開いた。それじゃあ、釣り合えば彼は自分と付き合ってくれるのだろうか。
「じゃあ、君の望む男になればいい?」
そう言うと3万ドルの時計を外しそこら辺に捨て置く。次はルビーのカフス。それからイタリアのビスポークの靴とサヴィル・ロウで仕立てたジャケット、エルメスのタイもぜんぶ後ろに放り投げた。
「他には?」
そう言うとアーロンをがっしりとしたその長い腕の中に閉じ込める。
「君に愛されるためならなんでもする」
そう囁いてジェリーは桃色に染まった顔を背けるアーロンの顔をこちらに向けさせ、彼の額にそっと額を合わせる。
「きみは、ずるい」
「愛してる、愛してるんだ、アーロン……。君に愛してもらえるためならなんでもするよ……。明日から君のところで雇ってくれる?」
そうおどけた様に言うと、アーロンは小さく吹き出した。
「そんなことしなくても、僕は多分君を愛してるよ」
「多分?」
「そう、自分のせいで落ち込んだ君のために駆けつけるくらいにはね」
言い終わると同時にアーロンはジェリーの唇に口付けた。
ちゅ、とかわいらしい音を立てて離れようとした唇を追いかけて自らのそれでアーロンの薄い唇をやわく喰むとアーロンの控えめな舌がちらりと煽る。それを逃すはずも無くジェリーは食らいついた。存外アーロンも積極的に水音を立てて舌を絡め、ジェリーの波打つ栗毛を指でかき混ぜる。ジェリーは甘くアーロンの下唇を噛んで離した。
「嘘みたいだ……君にキスしてるなんて」
そう幸せそうにジェリーは呟くと、口づけを何度も落としながら兆し始め膨らんだ前立をアーロンに押し付ける。
「ぁ、は、……ふ、」
そうこうしているとアーロンの口から艶めいた声が漏れ出した。ジェリーは隙かさずアーロンのデニムを寛げる。アーロンは戸惑いながらも同じようにした。
「俺の握って……。そう、ぁあ……」
恋い焦がれた相手の美しい指が自身の牡を握っていることに酩酊したが、なんとか持ち直しジェリーもアーロンの緩く勃ったそれに触れ、ゆるゆると上下させる。
「んぅ……こんな、は、ふッ」
感じ入った息を零すアーロンに、もっと快楽を与えたいという欲が出る。
「アーロン……これ、両方握ってくれる?」
目を白黒させながらもアーロンは従った。初めての感触だった。
「なかなか、いいもんだろ……?」
囁くジェリーからアーロンは羞恥から目を逸らしたが、かえって二本のペニスを握っていること、お互いの興奮の証である、ドクドクした欲望の脈動をはっきりと感じてしまう。
「もっと悦くなるよ」
そうアーロンの耳に囁く。それと同時にお互いの亀頭を親指の腹で強く擦った。
「ア!んぅ、ヒッなに、こ、れぁア!んッ!」
「気持ちいい?、ふ、アーロン……!」
そうしてどちらのものか分からないカウパーまみれの鈴口にやわく爪を立てたり、ひどく擦り上げる。と同時に朱い首筋に、俯いた頬に、美しい耳の裏にキスを落としていく。そのたびにアーロンは小さく跳ねる。
「や、や!ぁう、くる、来る、う!んぅ……!」
「俺も、イキそう……一緒にイこう、ふ、うッ」
アーロンのそのなだらかな下腹部にびゅるびゅると音を立てて噴き出したお互いの精液がかかる。あまりの視覚の暴力に、にやつきながらジェリーは指で掬った。
「どっちのか、わかったもんじゃないな」
そう言ってアーロンに見せつけるように汚れた指を舐めあげる。その卑猥な動作にアーロンは頭を殴られたみたいに呆然としていた。
そのショックから少々回復したアーロンが蚊の鳴くような声で言った言葉にジェリーは驚いて眼を向いてしまう。
「あの……この先もするんなら、シャワー浴びたいんだけど」
「一緒に入っていい?」
「バッ……だめ、準備とか、あるから……」
おお神よ。アンタ、最高だ!思わず鼻息が荒くなりそうなのをジェリーはなんとか抑える。
「じゃあおとなしく待ってる」
ちゅ、と俯いたアーロンの額にキスすると、彼はバスルームに向かった。
さて。
いつも相手のシャワータイムにはどうしていたんだっけ?半分混乱しているジェリーの知能指数は激減してしまっていた。まず準備だ、とローションとスキンのパックを取り出す。置くところ……チェストはこの馬鹿でかいベッドから届かないだろう。かと言ってベッドの上に放っておいたらムードが無いと思われるかもしれない。悩んだ挙句そっと枕と布団の間に置いてそう目立たないようにしておいた。まだアーロンは出てこない。ジェリーは手持ち無沙汰でスコッチを煽った。
それにしても遅すぎでは無いだろうか?心配になりバスルームのドアをノックする。
「アーロン?」
「……ぅう」
「具合でも悪い?入るよ」
ドアを開けるとバスローブで完全防備して踞るアーロンがいた。
「どうした?何か問題でも?」
「……ある……笑うなよ……、脱ぐのが、恥ずかしい」
羞恥で首まで赤くしたアーロンの呟きにジェリーはそんなことか、と安心した。
「俺も脱ぐから、な?」
うう、と呻きながらアーロンは座り込んでしまった。
「そりゃあ君はかっこいいから……体格もいいし……」
「泣くなよ〜」
「泣いてない!ばか」
真っ赤なアーロンの顔にジェリーは手を当て、二人は眼を合わせる。
「俺は泣くかも……。幸せすぎて」
ジェリーのうっとりとした優しい声で少しアーロンの緊張がほぐれたところでジェリーはアーロンを担ぎ上げ、ベッドにそっと降ろす。
「電気……消してくれ」
「手を2回叩けば消えるよ」
怪訝な顔でアーロンが手を叩くと、確かにメインの照明は消えたが代わりにムードたっぷりな間接照明がついた。
「最高だろ?」
「もう!金持ちジョーク止めろ!」
二人で子供みたいにクスクス笑いながら抱きしめ合う。そしてジェリーはゆっくりとしたキスを薄い口唇に何度も繰り返し、アーロンの少しの怯えと羞恥に染まった美しい瞳を見つめる。
黙ってしまったアーロンのバスローブの袷に指を入れゆっくり撫で下ろす。シュル、と音を立ててベルトを解き、アーロンを生まれたままの姿にしてしまう。晒された程よく鍛えられた身体は羞恥で薄桃色に染まっている。
「やっぱり……。綺麗だ……」
「もっと若い子とか女の人に言えよ」
可愛らしく拗ねて唇を尖らせたアーロンにキスの雨を降らす。
「世界で一番、君が綺麗だよ」
「……もういい、恥ずかしい男だな君」
「もっと深く愛していい?」
そうジェリーは甘く囁くとアーロンの腰に枕を入れ、肩から小ぶりな尻へと徐々に身体を撫でていく。
「いい、よ」
許可が下りたことに内心狂喜しながら手に垂らしたローションを温める。アーロンに、最高に、気持ちよくなって欲しい。
ジェリーはアーロンの慎み深い孔に指を伸ばし、その周りをやわくくるくると撫でる。その感触にアーロンはふ、ふっ、と小さく息を零しながら小さく跳ねる。
「挿れるよ……」
「ん……」
ぐ、とスキンを被せた一番細い小指を第一関節辺りまでアーロンの秘部に挿れると、アーロンは小さく息を詰めた。
「少し我慢して……気持ちよくするから」
金色の髪を揺らしながら頷くアーロンに微笑み、ジェリーはアーロンの緊張を解そうと耳を舐め、手にはローションを足して指を深く埋めた。
「……うっ、ふ、ぅン!や、だ、それ」
「舐められるの好き?反対側もやってあげる……」
赤く火照った耳に低く声と吐息を注ぎ込むと言葉通り左耳を舐めあげる。その度に震えるアーロンに笑いながら耳朶を甘く嚙み、小さな穴に唾液で湿らせた熱い下をねじ込み、くちくちと音を立てて耳介をねぶる。それと同時にとろりと蕩けてきたアーロンの後孔に挿れた指を増やしていくと、その総てにアーロンは吐息を漏らし、身悶えする。
「やぁ、んぅうう……もう、じぇり、入る?欲しい……」
「ああ、挿れるよ……」
「はぁ、うん、ちょうだい……!!ひぅ、んんッ、う……」
アーロンは初めて熱いジェリー自身を迎え入れ、痛みと苦しさを感じたがそれを上回る幸福感に満たされる。
「はッ、はッ、は、ジェリ、気持ちい?」
「ぁあ、最高にね……。アーロンも、俺で気持ちよくなって、ね?ここ、俺のが、挿入ってる、お腹に力入れたり抜いたりしてみて……」
そう囁くとジェリーはアーロンの下腹を優しく撫でる。
言われた通りにしていると、突然アーロンの身体を快感の電流が襲う。
「や、ぁ!なに、これ、アン!へ、変、ア!じぇり……やあ!」
そう怯えるアーロンに宥める様に美しい目蓋や頬ににそっと何度もキスをする。
「もっと気持ちよくなっていいんだよ、大丈夫」
そう言われても泣き顔でビクビク跳ねているアーロンを落ち着かせようと頭を撫でる。
そうして居る内にに全身を愛撫され、うっとりと寝転がっていたアーロンは同じようにジェリーの逞しい体を撫で下ろしていき、二人が繋がっているところに指を這わせる。
「、ふ……アーロン……!」
突然怒張しきった幹を撫でられジェリーに快感が走る。
「ぁは、これ?なん、君、全部挿れてない……?ジェリー、じぇり、ね、いいよ、全部欲しい、は、挿れて、挿れて、全部、んッ」
その願いを聞いてガツン、と音がするほどジェリーは腰を打ち付けた。
「あ!は、ん!好き、ぅ、ァッ!なん、ハァ、くるし……っ!!いいぃ……きもち、じぇり!ん、は、アぅッ!」
ジェリーが熱くアーロンに囁く。
「せなか、爪立てていい、よ……」
「ん、ぁ!ぅ、ふッ……!すき、好き……ッ!じぇり、ジェリィ……」
そう言ってアーロンは手当たり次第にジェリーにキスをして、手では愛撫する。そうされるたびに甘い快感がジェリーを苛む。そうしている内にアーロンは絶頂を迎え、鈴口から熱い飛沫を吐き出した。
「おく、奥すごいの、なんでぇ……」
そう言ってアーロンはジェリーの屹立で膨らんだ自分の白い下腹部を撫でる。その様子はあまりにも扇情的だった。そしてジェリーは熱い息を吐きながらアーロンが初めての快感に慣れるまで動かず抱きしめ、所構わずキスの雨を降らせる。
「ぁッ!ふ……おっきくなったぁ……」
そう恍惚として言うアーロンは、信じられないほど美しかった。
「ゃだ、ぁ、なん、気持ち、い!よぉ……じぇりの形、ん、ふッ、すごい分かる……ひ、ン!」
「は、堪らないな……」
そう言って嫌々と頭を振るアーロンの口に深い深いキスをする。そのジェリーのキスに翻弄されながらアーロンはどうにか喋る。
「ジェリ、気持ちい?んム、あふ、……動いて、ンン、動いて、はふ、いいよ」
ジェリーは舌を絡め合うキスを続けたまま、ゆっくりと動き出した。
「きつく、ふ、ない?」
「ん……熱い……溶けそ、気持ち、い、よ……ジェリー……」
「ふっ、ふっ、はぁ、は、イキそ……アーロン、アーロン、キスしてくれ……」
髪をかき上げてジェリーが言う。
「ふふ、いいよ、君、なんか、んん、ふっ、ぁ、可愛いな……」
そう言ってアーロンは口唇を合わせ、ジェリーの舌を絡め取り口淫のように吸う。
「ゥむ、んん……、は、アーロン、愛してる、はぁッ、イきそ、ぅう、は、ンンっ!」
そう上擦った声で喘ぐジェリーは白濁を勢い良く発射した。そうして二人はベッドに仲良く沈み、荒い息を整えようとする。
「は、アーロン、どうだった?及第点は貰える?」
「ふふ、うん、初めてにしてはすごく気持ちよかったよ」
二人はクスッと笑って合わせるだけのキスをする。
「ゴム変えるの忘れてたな」
そう言ってジェリーは精液の溜まりに溜まったゴムの口を縛る。するとアーロンが蕩けた眼でそれをぷに、と突く。
「いっぱいでたね、ジェリー。なんだか嬉しいよ」
そう言って純粋そうにニコニコ笑うアーロンと似つかわしくないセクシーな動作と言葉に思わずジェリーは赤面してしまう。
「それ、反則だよ、アーロン……」
いつも自信満々で髭を蓄えて長めのゆるく波打つ髪を持った大企業のCEOを可愛いと思ってふふ、と笑ったアーロンはあくびをした。そしてジェリーにもあくびが移った。
「ん、寝よっか、ジェリー」
「うん……おやすみアーロン」
久々に本気の恋の相手と眠るのは本当に心地よかった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「ハイ」
「やあ」
アーロンの顔を見るのも辛かったが、憂いを帯びた彼はなんとも言えず魅力的だった。
「あれから君の言ったことを考えてたんだ」
凪いだ海のように静かな声でアーロンは話し出す。
「君みたいな偉い人が毎日コーヒーを買いに来る理由、僕に会うためにビル一棟買うなんてバカなことをした理由……。それは、……君は、僕のことが、好き、だから……?」
「一目見た時から、君に、夢中なんだ」
真摯な声で、どうかこの思いが彼に届くようにと祈りながらジェリーは言った。全身の血が頬に集まる感覚を気恥ずかしく思ったが、アーロンの頬も同じように染まっているのを見てジェリーは驚いた。
「君と僕とじゃ釣り合わないよ。僕はしがない雇われ店長だし……」
ジェリーは瞬きしてから目を見開いた。それじゃあ、釣り合えば彼は自分と付き合ってくれるのだろうか。
「じゃあ、君の望む男になればいい?」
そう言うと3万ドルの時計を外しそこら辺に捨て置く。次はルビーのカフス。それからイタリアのビスポークの靴とサヴィル・ロウで仕立てたジャケット、エルメスのタイもぜんぶ後ろに放り投げた。
「他には?」
そう言うとアーロンをがっしりとしたその長い腕の中に閉じ込める。
「君に愛されるためならなんでもする」
そう囁いてジェリーは桃色に染まった顔を背けるアーロンの顔をこちらに向けさせ、彼の額にそっと額を合わせる。
「きみは、ずるい」
「愛してる、愛してるんだ、アーロン……。君に愛してもらえるためならなんでもするよ……。明日から君のところで雇ってくれる?」
そうおどけた様に言うと、アーロンは小さく吹き出した。
「そんなことしなくても、僕は多分君を愛してるよ」
「多分?」
「そう、自分のせいで落ち込んだ君のために駆けつけるくらいにはね」
言い終わると同時にアーロンはジェリーの唇に口付けた。
ちゅ、とかわいらしい音を立てて離れようとした唇を追いかけて自らのそれでアーロンの薄い唇をやわく喰むとアーロンの控えめな舌がちらりと煽る。それを逃すはずも無くジェリーは食らいついた。存外アーロンも積極的に水音を立てて舌を絡め、ジェリーの波打つ栗毛を指でかき混ぜる。ジェリーは甘くアーロンの下唇を噛んで離した。
「嘘みたいだ……君にキスしてるなんて」
そう幸せそうにジェリーは呟くと、口づけを何度も落としながら兆し始め膨らんだ前立をアーロンに押し付ける。
「ぁ、は、……ふ、」
そうこうしているとアーロンの口から艶めいた声が漏れ出した。ジェリーは隙かさずアーロンのデニムを寛げる。アーロンは戸惑いながらも同じようにした。
「俺の握って……。そう、ぁあ……」
恋い焦がれた相手の美しい指が自身の牡を握っていることに酩酊したが、なんとか持ち直しジェリーもアーロンの緩く勃ったそれに触れ、ゆるゆると上下させる。
「んぅ……こんな、は、ふッ」
感じ入った息を零すアーロンに、もっと快楽を与えたいという欲が出る。
「アーロン……これ、両方握ってくれる?」
目を白黒させながらもアーロンは従った。初めての感触だった。
「なかなか、いいもんだろ……?」
囁くジェリーからアーロンは羞恥から目を逸らしたが、かえって二本のペニスを握っていること、お互いの興奮の証である、ドクドクした欲望の脈動をはっきりと感じてしまう。
「もっと悦くなるよ」
そうアーロンの耳に囁く。それと同時にお互いの亀頭を親指の腹で強く擦った。
「ア!んぅ、ヒッなに、こ、れぁア!んッ!」
「気持ちいい?、ふ、アーロン……!」
そうしてどちらのものか分からないカウパーまみれの鈴口にやわく爪を立てたり、ひどく擦り上げる。と同時に朱い首筋に、俯いた頬に、美しい耳の裏にキスを落としていく。そのたびにアーロンは小さく跳ねる。
「や、や!ぁう、くる、来る、う!んぅ……!」
「俺も、イキそう……一緒にイこう、ふ、うッ」
アーロンのそのなだらかな下腹部にびゅるびゅると音を立てて噴き出したお互いの精液がかかる。あまりの視覚の暴力に、にやつきながらジェリーは指で掬った。
「どっちのか、わかったもんじゃないな」
そう言ってアーロンに見せつけるように汚れた指を舐めあげる。その卑猥な動作にアーロンは頭を殴られたみたいに呆然としていた。
そのショックから少々回復したアーロンが蚊の鳴くような声で言った言葉にジェリーは驚いて眼を向いてしまう。
「あの……この先もするんなら、シャワー浴びたいんだけど」
「一緒に入っていい?」
「バッ……だめ、準備とか、あるから……」
おお神よ。アンタ、最高だ!思わず鼻息が荒くなりそうなのをジェリーはなんとか抑える。
「じゃあおとなしく待ってる」
ちゅ、と俯いたアーロンの額にキスすると、彼はバスルームに向かった。
さて。
いつも相手のシャワータイムにはどうしていたんだっけ?半分混乱しているジェリーの知能指数は激減してしまっていた。まず準備だ、とローションとスキンのパックを取り出す。置くところ……チェストはこの馬鹿でかいベッドから届かないだろう。かと言ってベッドの上に放っておいたらムードが無いと思われるかもしれない。悩んだ挙句そっと枕と布団の間に置いてそう目立たないようにしておいた。まだアーロンは出てこない。ジェリーは手持ち無沙汰でスコッチを煽った。
それにしても遅すぎでは無いだろうか?心配になりバスルームのドアをノックする。
「アーロン?」
「……ぅう」
「具合でも悪い?入るよ」
ドアを開けるとバスローブで完全防備して踞るアーロンがいた。
「どうした?何か問題でも?」
「……ある……笑うなよ……、脱ぐのが、恥ずかしい」
羞恥で首まで赤くしたアーロンの呟きにジェリーはそんなことか、と安心した。
「俺も脱ぐから、な?」
うう、と呻きながらアーロンは座り込んでしまった。
「そりゃあ君はかっこいいから……体格もいいし……」
「泣くなよ〜」
「泣いてない!ばか」
真っ赤なアーロンの顔にジェリーは手を当て、二人は眼を合わせる。
「俺は泣くかも……。幸せすぎて」
ジェリーのうっとりとした優しい声で少しアーロンの緊張がほぐれたところでジェリーはアーロンを担ぎ上げ、ベッドにそっと降ろす。
「電気……消してくれ」
「手を2回叩けば消えるよ」
怪訝な顔でアーロンが手を叩くと、確かにメインの照明は消えたが代わりにムードたっぷりな間接照明がついた。
「最高だろ?」
「もう!金持ちジョーク止めろ!」
二人で子供みたいにクスクス笑いながら抱きしめ合う。そしてジェリーはゆっくりとしたキスを薄い口唇に何度も繰り返し、アーロンの少しの怯えと羞恥に染まった美しい瞳を見つめる。
黙ってしまったアーロンのバスローブの袷に指を入れゆっくり撫で下ろす。シュル、と音を立ててベルトを解き、アーロンを生まれたままの姿にしてしまう。晒された程よく鍛えられた身体は羞恥で薄桃色に染まっている。
「やっぱり……。綺麗だ……」
「もっと若い子とか女の人に言えよ」
可愛らしく拗ねて唇を尖らせたアーロンにキスの雨を降らす。
「世界で一番、君が綺麗だよ」
「……もういい、恥ずかしい男だな君」
「もっと深く愛していい?」
そうジェリーは甘く囁くとアーロンの腰に枕を入れ、肩から小ぶりな尻へと徐々に身体を撫でていく。
「いい、よ」
許可が下りたことに内心狂喜しながら手に垂らしたローションを温める。アーロンに、最高に、気持ちよくなって欲しい。
ジェリーはアーロンの慎み深い孔に指を伸ばし、その周りをやわくくるくると撫でる。その感触にアーロンはふ、ふっ、と小さく息を零しながら小さく跳ねる。
「挿れるよ……」
「ん……」
ぐ、とスキンを被せた一番細い小指を第一関節辺りまでアーロンの秘部に挿れると、アーロンは小さく息を詰めた。
「少し我慢して……気持ちよくするから」
金色の髪を揺らしながら頷くアーロンに微笑み、ジェリーはアーロンの緊張を解そうと耳を舐め、手にはローションを足して指を深く埋めた。
「……うっ、ふ、ぅン!や、だ、それ」
「舐められるの好き?反対側もやってあげる……」
赤く火照った耳に低く声と吐息を注ぎ込むと言葉通り左耳を舐めあげる。その度に震えるアーロンに笑いながら耳朶を甘く嚙み、小さな穴に唾液で湿らせた熱い下をねじ込み、くちくちと音を立てて耳介をねぶる。それと同時にとろりと蕩けてきたアーロンの後孔に挿れた指を増やしていくと、その総てにアーロンは吐息を漏らし、身悶えする。
「やぁ、んぅうう……もう、じぇり、入る?欲しい……」
「ああ、挿れるよ……」
「はぁ、うん、ちょうだい……!!ひぅ、んんッ、う……」
アーロンは初めて熱いジェリー自身を迎え入れ、痛みと苦しさを感じたがそれを上回る幸福感に満たされる。
「はッ、はッ、は、ジェリ、気持ちい?」
「ぁあ、最高にね……。アーロンも、俺で気持ちよくなって、ね?ここ、俺のが、挿入ってる、お腹に力入れたり抜いたりしてみて……」
そう囁くとジェリーはアーロンの下腹を優しく撫でる。
言われた通りにしていると、突然アーロンの身体を快感の電流が襲う。
「や、ぁ!なに、これ、アン!へ、変、ア!じぇり……やあ!」
そう怯えるアーロンに宥める様に美しい目蓋や頬ににそっと何度もキスをする。
「もっと気持ちよくなっていいんだよ、大丈夫」
そう言われても泣き顔でビクビク跳ねているアーロンを落ち着かせようと頭を撫でる。
そうして居る内にに全身を愛撫され、うっとりと寝転がっていたアーロンは同じようにジェリーの逞しい体を撫で下ろしていき、二人が繋がっているところに指を這わせる。
「、ふ……アーロン……!」
突然怒張しきった幹を撫でられジェリーに快感が走る。
「ぁは、これ?なん、君、全部挿れてない……?ジェリー、じぇり、ね、いいよ、全部欲しい、は、挿れて、挿れて、全部、んッ」
その願いを聞いてガツン、と音がするほどジェリーは腰を打ち付けた。
「あ!は、ん!好き、ぅ、ァッ!なん、ハァ、くるし……っ!!いいぃ……きもち、じぇり!ん、は、アぅッ!」
ジェリーが熱くアーロンに囁く。
「せなか、爪立てていい、よ……」
「ん、ぁ!ぅ、ふッ……!すき、好き……ッ!じぇり、ジェリィ……」
そう言ってアーロンは手当たり次第にジェリーにキスをして、手では愛撫する。そうされるたびに甘い快感がジェリーを苛む。そうしている内にアーロンは絶頂を迎え、鈴口から熱い飛沫を吐き出した。
「おく、奥すごいの、なんでぇ……」
そう言ってアーロンはジェリーの屹立で膨らんだ自分の白い下腹部を撫でる。その様子はあまりにも扇情的だった。そしてジェリーは熱い息を吐きながらアーロンが初めての快感に慣れるまで動かず抱きしめ、所構わずキスの雨を降らせる。
「ぁッ!ふ……おっきくなったぁ……」
そう恍惚として言うアーロンは、信じられないほど美しかった。
「ゃだ、ぁ、なん、気持ち、い!よぉ……じぇりの形、ん、ふッ、すごい分かる……ひ、ン!」
「は、堪らないな……」
そう言って嫌々と頭を振るアーロンの口に深い深いキスをする。そのジェリーのキスに翻弄されながらアーロンはどうにか喋る。
「ジェリ、気持ちい?んム、あふ、……動いて、ンン、動いて、はふ、いいよ」
ジェリーは舌を絡め合うキスを続けたまま、ゆっくりと動き出した。
「きつく、ふ、ない?」
「ん……熱い……溶けそ、気持ち、い、よ……ジェリー……」
「ふっ、ふっ、はぁ、は、イキそ……アーロン、アーロン、キスしてくれ……」
髪をかき上げてジェリーが言う。
「ふふ、いいよ、君、なんか、んん、ふっ、ぁ、可愛いな……」
そう言ってアーロンは口唇を合わせ、ジェリーの舌を絡め取り口淫のように吸う。
「ゥむ、んん……、は、アーロン、愛してる、はぁッ、イきそ、ぅう、は、ンンっ!」
そう上擦った声で喘ぐジェリーは白濁を勢い良く発射した。そうして二人はベッドに仲良く沈み、荒い息を整えようとする。
「は、アーロン、どうだった?及第点は貰える?」
「ふふ、うん、初めてにしてはすごく気持ちよかったよ」
二人はクスッと笑って合わせるだけのキスをする。
「ゴム変えるの忘れてたな」
そう言ってジェリーは精液の溜まりに溜まったゴムの口を縛る。するとアーロンが蕩けた眼でそれをぷに、と突く。
「いっぱいでたね、ジェリー。なんだか嬉しいよ」
そう言って純粋そうにニコニコ笑うアーロンと似つかわしくないセクシーな動作と言葉に思わずジェリーは赤面してしまう。
「それ、反則だよ、アーロン……」
いつも自信満々で髭を蓄えて長めのゆるく波打つ髪を持った大企業のCEOを可愛いと思ってふふ、と笑ったアーロンはあくびをした。そしてジェリーにもあくびが移った。
「ん、寝よっか、ジェリー」
「うん……おやすみアーロン」
久々に本気の恋の相手と眠るのは本当に心地よかった。
カレンダー
04 | 2025/05 | 06 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | ||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
カテゴリー
フリーエリア
最新記事
(09/17)
(09/17)
(08/01)
(06/17)
(12/31)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
ヤスチカ・カッター
性別:
非公開
ブログ内検索
最古記事
(01/18)
(01/18)
(01/18)
(01/18)
(01/18)
P R